音痴を直したいなら髭男をうたえ
＊この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：前田玲菜（ライティング・ゼミ日曜コース）
髭男の「I LOVE…」。
私がこの曲を練習曲として提示した時、彼はものすごい勢いで拒絶した。
彼のレッスンを受けに来た目的は「音痴改善」である。
その処方箋として、私が提示したのは高音を多用することで有名なOfficial髭男dismの楽曲であった。
一般の男性にはまずうたえないくらいの高さのメロディーが延々と続く、かなり難易度の高い曲だ。
男性どころか、女性でも高すぎてうたえない、という人は多い。
私が髭男の曲を音痴改善の練習曲として選ぶのには理由がある。
ボイストレーナーを始めて１０年が経つ。
１０年経てば音楽の流行も移り変わり、最近ではK-POPに見られるようなハイトーンを多用する楽曲や１０年前はマイナーだったアニソンなどが人気を博している。
それに伴い、「カラオケが苦手」「音痴を何とかしたい」「高音が出せるようになりたい」といった理由で、ボーカルのレッスンを受けに来る人も増えてきた。
３０代の彼も、仕事の社交の場で行く機会が多いカラオケで、うまくうたえるようになりたい、といって、ボーカルのレッスンを受け始めた。
音痴の原因は大きく分けて二つある。
一つ目はカラオケ音源の音を聞いていない場合である。これを矯正するのは案外簡単で、音をよく聞くトレーニングを繰り返し行うことで、リズムや音程は合ってくる。
もう一つは声帯の柔らかさが足りず、音程をとれるだけの声帯のコントロール力がない場合である。「音痴だから」「音程がなかなかとれない」という人のほとんどは、このパターンに当てはまる人が多い。
髭男の高音域に特化した楽曲は、声帯の柔らかさを高めるトレーニングに適しているのだ。
歌の音程は声帯を伸ばしたり縮めたりすることでとる。
声帯を伸ばせば声帯の筋肉は薄くなり、高い音が出る。
声帯を緩ませれば声帯の筋肉は厚くなり、低い声が出る。
ギターの弦をイメージしてもらうとわかりやすいが、細い弦は高い音が出て、太い弦は低い音が出るのと同じ理屈である。
この声帯の伸び縮みをつかさどっている筋肉は、裏声で声を出す時によく働くと言われている。
だから声帯を柔らかくしたい時には、裏声発声のトレーニングが効果的となる。
裏声でうたうと良いと言われても、発声練習と聞いてすぐにイメージするような音階をただうたうだけの練習は楽しくない。
５分もやれば早々に飽きてしまう。
裏声のトレーニングは毎日やればやるほど効果が高く、声帯も柔らかくなりやすいのだが、音階練習は３日坊主で終わる人がほとんどである。
そこで楽しく裏声の練習をする方法として編み出したのが、「髭男強制裏声トレーニング」である。
たいそうな名前をつけてみたが、やることは簡単。
髭男の曲を裏声でうたう練習をひたすら繰り返すのみである。
髭男の曲はそもそもキーが高すぎるので、歌の上手い人でも地声でうたうことはかなり難しい。だからうたおうとすると、強制的に裏声を使わざるを得なくなる。
曲を覚えるには何度も同じフレーズを練習しなければならないので、すぐに飽きてやらなくなるといったことが起こりにくくなる。
しかも、歌をうたうことは楽しい！
音痴を自認する人でも、人前でうたうことが苦手なだけであって、家にいる時に一人でうたうことには抵抗がない人が多いのだ。
こうして髭男の楽曲を１コーラス、１月間うたい続けてもらう。
１か月後にはほとんどの人の声帯が柔らかくなり、楽に音程をとることが出来るようになっている。
裏声でうたえても、地声でうたえないと意味がないんじゃないか、と思う人もいるだろう。
髭男をうたうことはあくまでトレーニングであって目的ではない。
裏声で声帯を柔らかくした後に、地声で他の楽曲をうたう練習をするのである。
この時の楽曲は普段カラオケでうたっているような、うたいやすい音域の曲で良い。
地声でうたっても、音程がとりやすくなっていることに気づくはずだ。
最近ではネットや動画でいくらでも歌をうまくうたう方法を知ることが出来る。
裏声でうたえば声帯が柔らかくなることも、いろいろなボイストレーナーが発信しているので、興味のある人はすでに知っている情報だろう。しかし音程をきちんと合わせてうたえているかどうか？ というのは、自分だけでは判断しにくい。音痴を自認している人ならなおさらだ。
この裏声トレーニングも、とりあえず裏声の高い声でうたえば効果はあるので、そこまで音程を気にする必要はないのだが、音程を合わせながらうたった方が効果は大きいことは確かだ。
それを確認するためにボイストレーナーの耳がある。
一人で練習することに不安を感じる人は、ぜひレッスンでボイストレーナーの耳を頼りに練習を進めていってもらいたい。
＊＊＊
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ：お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
＊天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね！」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL：03-6914-3618／FAX：03-6914-0168
営業時間：
平日 12:00〜22:00／土日祝 10:00〜22:00
＊定休日：木曜日（イベント時臨時営業）
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠２階
TEL：092-518-7435／FAX：092-518-4149
営業時間：
平日 12:00〜22:00／土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL：075-708-3930／FAX：075-708-3931
営業時間：10:00〜22:00
■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間：10:30〜21:30
TEL：03-6914-0167／FAX：03-6914-0168
■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」
〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間：9:00～22:00
TEL：029-897-3325
■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間：
平日 11：00〜22：00／土日祝 10：00〜22：00
電話：03−6812−1984
