2024-07-30

《東京・通信》【8/25(日)11:30~】Human BOOKs『人間本』／No.01 遠藤恭子『畜産農家×獣医師』〜「命」の見方が90分で変わる〜

Human BOOKs『人間本』とは？

最近、「本を読みたいけれど、なかなか時間が取れない」「どの本から手をつけて良いかわからない」という声をよくいただきます。
しかし、天狼院書店では「お客様にとって有益な情報」はすべて本である、と定義しています。　
本イベントでは、ある分野のプロフェッショナルやユニークな取り組みをしている方を、『読者(聞き手)にとって有益な情報をもつ人物』（人間本）としてお招きし、普段なら聞くことができない裏側のお話までしていただきます。
その豊かな知識、刺激的な経験談、真新しい発想は、まさに「本」のようにあなたの脳を刺激して、これからの人生に活かせる学びも持ち帰っていただけるはずです。

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No.01 遠藤恭子『畜産農家×獣医師』

牛は”経済動物”。

獣医師として

畜産農家として

その命を輝かせる。

 

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お世話になっております。天狼院書店の鳥井です。

新企画Human BOOKs『人間本』は、「人物」にスポットライトをあて、自分の人生では知り得ない新しい景色へと皆様を導く【特別トークイベント】です。

今回ご登場いただくのは、「畜産農家 × 獣医師」という二つの顔を持つ遠藤恭子さんです。

遠藤さんの目から見える「命」は、私たちの感覚とはちょっと違っている、というのが最初の印象でした。

例えば、スーパーに並んでいるパックに入ったお肉は、普段、つぶらな瞳の牛の姿とはつながりません。
もちろん「牛」が「牛肉」になることは理解しているけれど、その途中のステップは我々の目に触れることはなく、どこか切り離されています。

けれど、遠藤さんは違います。
自らの手で種づけをし、育て、出荷する。この一行には途方もない日々が詰まっていて、そこかしこに「厳しいリアル」が立ちはだかっています。

例えば、自分の手で人工授精をする際、成功すればいいものの、失敗すれば安くはない「精液代」が飛び、なかなか妊娠しない牛は排除対象になってしまう。
妊娠すればエサの量や生活環境に細心の注意を払い、AIを活用しつつも、自分の目で見て一頭一頭の調子を確かめる。通知が来れば夜中でも牛舎に走って行くけれど、それでも死産はある。
無事に生まれた子牛も24時間以内に一定量の乳を飲めなければ死亡するため、乳を強制的に飲ませなければならないこともある。それでも、自然に飲んでくれないと免疫機能を育てるために通過すべき胃には乳が入らない。（牛には４つの胃袋があります）

まさに、どのフェーズでも気を緩めることができない闘いの日々。
通常の農家では、種付はせずに子牛を仕入れてくることも多いそうです。しかし、初期のケアや飼育環境が非常に重要な和牛において、外部から仕入れるのでは、最終的に万全の状態で送り出すことができない、と思いたり、えんどう畜産では種付から行うことになったのです。

生まれる前の母牛のケアからお腹に宿るまで、そして出産して無事に育っていくまでの全ての過程を、「獣医師」として、「畜産農家」として、見つめている。
牛が牛肉として店先に並ぶまでに、途方もないハードルを超えてきたことを、遠藤さんは芯から知っているのです。


牛は“経済動物”と呼ばれます。
ペットではなくビジネスとして飼われている動物ということです。

他とは変わらぬ「命」がありながら、病気や怪我をすれば「商品」として見切りをつけなければならない場面も出てきます。
命を救う獣医師として、牛を美味しく届ける畜産農家として、遠藤さんは葛藤を繰り返してきたと言います。
だからこそ、大切にしたいと思っていることが、「牛の命が、ちゃんと輝けるようにしたい」ということ。

もしかすると、私たちが自分の人生では知り得ない世界が、彼女の目には見えているのかもしれません。
「命」をいただく感覚が、ずっとずっとリアルにあるのかもしれません。

あなたの人生では、知り得なかったかもしれない景色、このトークイベントで目にしてみませんか？

お待ちしております。

《TOPIK》

・命を自分の手でつくる。人工授精の裏側。
・母和牛は高価な「財産」であり、仕事の「パートナー」
・どんな疾患も見逃さない、日々の観察
・頭の中の「牛フォルダ」
・汗だく、羊水まみれ、血・糞尿まみれでも
・身体で覚える、命の取り揚げ
・どんなに眠たくても牛舎に走っていく根源

・新生子牛は母牛由来の乳を24時間以内に一定量以上飲めなかったら100%死亡する。
・強制的に飲ませたミルクと自力で飲んだミルクが入る胃袋は違う（牛には４つの胃袋がある）
・早期発見早期治療が子牛の鉄則！和牛の赤ちゃんは弱い
・自分の目で見ないと拾えない情報
・環境因子によるストレスや、群れの勢力争い

・生まれてから出荷されるまでの映像付きのお肉【愛され牛】とは？

・競り場は昔ながらの男社会。妊婦で登った競り台。
・我が牛を送り出すときの気持ち
・子牛を仕入れるのではなく、誕生から手がける理由

・感染は待ってくれない。ウイルスとの戦い
・「病気」への恐怖心が、身体をつき動かす
・みんな、辞めていった。スタッフが去っていった過去
・子供の寝顔に謝る夜
・それでも今日も牛舎へ向かう理由

※当日はこのようなトピックを中心に、お話を伺います。

 

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