fbpx
メディアグランプリ

【しくじり】200万円と3000時間を資格で無駄にしちゃった話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ほーりー(ライティング・ゼミ超通信講座)
 
 
「これさえやっておけば安心だ」
 
「このサプリを飲んでおけば、1日の栄養素はバッチリです」
 
これだけをやっておけば、大丈夫。
 
不安をたったひとつの選択肢、
つまり解決方法を提示されると
そこに何も考えずに飛びついてしまう。
焦ってしまうばかりに。
 
みなさんにもそんな経験はないだろうか。
 
私が第一に想起されるのが資格ビジネスである。
 
終身雇用が崩壊したと叫ばれ久しい今の時代に
何らかの手に職をつけておきたいという気持ちを
持ったことがある人は少なくないだろう。
 
私自身もそういった不安から興味を持ち、
趣味ではなく、キャリアや収入を得るためにこうした
資格取得へのコストをかけてきた。
 
通信やネットで気軽に
資格取得の勉強を始める時代になった。
 
その影響で資格を活かして、活躍されている方もたくさんいらっしゃる。
 
しかしながら、資格の魅力を知り、取得を決める前に
前提のマインド・考え方を作っておかないと、
時間とお金を無駄にしてしまう。
 
今日の記事はもし、何かキャリアアップの目的で資格取得を目指そうとしている人、
大きな費用をかけて自己投資をしようとしている人のために書きたいと思う。
 
私の2つの資格取得を志したしくじりストーリーから
得た教訓をシェアしたい。
 
思いはただひとつ。
 
自分のようなしくじりをしてほしくない。
 
いまとなってはこうしたしくじりから得た教訓を
生かしているつもりではある。
ただこの無駄にしてしまった時間とお金を他のことに使っていたら、
もっと未来が変わったかもしれないとふと思うこともあるのが事実だ。
 
この記事を読むだけで、
将来の数十万円以上の支出と
時間の損失を未然に防げる可能性があると
思うので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。
 
 
 
エピソード1:司法試験
学習期間:約4年(20代前半)
コスト:約150万円(予備校、テキスト、受検費用など)
結果:失敗
 
ここが一番に時間とお金をかけた資格である。
 
21歳のときに中堅の私立大学の法学部に入学した私は、
ロースクールへの進学をめざし、法曹への道を志した。
 
他人より大学に遅れて入った以上、まともな就職はできまい。
 
そう勝手に思い込んでいた当時の自分。
いま思えばこれだけで十分しくじりである。
 
資格取得は自分の頑張りしだいで結果が出せる。
 
しかも弁護士なら医者と並んで取り上げられる職業だし、稼げそう。
 
今思えば安易だ。「お前はアホか」
できることなら、新橋の飲み屋に連れこんで、
当時の世間知らず過ぎる自分に説教するところだ。
 
当時は大学の入学金と学費を死ぬほどバイトして、
稼いだぐらいだったので社会人になったら、貧乏を脱出し、
それなりの暮らしをしたいという気持ちは人1倍強かった。
 
バイト・大学・予備校のスケジュールが多忙を極めた。
 
大学の友人と遊んだ記憶はほとんどない。
 
幸い、司法試験の予備校がインターネット講義を開始していたところ
だったので、夜中に講義を受けるという生活が続いた。
 
なんとか、ロースクールも3年制だったものの合格通知ももらい、
最低限の道は開けた。
 
普通なら、大きな第一歩ということで喜びを噛みしめるところだろう。
 
ところが、合格通知をもらったその瞬間だった。
 
とてつもない恐怖が襲ってきた。
 
言葉をくだけていうと、びびったのだ。
 
もっとくだけていうと、チキったのだ。
 
それは「お金」と「時間」のコストを払うリスクへの恐怖であった。
 
まず、お金だ。
ロースクールへの3年間の学費だけで、
300万円以上かかる。
 
それだけでは司法試験合格は
心もとないから予備校にも通うから
さらに100万円以上のお金がかかる。
 
実家暮らしとはいえ、それなりに生活費も稼がなければならない。
私の大学4年間は、ファミリーレストランと学習塾講師のアルバイトを
かけもちしており睡眠時間はだいぶ削られた生活をしていた。
大学生活はなんとか学費500万を稼ぎきって卒業したものの、
同じようなバイトと学業のハードな生活を続けられるのか。
 
体力的にも、メンタル的にも厳しくなるのではないか。
急に冷静になって分析を始めた。
 
ここで、私には「志」がなかった。
他の受験生が持っているような法律を使って、人の役に立ちたい。
そんな決断の支えとなるもの、根っこになるような
高尚な心構えが備わっていなかった。
せいぜい貧乏暮らしを脱却したいという自分本位なものだった。
 
「もっと早く気づけよ」というツッコミはご容赦頂きたい。
だから「しくじり」なのだ。
 
次に時間である。
 
ロースクールに最低3年間通う。
そのあと卒業し、司法試験を受ける。
 
確か当時は、5年間で3回しか受検チャンスがなかった。
つまり、3回失敗したらすべて学費がパーになるのだ。
 
さらにたとえ試験に合格しても司法修習が待っている。
 
しかも当時は、司法修習の際にもらえる給料にあたる給付金が
貸与制に変更される方向になっており(現在は給付制が復活している)、
 
20代で借金まみれになってしまう可能性があった。
 
今は予備試験といってダイレクトにいけるルートもあるようだが、
当時はそんな状況だった。
 
そうすると、最短で法曹として社会に出るのが30歳手前になる。
 
これは恐ろしいと思った。試験勉強をしていただけの20代。
おまけに借金まみれである。
いくら資格があるとはいえ、社会で通用するのか。
 
しかも試験に合格できなかった場合、そのすべてが無駄になってしまう。
 
また当時はこの司法制度改革で「食えない弁護士」が
激増するという報道があった。
 
実際、このような報道が当たっていたかどうかはさておき、
弁護士の平均年収は下がり続けている。
 
結局わたしは、この恐怖に打ち勝つことができず、
リーマンショックで例年より劣悪な環境の中、就職活動を始めることになる。
 
ただ、これはまた別の機会に書きたいが、
新卒のカードをここでちゃんと使ったことは大きな分岐点になった。
 
 
 
エピソード②:司法書士試験
学習期間:2年(30歳手前まで)
費用:約50万(予備校、受検費用など)
結果:2回受験して失敗
とてつもなく、厳しい就職活動を乗り越えなんとか
従業員100名程度の専門商社に新卒として拾ってもらった。
 
仕事にも慣れ、一人暮らしを始められる余裕が出てきた。
そんな私の中で悪い虫がうずいてきたのだ。
我ながら、懲りない男である。
 
きっと司法試験を途中で諦めた自分へのふがいなさ。
もう再チャレンジできるチャンスがないという現実。
 
今思えば、
「ちゃんと気持ちを切り替えて今の仕事に打ち込めよ」と
当時の自分に言ってやりたい。
 
ただあのときは、長年しっかり勉強してきた法律をあっさり
諦めたことへの挫折感を払拭したい思いが先行していた。
 
なにか一歩踏み出したい気持ちでネットを見ていたときだ。
 
「再受講割引制度で司法書士を目指しませんか」
 
予備校のホームページで記載があった。
 
「これだぁぁー」
私は使い古したWindowsのパソコンの前で叫んだ。
 
なんとなくモヤモヤした
社会人生活を送っていた私の視界が一気に開けた気がした。
 
司法書士なら、受検資格がない。
(学校に行くなどの余計なコストかからない)しかも社会人からでも
取得して独立している人がいる。
 
そんなキラキラした情報も手伝って、意を決してチャレンジすることになった。
 
やっぱり法律の勉強をしたかったのだろう。
講義を受けるのは楽しかった。
 
実際、ネットの講義はすべて受講した。
受検の準備をしていた。
 
しかしながら、わたしは結局、合格までたどり着くことなく
勉強を中断する。
 
仕事が忙しくなったということもあるが、しっかり法律の
勉強がやりきっただけで満足感があった。
 
趣味もなかった自分がエネルギーを向ける先になっていたのかもしれない。
 
一番の理由は、司法書士になって何をしたいのか。
自分の中で明確にできていなかった。
 
はい、きっとツッコミたくなった読者は多いはずだ。
司法試験のときとまったく同じ理由である。
自分の学習能力のなさにあきれるばかりだ。
 
さらに司法書士のメイン業務でもある不動産登記の勉強が
他の科目と異なり興味が持てなかったことも追い打ちをかけた。
 
「そんなの始める前から調べとけよ」というツッコミはご容赦いただきたい。
だから「しくじり」なのだ。
 
スペース
しくじりからの教訓
というわけで、約200万円のお金と推定3000時間以上を無駄にした
わたしから3つの教訓をお伝えして
この記事を終わりたいと思う。
 
 
 
①資格取得は、ゴールではない。
 
挫折するひとの大半は、この事実をきちんと認識していない。
 
手段と目的を履き違えてはいけない。
 
資格さえ取れれば、急に目の前が開けて、
仕事も舞い込んできてハッピーになれる。
 
そんなわけない。
 
もういちど言う。
 
絶対にそんなわけはない。
 
一般的に社会で評価される資格であっても、取得してはじめてスタートライン
に立てるのだ。
 
資格取得して、何がしたいのか。
 
大げさにいえばきちんと「志」を明確化しておかないといけない。
 
だから大きなハードルに遭遇したとき、自分の都合のいい言い訳を
当て込んでやめてしまう人が後を絶たないのだろう。
 
難関資格と呼ばれるものは特にそうだ。
かつての私のように、お金と時間をかけてから敵前逃亡する
ことがないようにしていただきたい。
 
もし資格に興味を持ったなら、安易に資格試験の講座に飛びつく前に、
取得して何がしたいのか必ず明確化しよう。
 
②学ぶこと自体を目的として割り切るのはあり
資格取得をキャリアアップや転職などの目的として
置くのではなく、学ぶことに主眼をおく。
 
そういう意味での勉強なら、非常に有意義なものが溢れている。
簡単な資格なら、「合格」すると達成感も得られる。
 
趣味の勉強は楽しい。
 
実際、わたしも好きなビールやワインの簡単な資格の勉強を暇つぶしにしている。
 
非常に充実感がある。
そんな気持ちで、資格試験勉強をエンタメのような距離感で楽しむのもいい。
 
何がなんでも「学び」を仕事に活かすことが、
すべてではないだろう。
 
③社会で求められるのは、 「資格」ではなく「経験」
これは、いま自分の仕事と関連のない資格をキャリアアップの
ために、頑張ろうとしている人達に伝えたい。
 
弁護士や医師といった独占業務のある資格はおいて、
取得すると有利になったり、優遇されたりすることがないとはいわない。
 
しかしながら、そういった類の資格保持よりも評価されるのは経験である。
例を挙げよう。
 
経理をやっている人が、マーケティング職につきたかったとする。
 
たとえば、マーケティングの資格を2つ頑張って取ったとしても、
マーケティング職2年の実務経験のある方がいたら、
多くの企業は後者を採用する。
 
企業から求められるのは「資格」ではなく「実務経験」である。
これは、転職エージェントに務めるコンサルタントの複数知り合いが同じ趣旨の考えを話していた。
独占業務があるなど、よほど特殊な資格でない限り、
多くの業界であてはまる。
 
ここを認識していないがために、「資格取れれば安心症候群」に
陥り、業者の言いなりにお金と時間を浪費する人が後をたたない。
 
稼ぐために資格を取りたいなら、かかるお金と時間のコストが
取得することのリターンと見合うかどうかを冷静にじっくり検討してほしい。
 
さいごに
ここまで資格取得をテーマに
私のしくじりを書いてきた。
少しでも、役に立てたら嬉しい。
 
資格の勉強にどう向き合うかは人それぞれだが、やはり学ぶということは尊いことだと思う。
 
総務省の統計局の2016年の調査によると、社会人の1日の平均勉強時間は
なんと6分というデータがあるそうだ。
 
この記事を最後まで読んでいただけるようなみなさんは
きっとそれ以上に勉強していらっしゃる方がほとんどだと思われる。
 
何事も前向きに学ぼうと思った時点で、
大きなアドバンテージになるし、
資格にこだわらず一緒に貪欲に学ぶ姿勢を持ってチャレンジしていきましょう。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2021-08-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事