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メディアグランプリ

アラサー降板の危機に得たチャンス


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:二村 佳子 (ライティング・ゼミ夏期集中コース)
 
 
「どの雑誌にいたしますか?」
 
4か月間ぶりに訪れた美容院で、担当者を待っていた時のこと。4冊のファッション雑誌を目の前にさし出された。
いつも通りの流れなのだが、今回は並べられた雑誌全てがアラフォー女性用だった。表紙に踊っていた文字はうる覚えだが、「40代、これからのクローゼット」「進化系ハンサムマザーの○○特集」こんな内容だったと思う。
雑誌名に親しみもないし、内容にもピンとこない。まだオレンジページか週刊誌女性○○の方が手に取ってみたくなる。
もうそんな歳なんだ……。客観的にみたら、私はそれらの雑誌の読者層らしい。愕然とした。
3回目の干支が回ってきたけど、誕生日は来てないし、アラフォーじゃないんですけど。
そんなことは美容院スタッフには言えずに、愛想笑いを浮かべたまま適当に一冊選んだ。
まだアラフォーじゃない! と心の中でさえはっきり主張できなかったのは、自分の若くない部分に薄々気付いていたから。
 
髭ダンと聞いた時には、お笑い芸人のことだと思ったし、この数年は紅白に出場する歌手も歌も、ほとんど分からない。もはや、分かろうともしてない自分がいる。
青春時代に好きになった歌手への思い入れが強すぎて、新しく誰かのファンになることがないのだ。
これは、かつての親と全く同じ。子供の頃、なんで父や母はいつまでたっても昔の歌手が好きなんだろう、ダサい、どこがいいのか全然わかんないと思っていた。
いつの間にか古い物に固執するダサい大人になっているではないか。
 
この事実は、なかなかに私を落ち込ませた。だが、同時に貴重なチャンスもくれた。
美容院ではほとんど読む気が起こらなかった雑誌を、私は今日買ってきた。行動を変えるきっかけを生んでくれたのだ。
 
もし、あのまま自分が若くないことに気付けていなかったら。
 
興味がないこと=不要としていただろう。それが例え、どんなに素晴らしい製品やサービスであったとしても。
実際、キャッシュレス化に私は対応できていない。持っているスマホは対応できるのだが、使う人間がアップデートされてない状態だ。
私が済む地方都市でも、ついにキャッシュレスのみの飲食店がオープンした。かつては、現金のみのお店が普通だったのに、時代はキャッシュレス。この流れは止まらないだろう。
個人的にはいつまででも現金主義でいたい。使い過ぎをしそうで不安なのだ。あとは、勉強が面倒臭そうで億劫になっている。そちらの方が気持ちの8割を占めている。
 
だが、キャッシュレスにしなければどうにもならない状態になってから勉強するより、少しずつ試していったほうがいい、とは考えている。
まだ今なら、似たような境遇の人が同世代でもいて、ねぇねぇスマホ決済ってどうしてる?とか聞けるかもしれない。
今のうちに、と決意させたのは、母の様子を見ていたことも影響している。
ガラケーからスマホに切り替える時、ラインを始める時、ものすごく苦労していたからだ。
アプリの使い方からトラブル回避の方法まで、覚えることが多量にあった。数年かかって、ようやく一人で使いこなせるようなっている。
そのお陰で、コロナ禍であってもテレビ通話ができたり、外出することなくネットで食材の注文ができたり、最先端技術にかなり助けられた。
母自身も、子供たちの手を煩わすことなく、自立した生活を送れていることに満足しているようだ。
 
大人になって15年経ってみて、分かったこと。
自覚しないうちに自分の情報は古くなりがちで、客観的立ち位置は思っている以上に速く移り変わっていく。
 
大人になる過程で、好みを確立することは重要。
Tiktokは好きになれないとか、インスタグラムよりTwitterがいいとか、取捨選択が自分らしさを作るのも事実。
だけれども、興味のないことが全て不要、ではないことも忘れてはいけない。
生活を助けてくれるものを見落とすかもしれない。
コロナの蔓延により、去年までは全く想像もしていなかった生活様式になり、生活必要なものが大きく変わった。
 
もうこれ以上の大きな生活変化が起きないことを望むけれども、今後どうなるかなんて誰にもわからない。
 
そんな時に、すぐ自分が対応できるような柔軟性を身に着けていたいと思う。
そのためには、訓練するしかないのだ。
 
若者文化や新しい物を否定せず、まずは知ること。
取り入れるかどうかはそれから考える。
新しい物に対して、警戒したり拒否反応をするのが普通だとは思うが、あ、私は今警戒しているぞ、と気が付くだけでも違うと思う。
 
本当は古い音楽を聴いている方がホッとするし、やっぱり90年代は良いよねぇとか話をしたい。
でもそれだけではダメなのだ。
最先端のファッションや音楽が分からなくても、すぐには困らないかもしれないが、このやり方ばかりを続けていくと、いつか苦労をすることになる。
 
まだ考えたくはないけれど、子供やもっと若い世代に鬱陶しいと思われる可能性が高い。
 
そうはなりたくない。今度こそ。
成人して15年経って、新たな決意である。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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