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「すみません」を「ありがとう」に変えて起こったこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:岡本サキ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「すみません」と「ありがとう」、使う場面がよく似ている。
どちらを使っても、会話に支障がない。
 
みなさんは、どちらを使うことが多いだろうか。
以前の私は、断然「すみません」だった。
 
しかし、あるとき、気づいた。
「ありがとう」は、自分も相手もイヤな気持ちにならないのだ、と。
それからは、できるだけ「ありがとう」を使うようにしている。
 
みなさんにも、「ありがとう」の力を実感してもらいたい。
 
現代社会では、人間関係で悩む人は少なくないだろう。
以前の職場では、私も、そのひとりだった。
直属の上司とソリが合わなかったのだ。
 
「なんでこの人は、こういう言い方するんだろう……」とか、「他の人に対する態度と全然違うじゃん」とか、ストレスが溜まって仕方がなかった。
結局、その部署からは異動となった。
異動先の部署には、とても優しい先輩がいて、まさに神のようだった。
今まで肩肘張って毎日を過ごしていたが、やっと解放された気がした。
 
ある日、その先輩にこう言われた。
 
「あそこに置いてあった資料、片づけておいたよ」
 
私が、資料を出しっぱなしにしてしまったのだ。
仕事中に、上司や先輩にこう言われたら、みなさんはどう答えるだろうか。
私は、「あ! すみません」と頭を下げた。
 
すると先輩は、「いいよ、気にしないで」と言ってくれた。
でも先輩の顔は、作り笑いのような、少し困ったような、そんなカンジだった。
私の返答が、きっと先輩の予想と違っていたのだろう。
私も、なんだかモヤモヤした気持ちになった。
いつも優しい先輩に、あんな表情をさせてしまった。
どうすればよかったのだろう……。
 
そんな思いを抱えつつ、日々を過ごしていたとき、また先輩が声をかけてくれた。
エレベーターがないので、階段でA4コピー用紙の10冊入り段ボールを運んでいるところだった。
かなり重いので、5段くらいのぼっては休み、またのぼっては休み、を繰り返していた。
 
「それ、運ぼうか?」
 
私が重そうにしているのを見かねたのだろう。
まさに、神に見えた。
しかし、今まで肩肘張っていたクセが抜けず、「大丈夫です!」と言ってしまった。
すると先輩は、また以前のような表情を浮かべ、「あ、そう? わかった……」と言って、階段をのぼっていこうとした。
私は、自分の言葉がまた先輩の思っていたものと違ったことが分かり、すぐに、「やっぱりお願いしてもいいですか?」と、先輩に向かって言った。
先輩は、「うん、いいよ」と言って、それを運んでくれた。
 
いつもの私だったら、「お忙しいところ、すみませんでした」と言うところだった。
しかし、今回は「ありがとうございます。助かりました!」と言ってみた。
先輩は、「いいよ、気にしないで」と、この前と同じ言葉で答えてくれたが、その表情はこの前とは違う、すっきりとした笑顔だった。
 
私は、今まで気の合わない上司とのやり取りで、「すみません」が口癖になっていた。
なにか注意されたり、指摘されたりすることが多かったので、まず「すみません」が口をついて出てきていたのだ。
 
でも、「すみません」よりも「ありがとう」を使ったほうが、相手も自分も気持ちがいいことに気づいた。
「すみません」という自分の非を謝罪する言葉でなく、「ありがとう」という相手へ感謝する言葉を使うほうがいいに決まっている。
 
「ありがとう」は、相手の心の扉を開くカギである。
 
例えば、ちょっと取っつきにくいなと思っている相手がいるとする。
私はまず、その人に何かのタイミングで「ありがとう」という場面を作るようにしている。
最初に一度言っただけでは、まだ微妙な距離感である。
しかし、何度か顔を合わせて、別の言葉で声をかけると、相手も柔らかな表情で迎えてくれることが多い。
 
「ありがとう」という言葉で、相手の心の扉を開き、そこからお互いの心の距離を縮めていくことができるのだ。
それに加えて、「ありがとう」はポジティブな言葉である。
「すみません」を使うと、どうしても自分に非があって謝罪するネガティブなイメージになってしまうが、本当に謝罪しなければいけない場面など、それほど多くあるわけではないだろう。
以前の私は、「すみません」を丁寧語の類と思って使っていたが、それは自信のなさの表れだったと、今では感じる。
 
それが分かった今は、「ありがとう」という言葉を、自信を持って相手に伝えていきたいと思っている。
 
みなさんも、「すみません」を「ありがとう」に変えて起こる様々な変化を、どうか実感してもらいたい。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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