忠犬ハチ公の第二次モテ期から学ぶ、モテ期の作り方
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記事:手塚幸忠(ライティング・ゼミ6月コース)
数年前から、渋谷の忠犬ハチ公像が第二次モテ期を迎えていることをご存知だろうか?
忠犬ハチ公について詳しくない人のために、簡単に説明しよう。ハチ公は1923年に秋田県大館市で生まれた。東京帝国大学農学部教授の上野英三郎博士が純系の日本犬を探していたのがきっかけで、生後50日の時に上野博士の元に引き取られた。ハチ公は毎日東京の渋谷駅まで教授を見送り、午後には駅で教授の帰りを待つことを習慣としていた。しかし、1925年に教授が脳溢血で急逝した。それでもハチ公は教授の死後も毎日渋谷駅に行き、教授の帰りを待ち続けた。ハチ公の忠誠心と毎日の行動は人々の心を打ち、当時から新聞などで話題となった。1934年には渋谷駅にハチ公の銅像が建てられ、ハチ公の見守る中、除幕式が行われた。ハチ公が1935年に亡くなると、生まれ故郷の大館市にも銅像が建てられ、その後、文学や映画でも取り上げられ、国内外でさらに有名になった。特に2009年にリチャード・ギア主演で公開された映画「HACHI 約束の犬」(原題「HACHIKO:A DOG’S STORY」)は評価が高く、記憶にも新しい。
大学時代から私は通学路として渋谷を利用し、今でも仕事で毎日渋谷を通っている。忠犬ハチ公には頻繁に会うが、ここ数年で外国人観光客が列をなして銅像の前に並び、一緒に写真を撮るのを待っている光景が目につく。何十年も毎日渋谷を見てきたが、こんな現象は初めてだ。特にコロナが落ち着いてきた今年の4月頃から顕著に増えたと感じる。
ハチ公像は完成当初から人気があったとはいえ、その後は主に待ち合わせスポットとしての役目を果たし、特に写真を撮るという需要はそれほどなかったように思う。むしろ、人が多すぎて写真を撮ることができる状況ではなかった。現在では、待ち合わせをする日本人はハチ公から少し離れたベンチで待ち、ハチ公周辺を写真を撮る人たちのために開けている。
元々渋谷の街は海外でも有名だ。しかしここ数年で外国人観光客が増えた理由はいくつかある。日本への関心の高まり、円安による旅行のお得感、そしてコロナ禍の緩和政策などが環境的な要因として挙げられる。その一方で、渋谷の街自体も多くの努力をしてきた。個々のお店が行う努力としては、SNSなどでの積極的な情報発信や外国人向けのサービスの提供、そして観光協会や開発に積極的な東急社による「SHIBUYA BEACON NETWORK」というシステムの構築がある。これは渋谷来訪者のスマートフォンに情報を配信できるシステムで、これまでスクランブル交差点だけを見て他の街へ行ってしまっていた観光客に対して、渋谷の街を観光してもらうきっかけとなっている。
モテ期についても色々と調べてみた。あるアンケート調査によれば、自身のモテ期について女性は23~25歳か29~32歳と回答した人が多く、男性は20代前半か「モテ期は一度もない」と回答した人が多かった。AIであるChatGPTに聞いてみると、女性は10代から20代前半、男性は20代後半から30代にかけてモテ期が訪れることが多いとのことだった。私は東洋医学を専門とする仕事をしており、東洋医学の考え方では身体が最も充実する時期があり、それが女性は28歳、男性は32歳とされている。これにはモテ期と通じるものがあるのではないか。
そのアンケート調査では、モテ期の回数についても調査されていて、「人生で2回あった」という回答が多かった。詳しく調べてみると、一度目は上記のような年齢に関連したもので、もう一回は仕事の変化や環境の変化があった時に多いようだ。さらにその変化を分析してみると、環境の変化が自分にとって良い結果をもたらし、自信がついたり充実感があった時に特にモテ期が訪れるようだ。
先ほどの忠犬ハチ公の例を考えると、情勢の変化や環境の変化に加えて、街全体の集客努力が重なって第二次モテ期が訪れたと言える。ただ待っているだけではモテ期は来ない。逆を言えば、自分で環境の変化を作り出し、自信を持てるようになることでモテ期を作り出すことができる。自分の人生を振り返ってみても、確かに環境の変化と、がむしゃらに頑張っていた時が一番良い時期だったと感じる。これからモテ期を迎えたいと思っている人にとって、まずは環境を変え、そして新たな環境で何かに打ち込むことで人生を充実させることが大切だと言える。それを実現するためには、まずは環境を変える勇気を持つことが大切だ。
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