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「できません」をひっくり返され過ぎて理想のテレビを買わされた話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:村人F(ライティング・ゼミNEO)
 
 
大きな買い物をする時、どのように選ぶかは重要な問題だ。
安い品ならネットレビューで判断する手もあるが、数万円規模の場合は流石にそういうわけにもいかない。
失敗の後悔がシャレにならないからだ。
だから私は店舗で現物を見て、店員に聞き品定めするようにしている。
 
しかし、こういう選び方をしていると時々とんでもない店員に出くわすこともある。
特にテレビを買った時の彼は強烈だった。
 
最初に聞いた質問は「2画面表示できますか」だった。
1画面に2つのチャンネルの番組を同時に流す機能である。
その店員は「できません」と答えた。
普通ならば、この時点で別のテレビへ行く流れである。
だが彼は、答えたあとカタログを調べだした。
そして「実はできました」という。
 
販売員として致命的な間違いのような気がするが、可能なら問題ない。
そのため質問を継続したわけだが、ここからがひどかった。
次の質問も同じ流れが起こったのである。
それどころか、10回もこのやり取りを繰り返した。
何を質問しても一言目は「できません」で、後から調べ「やっぱりできました」と抜かすのである。
正直言って、店員をチェンジしてもらいたくなる流れだ。
しかし、今回はできない。
不可能から可能にひっくり返されているからだ。
つまり、このやり取りのたびに理想のテレビに近づいてしまう。
だから変えるに変えられなかったのである。
 
そして、ついに最後の質問「首振り機能はありますか?」にも「できません」と返された。
当然、押したら回った。
文句が無くなってしまった。
更に、こういう時に限ってこの店が最安値である。
よって、不本意ながら彼のセールスにより買わざるを得ない状態となってしまった。
まさかこれほど残念な気持ちで理想の品を買うことになるとは。
未だ根に持つ応酬である。
 
しかし、改めて考えるとこのやり取りは色々と学べる点がある。
例えば彼の行動を振り返ってみると、以下の繰り返しとなる。
「できません」と言う → 調べる → 「できました」と返す。
 
こうして見ると最初の発言が余計なだけで、他は模範的な動作をしていたことがわかる。
最終的に理想のテレビを買えたのもそのためである。
この意味ではしっかりした店員だった。
 
しかし優秀な彼は「できません」と発言してから動き始めてしまう。
そう理由を考えると、私たちも陥りがちな過ちが見えてくる。
 
それは、情報を暗記していなければならないという錯覚だ。
彼はテレビの情報を完璧にはインプットしていなかったのだろう。
しかし、質問された時にカタログを見て調べるのは恥ずかしい。
そういう思いがあったから、とりあえず「できません」と答え場を濁したのだろう。
その後に「これではイカン」と心を改めて調べた結果、ひっくり返すハメになったのだが。
このように専門家は暗記しなければならない風潮が彼にあった結果、このしょうもない悲劇が発生したのだろう。
 
だが調べなければいけないことは、本当に恥ずかしいのだろうか。
店には大量のテレビが置かれている。
その全てに対し完璧な説明をするのは、相当な鍛錬がいる。
ほとんど似たようなものだからだ。
そのため暗記したつもりでも、本当は間違っていたというオチが発生する可能性も出てくる。
だからカタログを目の前で確認してもらい、ホヤホヤの正しい情報を伝えられた方が信憑性も高いのである。
 
しかし「専門家たるもの暗記しなければ恥ずかしい」という謎風潮のせいで、彼は「できません」と前置きしなければならなくなった。
わからないことを認めて調べる誠実さを持っているのに。
 
そしてこれは私にも当てはまる。
仕事で上司からの指示に対し、やる前から「無理です」と口に出してしまい怒られる。
そのループを繰り返して自分が嫌になって精神を病んでしまったことがあった。
しかし、これも内容を吟味してから可否を発言すれば防げたのである。
つまり調べる前から「できない」と思い込んでいたことが真因だったのだ。
 
だが、テレビも仕事も同じである。
最初は全然わからない状況で調査することで、視界を明るくしていくものだ。
だから、わからないことは決して恥ずかしくない。
むしろ自信の無さを最初に見せる方がはるかに悪印象なのだ。
よって、この手の可否は納得してから回答することが誠意なのである。
 
今思えばこの仕事術は彼から教えてもらったような気がする。
まだ、あの店で働いているのだろうか。
そうであれば、立派な販売員に成長していることを願う。
なにせ、「できない」と答えた自分を恥じて調べ直す誠実さを持っているのだ。
これができる人はそういない。
この事実に気づけば、後はすぐに最強のセールスマンになるだろう。
 
そしてこれは、私の仕事でも変わらない。
世の問題は即答できる物だけではないのだ。
よって調査し納得してから判断することが、あるべき姿である。
この「誠実」の定義を頭に叩き込んで、日々精進していきたい。
 
 
 
 
***
 
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