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あと2日 ~オミクロン軽症・自宅療養者の記録メモ~


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記事:nao(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
疲れたなぁ、今もしコロナにかかったら10日間もゆっくりできるねんでな……。
 
ふとそう思った。
 
1年間で2番目に忙しい時期。
家族が濃厚接触者かもしれないとかで念のためテレワークになった同僚の分まで仕事を引き受けた私はくたくたになっていた。
 
もちろん、本気で思ったわけではなかったし、まさか本当にそうなってしまうなんて思ってもみなかった。
 
でも、30代で基礎疾患もないなら、軽症なんでしょ?
風邪みたいなもんなんでしょ?
 
私もかかる前はそう思っていた。確かに発症時はそうだったかもしれない。多くの人と同じく、検査を受けようと思ったのは「ちょっと高熱が出て、のどが痛い」から「職場に迷惑をかけないように念のため」だった。
 
インターネットにあふれている情報は「軽症」という文字のイメージだけが先歩きしすぎているような気がする。有名人の方たちがファンに「心配しないで」と伝えるにはちょうどよいのかもしれないけれども。
 
もちろん症状には個人差が大きいので、何の参考にもならないかもしれない。しかし、私自身が参考にしたかった「軽症」「自宅療養」の経過があまり見当たらなかったので、ここに記すことにする。
 
それは3連休初日。
 
前日、時間内に仕事が終わらず、時間外に頑張っても終わらなかったので、休日出勤することになった。
 
コンビニで、休日出勤のお供のチョコレートと、なんとなく、のど飴を買った。
 
順調に仕事を片付けていったが、夕方に近づくにつれ、のどが痛くて仕方なくなっていた。とりあえず、のど飴をなめ続けてごまかした。休日出勤ということもあり、周りに誰もいなかったので、最後までやり遂げて帰宅することにした。
 
外に出ると思ったより寒くてびっくりした。……もしかしたらこういうの、「悪寒がする」っていうのかもな、そう思いながら家に帰った。
 
疲れが出ているのかなと思ってしばらく横になったのち、「やっぱりなんかおかしい」と思って熱を測ると37.9℃。
 
しまった、コロナになってしまったかもしれない! そう思った。そして、
 
検査を受けなくちゃ!
 
インターネットでどうしたらいいか調べたところ、24時間対応のコールセンターがあったので、電話をかけた。
 
年齢、基礎疾患の有無を聞かれ、
 
息苦しさと脱水症状(嘔吐、下痢など)がないなら緊急ではないし、検査についても強制ではない。職場等の事情で検査が必要だとしても、祝日の夜に対応してくれる病院はないので、できるなら、夜の間に発熱外来の情報を調べておいて、土曜日の営業時間になったらすぐに連絡できる準備をすすめておくよう、そして、しっかり水分をとって、自宅に解熱鎮痛薬があるなら飲んでおくようアドバイスを受けた。
 
電話を切って、いつもの頭痛薬を飲み、都道府県のホームページ内を検索した。
 
発熱外来自体はたくさんあったが、車のない独り暮らしの私が徒歩で行ける範囲では2箇所のみ。うち1箇所は片道2km歩かなければならないので、実質1箇所のみ。ここにかけることに決めて、いつもよりたくさん水を飲んで眠りについた。
 
翌朝、平熱に戻っていたが、とりあえず発熱してしまったことを上司に報告した。
 
そして朝9時、発熱外来に電話。話し中。話し中。話し中……。
何回もリダイヤルを繰り返し、なんとか12時に予約をとった。
 
外で受付。その間にも車でどんどんやってくる患者。
PCR検査と診察を受け、
 
「1~2日で結果が出るからそれまで自宅待機ね」と言われ、ほしい薬はあるかと聞かれたので、「のどの痛み止めがほしい」と答えた。
 
そして、外で待っている間もどんどんやってくる患者。
 
お会計のときに、「お待たせしてごめんなさいね」と言われたので、
 
「大変ですね」と伝えると、
 
「これでも落ち着いた方なのよ」とのことだった。
 
隣の薬局で薬をもらって家に帰った。
途中、お気に入りのパン屋さんからいい匂いがしていたが、素通りするしかなかった。
 
日曜日、頼りにしていたのど飴がつきた。
咳をすると肺炎になってしまいそうで怖かったので、こまめに水を飲んでごまかした。
 
月曜日、職場に電話。周りの人の体調が変わりないことを確認し、仕事の引き継ぎをして一旦切った。
 
しばらくして、病院から電話があり、PCR検査の結果は「陽性」で、10日間の自宅療養を告げられた。そして、保健所からメールがくるから入力するように、と。
 
再度、職場に電話して報告し、発症2日前の行動履歴の確認をした。
 
火曜日、保健所からメールが来たので、情報を打ち込んだ。自宅療養者セットは早くて5日後になる、自宅療養開始から5日が過ぎている人は要求しないように、とのことだった。
 
のどの痛みは落ち着きつつあったが、鼻をかみ過ぎたせいか痛く、臭いがしていないような気がした。
 
水曜日、職場のホームページを確認した。社員の感染状況を情報公開しているので、自分に濃厚接触者がいないことを確認した。周りの人にうつしていないかがとても気がかりで怖かった。
 
木曜日以降はほとんど変わりなし。少しのどが痛くて、少し鼻が詰まっていて、なんとなくだるいまま。
カップ麺もパスタもパンケーキミックスも使ってしまって、家じゅうの食材はなくなりつつある。
 
自宅療養期間終了まであと2日。
 
結局、保健所からの連絡はメール1通だけ、自宅療養者セットは届かなかった。
超多忙な状況はニュースを見て理解しているが、「軽症」だからこそずっと不安だった。
 
少しずつ、嗅覚が戻ってきたような気がする。少ししんどさが残っていて、まだまだゆっくりしたいような気もするし、そろそろ社会復帰した方がいい気もする。
 
完全復活にはもう少し時間がかかりそうだ。
 
 
 
 
***
 
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2022-02-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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