就職活動という戦に挑んでいるあなたへ~就活に苦戦した採用担当者が伝える「あの時知りたかったこと」~
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:別本悠果(ライティング・ゼミ集中コース)
3月1日0時00分、ゴングが鳴った。今年も就職活動が解禁したのだ。行きたい会社、気になってる会社に世の中の就活生が一斉に応募した。当時大学4年生の私も例に漏れず、スマホ片手にポチポチしていた。翌朝からいろんな業界の会社説明会に足を運びまくった。
わたしなら大丈夫だろう。行きたい会社のどこか一つくらい私を採用してくれるだろう。そう思っていた。3年生の頃からインターンにも参加したし、業界研究もした。面接練習をしても、「あなたならだいじょうぶね」そう言われていた。それなのに現実は厳しかった。エントリーシートをどれだけ出しても、面接をうけてもなかなか「内定」の2文字はもらえなかった。周りの友人が次々と晴れやかな顔をしてリクルートスーツを脱ぎ捨てていく中、7月になっても汗だくになりながらわたしは黒髪をひっつめて東京駅を歩いていた。
どうしてだろう。わたしの何がほかの子より劣っているのだろうか? 嘘でも「御社が第一志望です!」といえない馬鹿正直さがダメなのだろうか? どんどん自信を失っていった。そのころは面接に行ってもなんて答えたらいいのかわからなくなっていた。
そんなわたしは今、とある会社で事務員として働いている。あのあと、わたしを採用してくれるありがたい会社に出会えたのだ。ある日社長がこういった。「人が足りないから人を雇い入れたい。君に採用活動のこと任せていい?」と。その日から私は採用する側となった。実際の採用活動は大変だった。どの媒体に求人広告を出すか、どれだけ経費をかけないかはもちろんだけど、問い合わせに来たメールに対応するのだけでも結構な労力がかかることが分かった。たくさんの応募があった中、何名か面接をすることになった。その中で印象に残っているのがA君だった。
Aくんはいろんなことに興味津々だった。メールの段階でもたくさん質問してくれたが、面接に来てくれた時も変わらず、すぐに社員やオフィスのこと、仕事内容のことなどたくさんきいてくれた。それは自分が実際に働く姿を具体的にイメージできるか、それが自分のやりたいこととマッチしているか確かめる作業をしているようだった。
そしてAくんは自分の希望や将来像もしっかり言葉で伝えてくれていた。
A君は私の中で好印象だった。会話のキャッチボールがスムーズだったのはもちろんだけど、会社に興味を持ってくれていること、自分の想いをしっかり伝えてくれるところが素敵だった。そして気づいた。人付き合いで大事なことってそのまま採用活動でも活きるんじゃないだろうかって。
わたし(会社)に興味をもってくれてたらうれしい。わたしの好きなこと(会社の事業や職種など)が同じだったら、さらにうれしい。どんな人もプライベートで仲良くなる人は趣味が一緒だったり、同じ目標を持っていたり、共感しあえる部分がある多い人ばかりだと思う。それと同じだ。
採用活動でやり取りするのはその会社に勤めている(その会社を経営している)人である。志望動機やその人のビジョン、それがその企業の目指している姿とマッチしている人っていうは、一緒に働きたいって思うのは必然だ。その企業にとってその人がジョインしてくれることは大きな財産になるのは間違いない。それ以上に、採用したその人が自分の希望や目標をここでかなえてくれるっていうのが、採用活動にとっての一番の理想ではないかなと思った。
就活生だった当時のわたしは、ビジョンが不明確だったように思う。自己分析はしていたけど、肝心の何がやりたいのか、働くことでどう自己実現をしていきたいのかっていうところはとてもふわっとしていた。面接が進むにつれ志望度が高い企業でも「これでいいのか」という迷いが生じていたのは、おそらく自分はその企業で何がしたいかわからなかった(=働くイメージが持てていなかった)からだ。自分でも分からないことはそりゃ相手には伝わらない。きっとその時の面接官には、私がどういうことをやりたくてその会社を志望しているのか、伝わっていなかったのではないか。
採用される側と採用する側、両方経験してわかったことがある。
「準備はしたのに、なぜか就活がうまくいかない」
私以外にもそういう人を何人も見てきた。
それはあなたが悪いんじゃない。あなたが劣っているからでもない。
きっと自分の軸っていうものが定まっていないから。
あなたの好きややりたいことがうまく面接官に伝わっていないからなのかもしれない。
これは自分のことだ! もしこの記事を見てそう思った人がいたなら、そういう人はあなたがこれからどういう人生を歩んでいきたいか、今一度考えてみてほしい。難しいかもしれないけれど、それはあなたの日常にヒントがあるはずだから。そしてそれを実現できる会社なのか、確かめてほしい。それは面接の中ではもちろんだけど、会社説明会とか担当者とのメールのやり取りなどからもできるはず。
ぜひ物おじず、質問して、自分のことをばんばん伝えてほしい。
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