本屋さんが劇団をつくるまで≪劇団天狼院体験レポート≫
こんにちは、劇団天狼院・マネージャーの東です。
さて、先日始動いたしました劇団天狼院、早いもので旗揚げから1ヶ月半がたちます。
当店の劇団はお客様と完成させるものでありますから、必然的にお客様にも女優・俳優になっていただかねばなりません。
しかし、いきなり台本を手にもって、セリフを口にするのは抵抗がありますよね。
そんなわけで今回は、劇団天狼院・ワークショップ回でした。
演劇のワークショップでやることは主に、
(1) アイスブレイク(集団コミュニケーションを円滑に行う練習)
(2) 自分が演技をすること(=感情を表に出すこと)に抵抗をなくす練習
ではないかと思います。
さっそく、当店の看板女優・本山由乃さん(詳細は「女優デイズ」を参照ください)の指示で緊張状態をほぐす軽いウォーミングアップをし、ワークショップが始まりました。
① リズムつくり
まずは、「自分の声をだす」「相手の声を聞く」ということを意識してできるようにするための練習です。
声を楽器に見立てて擬音や言葉(ポン・わしゃわしゃetc.)でリズムを作っていきます。
数人で内側を向くように円になり、最初に「パートリーダー」を決めます。パートリーダーはみんなでつくる音楽の軸となるリズムを作ります。皆はパートリーダーのリズムをよく聞き、順番に自分のリズムを合わせていく、という簡単なゲームの様ですが、これ、実際にやってみるとなかなか難しい。
なんかしっくりこない。
パートリーダーの音とずれる。
自分が音を出しながら、相手の音を聞くというのは意識してみるとなかなかできていないものなのですね。
加えて、歌でもなしに言葉でリズムを作るというのはなかなか気恥ずかしく、特にパートリーダーになった人は何があっても自分のリズムを一定にとり続けなくてはなりません。シンとして室内で注目を浴びながら「わしゃわしゃ」言い始めるのはなかなか勇気がいりました。
幕が上がり第一声を放つ瞬間のように、舞台の上で女優・俳優は時に孤独なもの。なるほど、声を出し続ける強い心が必要ですね。
② 言葉のキャッチボール
次は、「視線」を意識する練習です。
文字通り言葉のキャッチボールをします。と言っても単なる会話という意味ではありません。相手の発した一音をボールに見立て、声量・語調を合わせて言わば鸚鵡返しをしていくというもの。
リズムつくり同様複数人で輪になり、一人ずつ言葉のボールを投げていきます。
ここで注意べきは、輪になったら誰が誰にボールを投げているのかわからない!という所。目線のみで、「あなたにパスします」と伝えるのは普段あまり意識してやっていることでは無いだけに、自然と相手をよく見るということが身に付きますね。
③ 五十音会話
こちらは、上2つに比べると少し言葉遊びに近い印象を受けますが、否応なしに会話にもって行く上に五十音順という縛りの中で会話をしていくので、「シチュエーションにあった言葉を選んで会話する」=その場にあったアドリブが出来るようになるというものです。
ルールとしては複数人が五十音順に会話をしていくというものです。
(例)
「(あ)明日何しようか?」→
「(い)犬の散歩したいな」→
「(う)うちの犬散歩好きだもんね!」
単純ですが、これもなかなかコツをつかみにくい。ともすれば連想ゲームになってしまいます。本山さん曰く、ネガティブな対話は早く切り上げようとする傾向があるらしく要注意だとか。
④ ショートドラマ
最後は、シチュエーションを決めて実際に寸劇のようなものを行いました。
複数人が同じ空間(会議室・公園etc.)にいる設定で、その中の2人ないしは3人に役割を持たせ、実際にアドリブで空間を作り上げていくというものです。
自分が置かれたことのないシチュエーションでの心境を想像したり、普段意識せず過ごしている日常の自分の再現だったりと、人によって身の振り方が変わりますが、普段意識していないことに目を向けてみるという点では同じですよね。何かになりきるというのが「演技」なら、これはセリフはなくても演劇の第一歩ですね!
以上が今回、劇団天狼院で取り組んだワークショップです。
「劇団なんて言うから、いきなり舞台立ってすぐ演技するものかと思ってた!」とハードルが上がってしまっていた方がいたかもしれません。
しかしご安心を!
舞台というのは基礎から作り上げていくもの。次回も引き続き基礎的なワークショップを行いますので、少しでも興味がおありでしたら是非ご参加ください。
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