通勤時間、私は全世界一のスターになっている―毎日がちょっと楽しくなる完全無料ライフハック―
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:尾治(ライティング・ゼミ集中コース)
社会人、学生の皆様にお伺いしたい。通勤通学の時間、暇じゃないですか? 私はとっても暇です。
東京都内で会社員をやっていますが、朝晩の会社と家の往復ほどワクワクしないものはないと常々思っています。
コロナをきっかけ広まったテレワークも、今日の感染者数減少を受けて、出社に切り替わっている企業も珍しくありません。私の勤めている会社も、感染症対策で完全テレワークでしたが、最近、週2回は必ず出社するルールになりました。ガッデム。
ゆとりと充実感がある朝と夜の生活を奪われ、決して短くない時間を「何もできない時間」に宛てなければならない我々。とはいえ、この現代、退屈させる時間など作らせないぞ、とばかりに無限のコンテンツが無数の形で存在しています。
電車に乗っている時間は、本を読んだり、動画を見たり、ゲームをしたりと隙間時間を充実させることは簡単です。しかし、一歩降りてしまえばお楽しみタイムは終了。シャキシャキと歩かなければいけません。歩きスマホもいけません。
これは、車を運転される方も同じだと思います。運転中はハンドルを握って、よそ見をせず、公道の秩序を乱さないよう走らないといけません。
この何もできない時間を楽しく過ごす方法を、今回はご紹介したいと思います。
「音楽とかラジオみたいな、音声コンテンツを聴けばよくない?」という至極真っ当なご意見が聞こえてきます。イヤホンを忘れる日もあるでしょう? ね? リスクヘッジ、しておきましょう。
さて、ここで表題の伏線回収。
この何もできない時間をどう過ごすのか、行きついた結果がスターになることだったのです。では、しがないサラリーマンがどうやって全世界一のスターになったのでしょうか。
答えは、妄想です。この世で最も自由度が高いお手軽コンテンツです。
『自分はスーパースターだ』と思いこんで歩くだけで、小汚い駅のホームだって途端にレッドカーペットのランウェイに早変わり。
「スーパースターになるってどんな妄想?」なるほど、たしかに想像しにくいですよね。 わかりました。では、昨日ちょうど出社したので、行き帰りでどんなことを妄想していたのか、例を共有します。
電車から降りる直前、自分を『人気歌手』と思いこむ。『通勤で行きかう人混みの中を、力強く歩みながら歌うというPVを撮っている』という設定を思い浮かべて、ドアが開いてホームに降り立ったらスタート。自分の目の前にはカメラが一台。上からドローンが数台ついてきている。テイラースウィフトの曲を思い浮かべながら、かっこよく歩く。曲がり角から顔が見えるようなカットを想像し、マスクの下でキメ顔作る。
朝の混雑も全部エキストラだと思えば、それだけで非日常。途中でふと我に返ることもあるけれども、それもまた『真剣にこんなことを考えて遊んでいる人、面白いね』と自分で自分を笑ってあげることもできます。
車を運転される方なら、レースゲームをしていると思って運転すると楽しいと思います。レースゲームといってもF1や走り屋をモデルにしたようなものではなく、マリオパーティー
の中のミニゲームくらいのものです。車間距離を保てたり、赤信号で急ブレーキにならなかったりするとポイントが加算されていく、みないな設定の妄想です。
もちろん、前述したことができるのは当たり前で、むしろできない=(イコール)事故のデッドオアアライブですが、ゲームをしていると思ったらそれだけで運転が楽しくなるものです。
地方の大学に通っていた学生時代には、この手の妄想をしながら車で通学していました。本当にいい暇つぶしだったと思います。
妄想の何が素晴らしいかといえば、他の人から見て怪しいところが1つもないところです。道具を使わない、しゃべらない。頭の中は人には見えないので、やりたい放題できます。知り合いにうっかり話しかけられても、「ああ……ちょっと考え事をね」とクールに返せば、ミステリアスも演出できちゃうオマケ付き。やらない理由は見つからない。
妄想の設定を作ること、誰かになりきる楽しさは、『いつもの自分』でいることとは違った楽しさを味わうことができます。日常も、誰かの目や役や世界観を借りれば、それだけで非日常になります。いつもの自分と違うことをする、違うことを考える、違うものを見ることは、日常の中でも十分自分を満たせるものと出会えるはずです。退屈な日々も自分の力でいくらでも面白くできます。自分を一番楽しませてあげられるのは、他ならない自分なのです。
明日からできる妄想のススメ、あなたも『スーパースター』になってみてはいかがでしょう。
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