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ダラ系主婦が仕事を始めて劇的に変化した3つのこと


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記事:パナ子(ライティング・ゼミ9月コース)

 
 

ここ3~4年ほど、時間をダラダラと溶かしながら生活をしてきたダラ系主婦の私が急に思い立ってパート勤務に出るようになった。
それはまさしく「そうだ京都、いこう」ならぬ「そうだ仕事、しよう」という勢いのもとにくだされた決断だった。
 
仕事といっても週に2~3回、時間にして平均4時間弱の短時間だ。フルタイムでバッキバキに経済をまわしているバリキャリウーマンのかっこよさに比べると赤ちゃんのようなものだが、それでも仕事を始めたからこそ受ける恩恵を感じ始めている私がいるのも事実なのである。
 
まず一つ目は、朝の時間の使い方が圧倒的に変化した。
これまで、長男を8時前に小学校へ送り出し、9時前に次男を幼稚園に送ると、手つかずの家事には目もくれずスマホを触り出すという日々を送っていた。気の赴くままにYouTubeやらXやらインスタをスワイプしていく。スワイプする指はとどまることを知らず、大量の時間が寝転んだソファに溶けていくのである。
 
世の中には、雑巾がけをしたり、寝具やらカーテンやら家じゅうの布を洗ったり、夫のシャツを丁寧にアイロンがけしたり……探し出せばキリがないという家事を精魂込めて行っていく神的専業主婦がいるというのに!
「まだ時間があるからいっか」と時間を溶かし続けた結果、午後のお迎え前までに家事が何も終わってないと言う日もザラにあった。
 
我ながら、なんて主婦だ!
ぐうたらにも程があるだろ。
 
しかし、である。
パート勤務を始めてからというもの、朝の時間に珍しく焦る気持ちが芽生えるようになった。というのも、10時から14時までの仕事が終わると、その足で次男の幼稚園にお迎えにいく。ということは乾くのに時間を要する洗濯物だけは、必ず終わらせておかないととんでもないことになるからだ。家族に生乾きのパンツは履かせられない。
 
子供たちの朝食の準備をしながら、洗濯機を回し始める。食べさせながら回し終わった洗濯物を干しつつ、お茶碗を洗うのである。きっと世の中の主婦やら主夫やらが以前からやっていそうな事を私はやっと習得した。
 
二つ目に、おいしいお茶を楽しめるということだ。
いや、ダラ系主婦だった時もお茶を楽しむ時間はあったのだが、味わい深さが段違いになった。つい先日は仕事あがりに、とあるカフェに足を踏み入れた。おやつタイムという事もあり多少混雑する店内に並び、私はドーナツ一個とホットコーヒーをゲットした。
 
席に座り、まず水をゴクゴク。
乾いた口を潤す冷たい水のおいしいこと!
 
次に湯気が立ちのぼるコーヒーをゆっくりとすする。
香り高きコーヒーが熱さと共に、五臓六腑に染みわたっていく。
はぁーーーーーっ。うっとりするほどに美味しい。
コーヒーってこんなに美味しかったですっけ? と赤いマグカップになみなみと注いでもらったコーヒーをしげしげと眺める。
 
続いて、カリっとした口当たりのドーナツを一口。
ドーナツの優しい甘さが口いっぱいに広がって、癒しの時間が始まる。
労働のあとのお茶って、最高だ。ほどよく疲れた体がある種のスパイスとなって、ドーナツとコーヒーを格別の美味しさに仕上げてくれる。
 
こうして私は、ダラ系主婦の時にはなかった、極上のお茶の時間を手に入れることに成功したのであった。
 
三つめは、「顔が可愛くなった」ということだ。
四十を越えたババアが何をほざいてるんだと言われそうだが、これが事実なのである。
 
パート先は飲食店で、現在はレーニングも兼ねてお客様の注文をレジにて承る業務が主だ。入っている時間帯がほぼランチタイムということもあり、お客様はひっきりなしに来店される。ほぼ四時間注文を取りっぱなしになることもあり、家でひとりダラダラと過ごしてきた時の20倍くらいの勢いで喋り続ける。
 
千と千尋の神隠しに登場するカオナシのような顔でスマホをスクロールし続けていた私とは比べ物にならないほど、口周りの筋肉を使うのだ。注文を取り続けた結果、口角は自然と上がり、筋肉がほぐれた顔は上気していく。
 
またお客様や先輩従業員たちとの円滑な関係を築くため、笑顔を心掛けていることも大きいかもしれない。
 
よって仕事上がり、従業員控室で制服を脱ぎつつ姿見に映る自分を眺めてみると、カオナシの時にはなかった健康的な血色といきいきとした表情が生み出した人間的な可愛らしさがそこには誕生している。
 
気分がアガッた私は、規則にのっとりお団子ヘアにしていた髪を「イイ女気取り」でバサーッとふりほどき、意気揚々と退店するのである。
 
短時間とはいえ、仕事を始めたことにより私の細胞はどうやら活性化しはじめているようだ。
 
とはいえ、急に思い立って仕事を始めることができたのも、これまでのダラダラと過ごした時間が知らぬうちにパワーとして充電されたのも事実なのだろう。きっと何かを始めるタイミングは、本当に人それぞれなのだ。
 
これからも仕事を頑張るためには睡眠・栄養に加えて、適度なダラダラを摂取することも多分私には必要だ。
 
元ダラ系主婦として、ワークライフバランス模索の道は続く。

 
 
 
 
***

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2024-11-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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