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ドラマ「俺の家の話」が私的過去最高ドラマだった件


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記事:はるあや(ライティング・ゼミ 日曜コース)
 
 
そのドラマとの出会いは本当に何気ないものだった。
 
しかし、このドラマの最終回を見終わった私は、放心状態になった。
いや、これ過去一好きなドラマかもしれない。
なんか叫びたい。いや、本当叫びたい。
なんだろう、この気持ちは。
誰かに話したい。このラスト、どう思う? って語りたい。
そんな衝動に駆られるドラマだった。
 
そのドラマの名前は、主演が長瀬智也の「俺の家の話」だ。
脚本は宮藤官九郎で2021年1月22日から放送されていた。
 
ある日、夫の実家の遊びにいった際にドラマの話になった。
夫のお母さんが「俺の家の話、良いよね」と話していた。
私は、見ていないドラマだった。
長瀬智也が主人公で、リアルな介護が描かれているというネットニュースは読んでいたので存在は知っていたが、見るまでの行動に至る程の興味は湧いていなかった。
しかし、お母さんとの会話から、お母さんと同じ話題で盛り上がりたいな、お母さんが良いというなら見てみようかな、介護問題も身近になってきたし勉強できるかも、そんな気持ちになった。
たまたま、前クールのドラマを録画していた関係で1~3話までは録画がされていた。
 
まずは、1話目を見てみる。
介護がテーマなのか? と思っていたのでちょっと重い話なのかと思っていたがこれが予想以上に笑えるし、続きが気になる展開。
そして、出てくる人物が個性的なのだ。
まず、主人公の長瀬演じる観山寿一(みやまじゅいち)は、伝統芸能「能楽」一家の長男に生まれ「神童」とも称えられていたが、父には一度も褒められることがなく、反抗期に家を出てプロレスラーとなっていた。
「能」「伝統芸能」と言われると固いイメージだし、長男なら尚更そのまま継いでいそうだが、「プロレスラー」というなんだか正反対の世界に身を染めていたようだ。しかし、父が危篤となり一命をとりとめたことをきっかけに、プロレスラーを辞めて何十年振りかに家に戻ることとなる。
そして、西田敏行が演じるその父は「能楽師」かつ「人間国宝」という役柄で、これもまた気高く気難しそうなイメージだが、デイケアサービスで担当ヘルパーだった戸田恵梨香演じる志田さくらと結婚すると言い出し、長男よりもぶっ飛んでいた。
 
どんどん続きが気になり、時間も忘れて1話から3話まで一気に見てしまった。
たまたま3話録画していたことにすこぶる感謝しつつ、なんで3話までしか撮ってないんだよと、どこにも誰にもぶつけようのない怒りが同時に湧いてくる。
そうして、続きを見る以外の選択肢が無い程にハマってしまい、何度か入ろうと思いつつ避けてきた動画配信サービスにわざわざ登録してまで続きを見た。
 
観れば観るほど、観山家とそれに関わる登場人物が大好きになった。
全員キャラが立っており、そして愛らしいのだ。
特に私は、江口のりこ演じる妹役のキレのある笑えるツッコミと、長州力が長州力本人役で繰り出す天然な発言が大好きだった。時折良いことも言っていた。
全員、一癖あり、それぞれが悩みを抱えていて、それでいて皆真っ直ぐに生きていた。
 
そんなキャラクターが織りなす物語は、家族・親子・結婚・離婚・介護・遺産相続・生・死をテーマに繰り広げられる。
このように書くと一見重いが、いやいかにも重いが、なぜだかこのドラマは不思議なことに全く変な重さは感じさせないのだ。
随所にユーモアが散りばめられており、私は毎話声を出して笑っていた。きっと誰かが見ていると一人で笑ってかなり怪しかっただろう。
 
そして、あっという間に問題の最終回。
 
圧巻だった。
 
ライティング・ゼミで先生が「この一行を書くために、その前の何百ページを書いていると小説家の方は話す」と先日おっしゃっていたが、まさにその通りだ。
笑いながら見ていた何気ないあの場面も、あの回も、この最終回のための話だったのだ、と気づかされる。
 
もしかしたら、人生もそんなものなんだろうか。
 
このドラマの「俺の家」観山家は「能楽一家」という現実離れした一家ではあるが、その心の動きに、いつの間にか共感し、そして、自分の家族もいつかこんな風に介護をしながら、「これまで」と「これから」に向き合っていくんだろうか、と自分の家族にも重ね合わせてしまう。
それは怖いような気もするが、観山家をみていると、それもまた楽しむことができるのかもしれないと思わせてくれる。
 
やはり、とても素敵なドラマに出会ってしまったようだ。
 
 
 
 
***

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2021-06-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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