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私はイライラしていた……。【アドラー流子育て術のススメ】

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:Mr. Monster(ライティング・ゼミ 秋の集中コース)
 
 
私はイライラしていた……。
長男が、今年の4月から小学校に通い始めた。
それまで保育園では、朝10時頃までに登園すれば問題は、なかった。
だから朝、長男が少々ぐずっていても、多少の心の余裕を持って、待つことができた。
しかし、小学校は、そういうわけにはいかない。それまでの生活が一変し、朝は7時半過ぎには家を出て、近くに住む1年生の友達と待ち合わせし、皆で小学校に向かう。
その時間に遅れることは、その友達やご両親を待たせることになる。
我が家だけの(遅刻する)問題であれば、まだ良かったのかもしれない。
ただ、友達や、そのご両親にまで迷惑がかかるとなると、それまでの保育園の登園とは勝手が違った。
 
 
長男は、比較的朝目覚めが良い。
しかし、そこからが問題だった。
着替えはしない。朝ご飯は食べない。まるで、時計の針が止まったかのように、朝から動画を眺めて、ぼーっとしている。刻一刻と出発しなければいけない時間が迫る。
最初は、優しかった言葉掛けが、だんだんと荒々しい言葉になってくる。
 
 
「早く着替えようね。早くご飯食べようね」
「・・・・・・」
「早くしないと、遅れるよ!友達が待ってんだから!」
「・・・・・・」
「○○○(子どもの名前)!早くしなって!」
 
 
そうして、ようやく着替え、ご飯を食べ始める。
それからも、早く早くとお尻をたたくようにして急かせ、やっとの思いで、玄関を出て、急いで待ち合わせ場所にたどり着く。
 
 
「ふー」
 
 
今日も何とか間に合った。
これが、ほぼ毎日続く。
そうしているうちに、私は、朝からいつもイライラしていた、ことに気づいた。
このままでは、私にとっても、長男にとっても、あまり良くない。
そもそも、そんなことで、親子関係が悪くなってしまうのは、私の本望ではないのだ。
私自身、私の親との関係性が決して悪いほうではなかったと思う。
 
 
もちろん、人並みの反抗期もあって、親が嫌だったときもあった。でもそんなことは、どんな家庭にもよくあることだ。
 
 
んな家庭にもよくあることだ。
しかし、思い返すと、私と父との関係性だった。仲が悪いわけではなかったのだが、おそらく相性もあったのだろう。それほど、仲が良かった、というわけでもなかったような気がする。
 
 
男同士、というものは、そういうものなのかもしれない、とも思っていた。
そして、もうその父も20年前に他界し、今さら仲良くしようとしたって、できるものではない。決して後悔をしているわけでもないし、あのとき、あーすればよかったなんて思うこともない。
 
 
ただ、できればそんな記憶から、私自身はできる限り、私と長男との関係性はうまくやりたいと思っていた。
もちろん何もしないでも、仲良い親子だってある。
しかし、何もしない結果、関係性が悪くなってしまったとしたら、それはそれで後悔するだろう。
 
 
子育ての時間は、取り戻せない。
 
 
一瞬一瞬が、今現在の、そして未来においても、貴重な時間なのだ。
それから、子育てについて学ぼうと思い、まずは、アマゾンで本を探してみた。
いくつか検索してみたところ、一番目に入ってきた本が1冊あった。
 
 
「子育てのためのアドラー心理学入門」
 
 
あの有名なベストセラー「嫌われる勇気」を書いた岸見一郎氏の書籍だ。
これだ、と直感が働き、読み進めると、アドラー式の子育ての方法が、岸見氏の子育て体験とともに描かれている。この方法は良いかもしれない。
私は、岸見氏のウェブサイトを確認し、講演会があるのを見つけ、京都まで出かけた。
そして、講演会後、声をかけさせて頂き、子育てについての質問をしたところ、日本アドラー心理学会なるものがあり、そこで、「PASSAGE(パセージ)」というプログラムにおいて、子育ての方法をレクチャーしているので、それに参加すると良いのではないか、とアドバイス頂いた。
 
 
すぐに東京で開催されているパセージを探し出し、迷わず申し込みをして参加した。
それは目から鱗の体験だった。
ところで、アドラーという心理学者は、心理学におけるフロイト、ユングと並び、3賢人の1人と称されている人だ。日本ではフロイトやユングほど有名ではなかったが、前述した岸見氏の「嫌われる勇気」が、アドラーについての心理学を対話形式による、わかりやすい内容によって紹介され、日本でも知られるようになった。
アドラーが、特に子育てへの心理学に注視した点として、戦争に従軍医として参加した体験によるものである。なぜ戦争が起きるのか、なぜ人は争うのか、悲惨な戦争を目の当たりにする中で、子どもを、競争や争いに駆り立てないような育て方をする必要性を感じて、戦争以降、積極的に、子どもへの教育に従事する教育者も含めて、直接的に、間接的に、子育てへの心理学を体系化し、そのことを伝えていった。
それが、「パセージ」のもととなっている考え方である。
 
 
「パセージ」の中で、特に一番、印象的な学びは、
「怒りは、人を遠ざける感情である」
である。
怒れば怒るほど、子どもとの距離が遠くなり、ますます関係性がよくなくなる。
このことの学びを得て以来、私自身、なるべく、イライラしないよう、怒りをぶつけないよう、極力注意して、子どもとの関係性をつくるように考えてきた。
学び始めてから約半年。
子どもとの関係性の結果はどうなったか。この解は、もっと先にわかるのかもしれない。
人は、自動車を運転するのに教習所に通う。
しかし、子育ては学ばずに、いきなり路上での運転が始まる。
そして、しつけと称して、子どもへの虐待が、どんどん増えている。
 
 
「パセージ」
 
 
1人でも多くの人が、ここから子育ての学びを得て欲しいと、私は、真剣に思っている。

 
 
 
 
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2019-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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