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我が家の家事分担が上手くいったワケ


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記事:串田 祐子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「え? 俺、家事結構やってるし(怒)」
夫の発言で衝撃を受けた言葉ナンバー1。
 
時は遡ること約1年半前。
第1子の育休も終盤に差し掛かった冬だった。
4月からの復職に向け家事の分担を見直したいという私の発言に対して、夫の返答が冒頭の言葉だった。
 
そもそも社内結婚だった私たち。職種も同じだったため、平日の帰宅時間は22時を過ぎるのが当たり前。そのため、結婚当初は平日の家事はほぼゼロ。土日に気が向いた方が家事をするようなゆるーい役割分担だった。
そのバランスが崩れたのが第1子の妊娠だった。長時間労働が厳しくなり、私の方が比較的早く帰宅するようになると、家事はほぼ私がやるようなルーティーンになってしまった。
出産後もそのバランスは変わらず、夫担当の家事はワイシャツのアイロンがけと、気が向いた時のゴミ出しだけ。
 
私は復職を前にこの状況をなんとか打破したかった。
育休中だから家事をこなせているけれど、仕事が始まったらどう考えても今の量は捌ききれない。これからは何としてでも夫に家事をやってもらうんだ! そんな気持ちでいっぱいだった。
 
しかし。
冒頭の発言の通り、夫と私とで認識が真逆なことが発覚。
私はこの問題の解決の糸口を見いだせないか、行動に移すことにした。
 
1番手っ取り早い方法として、まずはネット検索してみた。
先人達のブログやインスタグラムなどにヒントとなる情報は無いか。
いろいろ検索してみたが、夫婦間での家事分担の情報はあるが「どうやってそうなったのか」という私が知りたい「そこに至る過程」を書いているようなものは無かった。むしろ「夫が家事をしてくれない」「ワンオペが当たり前」というような愚痴の方が多かった。世間的には「夫が家事をしてくれない」は普通のことなのかも……アイロンかけて、たまにゴミ捨てしてくれる夫は結構やってくれている方? そんな弱気な思いが頭をよぎった。
 
ネットがダメならリアルな情報、ということで、育休者向けの勉強会で出会った復職経験者に助けを求めてみた。
経験者曰く。
まず、男性と女性で家事の範囲の認識が異なる、ということだった。
料理を例に挙げると、女性は「メニューを考える」「食材を買う」「調理、盛り付け」「片付け」「食器や調理器具の収納」までを指すが、男性はまさに「調理、盛り付け」だけを指す場合が多いというのだ。
 
なるほど。
確かに夫が認識していない家事はものすごくたくさんある。
ここまで認識の違いが生じているのでは、把握している家事の量に差があるからだと気づいた。
 
しかし。
そもそも分担を見直す必要性を感じていない人にどうやって話を切り出したらよいか。そこだけはモヤモヤが残ったままだった。
 
そんなある日。
勉強会で知り合った復職経験者が主催するワークショップに誘われた。
その名も「仕事も家庭も楽しむ令和の両立ライフ」
これぞ私が求めていたもの。
「もちろん参加します!」とひとつ返事で申し込みをした。
 
ワークショップ当日、久々に夫に子どもを預けて外出した。
東京にしては珍しく雪が降った日だった。
ワークショップ自体は参加者15名程度のこじんまりした会だったが、自分のように4月から復職を予定している人だけでなく、既に職場復帰している人、妊娠中の妻がいる男性も参加していた。
 
ワークショップでは仕事と家庭の両立を考える前提として、「家族としてどういった姿を目指していくか、夫婦でその目線合わせが必要」という話があった。家族としての理想像をベースに、仕事と家事の配分をどうするかを考えていくべきである、と。
 
前提の話を聞いて、小手先の分担のことばかり考えていた私は衝撃を受けた。
確かに夫も自分もどの程度仕事にエネルギーをかけるかで収入は変わってくるし、収入により生活の質もある程度変わってくる。でも仕事にエネルギーをかければかけるほど、家事や家族に使える時間も無くなる。夫婦でそのバランスを考えなければいけない。
 
その話を聞いて、家庭生活とは家族が乗った船で理想の地を求めて航海をするようなもののように感じた。仕事や家事をするのが船をこいでいくこと。夫婦で協力し合って、同じ方向を目指して船を進めていく。そんなイメージが湧いてきた。
そして「いかに夫に家事をやってもらうか」そんな目先のことばかりに考えていた自分が恥ずかしくなってきた。
 
ワークショップが終わって外に出ると雪はやんでいた。
水交じりの雪道を転ばないよう注意しながら、私は家路を急いだ。
 
後日、これまでの学びを踏まえ私は夫と話し合いの場を設けた。
 
前提として、まず始めに「家族として目指す姿」について話し合った。
そんなことを話すのは初めてだったが、不思議と大きな認識のズレも無くお互いの想いは一致していた。
それを踏まえて、それぞれの仕事と家事のバランスについて話し合った。
ここも不思議とお互いの認識は合っていた。
最後は具体的な家事分担の話。
夫が認識していない家事も含めたタスク一覧(合計112個)を作成し、1個1個についてどちらがやるか、はたまたやらないのか、外注(家事代行など)を検討するのかを話し合った。前向きな話から入ったこともあり、お互いが納得のいく形で分担することができた。
 
春になり復職し、慌ただしい日々が始まった。
数ヶ月前あれほど杞憂に思っていたのはなんだったのか、と思うほど夫は協力的に家事をこなしてくれている。
たぶん、ではあるが、お互いに「家族として目指す姿」を共有できたこと、夫婦で同じ方向を向けたことが大きかったと思う。
 
今、夫婦間での家事分担に困っている方がいたら、是非「家族としての目指す姿」を共有してみて欲しい。
そこから、新たに見えるものがあるから。
 
 
 
 
***

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2021-06-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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