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チーム天狼院

大人ってどんな人?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:北村祥子(チーム天狼院)
 
私事ですが、あと1ヵ月で20歳になります。
 
 

今まで生きてきた10代とは、おさらば。それは、つまり、大人の称号を手に入れることになる。
 
 

大人として生きる世界は今までとガラッと違うのだろうか。青色の世界が翌日からピンク色になるみたいに。
 

そんなことはないと思っている。大人は突然なるものじゃない。大学生になってからだんだん大人の階段を登り始めていると思う。
「ちょっと出かけてくるー! 帰りは遅いかも!」
なんて親に声をかけて夜に友達と遊びに行くようにもなった。そして気付けば終電。寝静まった家にこっそり帰る。今から思うと、自分の行動をほぼ親が把握していた時代があったなんて、考えられない。高校時代は帰宅時間が22時を過ぎることがあったとしても、せいぜい塾の帰りくらいだったのに。自分だけの秘密も増えた。毎月のアルバイト代から考えると高額なバッグをネットで購入してしまうこともある。
 

大人は自由、そういう側面の恩恵はたくさん受けた。この2年弱で。
 

でも、最近ふと思った。大人になることは感受性をわざと鈍くすることなんじゃないかって。社会に出ると、ちっとやそっとのことで傷ついていられない。というか、傷つきやすいとすぐに自分の心の蓄えが底をついてしまう。それぐらい社会は冷たいことが多い。し、酷いことがあっても周りに見殺しにされやすい。誰も助けてくれない。極めつけに、そんな弱肉強食の社会で、辛がっていると、「ダメなヤツ」認定を食らう。「あの子はメンタル弱めだから」って。
 

社会に適応するために、嫌なことがあっても、心は気付かなかったフリ。何も感じずに無の心でその場を受け流す。それができるのが大人なのではないかという考えに至った。
 
 

それって悲しすぎる。
そんなのが大人だったらわたし大人になんてなりたくない!!
 
 

もともとわたしは感受性が豊かな方ではなかった。
 

それがあるきっかけでその思い込みは消えてなくなることになった。
 

12年間女子校に通っていたわたしは高校生になっても特に彼氏に憧れることはなく、毎日の生活に満足していた。
そんなわたしに大学生になって、初めて彼氏ができた。
 

わたしは感情がない。ずっとそう思ってきた。高校時代は「喜ぶ時、それは心から飛び上がりそうな感情が湧いてくるから喜ぶのではなく、頭でそれは喜ばしき事態であると認識するから喜ぶんだ」と思ってきた。
 

でも、その初の彼氏(現、元彼)と出会って、自分に感情があることを知った。心に触れられて、その存在と形を確かめられたような感覚だった。
ただ一緒にいるだけで心温まったし、満たされた。「これが嬉しいって感情か…! こうやって楽しいを積み重ねていくことこそが幸せなんだ!」
こんなこともあった。わたしが「サークルの〇〇ちゃん可愛いよね〜」って深く考えずに元彼に言った。そうしたら元彼は同意してくれた。別に彼を試したつもりなんて全くなかった。深く考えていなかった行動だ。けど、心がちくちくした。「これが悲しいってことか…! 自分以外の人で身近な人を可愛いって言われるとこういう気持ちになるんだ……嫌だ」
初めて知る自分の気持ちがいっぱいあった。というか、もしかしたら、高校時代から感情はあったのだけど、自分の気持ちに気付いてなかったのかもしれない。自分の気持ちを押し込めてしまっていたんだ。けれど、元彼との出会いをきっかけに自分の気持ちが溢れて止まらなかった。そしてそのオープンになった感情はただ味わって感じていればいいんだな、と知った。
 

自分の感情と付き合って生きていくことは楽しかった。思いもよらない時にドキッとしたり、ささいなことで嬉しくなったりすることもあった。今までなら見過ごしていた感情だと思うと、喜ばしい。もちろん、悲しい、とか、「なんだかなぁ」ともやもやすることもたくさんあったけれど、それも面白かった。味わい深かった。
 

わたしは感情を感じることは人生の醍醐味だと思う。感受性を殺して生きるなんてもったいなさすぎる。同じ出来事でも、それぞれ人によって感じることが違う。わたしは色んな人の色んな気持ちを知ることは楽しいと思っている。世界には色んな人がいて、色んな気持ちがある。だからこそ面白い。みんな同じであったら面白くないし、同じである必要はない。色んな人がいていい。そして自分も他人と同じでないからという理由で悩む必要はない。
 

大人になることは感受性をわざと鈍らせることではない。むしろ、自分と自分の気持ちを大切にできる人が大人だと思う。嫌なことは嫌だと思える人、言える人だ。
でもやっぱり、心に敏感に生きると、じりじりと心を焼かれていく思いがするかもしれない。その苦しさや違和感は、紙に書きなぐって、破り捨てられるような強さを身に付けたい。
 

そして、自分が辛いと思ったことは、きっと他の誰かにとっても辛い。だから自分たちが生きやすい社会をつくるために、その場の我慢でしのがないで、声をあげる。権利を勝ち取るためなら努力を惜しまないで挑み続けたい。声を上げることが嫌だという人も多いかもしれない。でも、のちの社会を生きる子供たちが少しでも生きやすい世の中になるように道を整えてあげるのが、大人の役割だと思う。そのための一歩として、まずは自分にとっての幸せと嫌なことを存分に感じとりたい。
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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