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愛は次元を超えて


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:黒﨑良英(ライティング・ゼミNEO)
 
 
“2022/05/09”の日付がついていることから、そのレビューが書かれたのはつい最近であることがわかる。
スマホゲームの一つのレビュー(評価)が、ネットの片隅で話題になった。
 
アップル製品でもアンドロイド製品でも、ゲームなどのアプリには評価が付けられる。
星の数1〜5と文章、あるいはどちらかだけでも良い。
 
実際レビューを書く人は多くないと思うが、書く人は書くのであり、その証拠にアプリが置いてあるストアを見てみると、大体のアプリにレビューがついている。人気作などはレビューの数もかなり多い。
 
ただ、内容は否定的な意見が多いように見える。しかも中には理不尽な内容も見受けられる。ゲームや無料のアプリにそこまで求めなくても……と思ってしまうこともしばしばで、いわゆる文章版クレーマーのような存在だろうか。
もちろん中には的を射た指摘もあり、一概に否定はできないのだが……
 
少なくともここに書かれている(特に否定的な)レビューは、あくまで個人の感想であり、あまり納得できないものの方が多い。
 
その中で、だ。
星一つの最低評価にもかかわらず、周囲を完全に納得させたレビューがあったのだ。
現在これを見ることはできない。大方騒ぎになってしまったので、消されてしまったか本人が削除したのだろう。
が、そのレビューは確かにゲーマー……もとい、オタクたちをこれ以上ないくらい納得させたのである。
これは大変珍しいことだった。
考えてみて欲しい。あなたはあれらのレビューに心の底から納得できたことがあるだろうか?
おおよそが先ほど言ったような個人的なことであり、高望みしすぎな内容でもあっただろう。
 
しかしそれは違った。違ったのだ。そのゲームを知るオタクなら、誰しもが納得してしまう、そういう内容だった。
では、そこにあったレビューとはどんなものか。
 
実は、なんのことはない、たった1行の文である。いやたったの一言である。
しかもゲームの内容に一切触れていないのだ。
 
そのレビューには、一つの星とともに一言、
 
「彼氏を取られた」
 
と書いてあったのだ。
 
これほどシンプルな苦情に、オタクたちは納得するしかない。
なぜなら、このゲーム『アズール・レーン』とは、世界各国の軍艦をモチーフとした、いわゆる「戦艦×美少女」ものであり、つまり、軍艦の擬人化たる、現実にはありえないような美女や美少女(それと美幼女?)がひしめき合っているのである。
 
顔はもちろん、性格や、ボディパーツだって現実とはかけ離れている。出るところはやたら出ているし、あり得ないほどのプロポーションだ。
オタクたちは口を揃えて「あれは仕方ないねー」という始末。
 
そして誰に取られたのかも、また気になるところ。
妖艶でグラマラスな、ドイツ海軍重巡洋艦の擬人化、「プリンツ・オイゲン」か?
元気はつらつパワフルボディの、アメリカ海軍重巡洋艦の擬人化、「リノ」か?
プレイヤーを「お兄ちゃん」と呼び、健気に戦う幼女、イギリス海軍航空母艦がモチーフの「ユニコーン」か?
はたまた大和撫子を絵に描いたような、黒髪ロングの真面目っ子、日本帝国海軍軽巡洋艦がモチーフの「能代」か?
あ、能代は私の嫁(いわゆる推しキャラを指して「俺の嫁」と言う)なので。ちなみにゲーム内でも「結婚」と言うシステムがあって、高額な結婚指輪を買わねばならず、文字通りプレイヤーの愛が試される。
 
と、まあ、当事者ではないことを良いことに、あれこれ考えてしまうのであった。
 
そう、これは当事者ではないからこそ、笑い話としてネットの片隅を賑やかにさせたのであるが、実際に考えてみると、とてもではないが、笑えない。
 
ここで話に加わっていたのは、多くが男性であろうと思う。
だから逆に、彼女が乙女ゲームに夢中になって自分に見向きもしなくなった惨状を、男性陣は想像してみなくてはならない。
 
男性キャラクターも、イケメン度にますます磨きがかかっている。
現実の我々が対抗しても、かなう訳が無い。
 
そう、昨今になって、私たちは新たな要素を恋敵としなければならなくなった。
2次元キャラクターである。
 
いや、オタクは昔からそうでしょ? と言われるかもしれないが、そこではない。
オタクは、現実と2次元を秤にかけるまでもなく、2次元を選んできた。あるいはその違いを痛いほど理解していた。
それが、一般の、それこそ彼女がいるような非オタクが、リアルとバーチャルを天秤にかけて、バーチャルを選んでしまうようになったということだ。
 
これは、2次元であり、空想上であり、バーチャルであるものが、現実の実態をもつものと肩を並べるようになってきたことを意味する。
 
科学技術の発展は、メタバースなどの価値のあるバーチャルを生み出し、現実との境が曖昧になってきた。
同時に、実態なきものへの愛情のかけ方も、変化をしてきたのだろう。
 
ただそれは、一概に否定的になる事柄でもないと思う。
私たちは、理想を具現化した2次元キャラクターを上回る魅力と才能を発揮しなければならず、それはつまり、真の人間性を問う事にもなるからだ。
 
実態ある人間でなければできないこと、A Iではなく、人間がすべきこと。
 
私たちは今一度我が身を見直し、魅力的なキャラクターと肩を並べるに恥じぬ「人間」であることに、努めていこうではないか。
 
その上で、彼ら彼女ら、キャラクターへ、多大なる愛情を注いでいきたいと、決意を新たにするオタクであった。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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