メディアグランプリ

ついにデストロイヤーまで出現


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:板井さやか(ライティング・ゼミ6月コース)
 
 
問題、以下はあるものの名前である。それらが何の種類か答えなさい。
「ノーザンルビー、シャドークイーン、レッドムーン」
 
競走馬?
違います。
 
他にも「十勝こがね、ホッカイコガネ、とうや」などもあります。
なんとなく、北海道に関係あることが推測できますね。
 
ヒント、ここでわかる人もいるかもしれません。
「きたあかり、インカのめざめ」
どうでしょう?
 
では、最後のヒント、ここまでくればほとんどの人がわかるはず。
「メークイン、男爵」
 
わかりましたね?
そう、正解は「ジャガイモ」でした!
 
北海道のホームページによると、北海道だけでもジャガイモの種類は生食用、でん粉、加工用あわせて60種類以上あり、現在も続々と新種改良が進んでいるという。
実際に春に種芋(これを土に植えて、そこから芽が出て花が咲き、実をつける)を買いに行くと、毎年のように聞いたことのない新しい品種に出会う。
しかも名前はどれも似通っているので、なかなか覚えられない。
 
「ジャガイモ」と言えばどんな料理を想像するだろうか?
カレー、ポテトサラダ、肉じゃが、フライドポテト、豚汁あたりが王道だろう。
では、それらの料理に入っているジャガイモの色は?
そんなの白、もしくは黄色に決まっていると思うはずだ。
そう、それが一般的な色である。
しかし、最近のジャガイモは驚くほどカラフルに進化しているのだ。
 
例えば、冒頭の「シャドークイーン」。
名前だけ聞くと強そうな競走馬とも思えるが、立派なジャガイモの種類である。
メークインのように細長い形で、皮はかなり濃い茶色から黒に近く、まさに影(シャドー)のような暗さの見た目である。
皮をむき、切ってみるとその色に驚くことだろう。
なんと紫なのだ。
紫といっても薄い藤色のような紫ではなく、ぶどうジュースのような濃い紫である。
初めてシャドークイーンを切ったとき、私は驚きのあまりひとりで「わーっ!」と声を出した。
実も紫であることを事前に聞いていたが、まさかこんなに濃い色をしているとは予想しておらず、一瞬目の前の状況を処理しきれず固まってしまった。
皮の色と実の色がほぼ同じなので、ちゃんと皮をむけたかがわかりにくいが、
加熱しても色は変わらないので、グラタンに入れるとホワイトソースとの色のコントラストが目にも楽しくておすすめだ。
 
紫に続いて登場するのが、ノーザンルビー。
これは「ルビー」という名前から推測できるように赤い実をしている。
こちらもメークインのように細長い形で、皮はツヤのあるサツマイモのような赤茶色、実はピンク色だ。
加熱するときれいな透明度の高いあずき色になる。
割ってみると、見た目は薄い色のこしあんのようだ。
私は先日、ジャガイモだとわかっているのに「こしあんみたいだな」と思いながら食べて、やっぱりちゃんとイモの味でびっくりするという謎の経験をした。
シャドークイーンほど色は濃くないので、ポテトサラダにしたらとてもきれい、目でも楽しめる。
 
なぜ私がこんなマイナーなジャガイモに詳しいかというと、北海道の実家の家庭菜園で毎年両親がそれらを育てているからである。
子どものころは男爵とメークインしかなかったのが、いつからかキタアカリが加わり(勝手にジャガイモBIG3と呼んでいる)、10年くらい前から、次々と新種を栽培するようになった。
今年試してたくさん実がなったもの、おいしかったものは来年も採用、今年あまり家族の評価が芳しくなかったものは、残念ながら翌年は我が家では栽培されない運命となる。
また、去年おいしかったから今年も作ろうと思っていた種類の種芋が手に入らない年もあったりして入れ替わりが意外と激しい。
ジャガイモの世界もなかなかシビアである。
 
しかし、家庭菜園レベルではこんなにたくさんの品種があるのに、残念ながらジャガイモ王国である北海道でも男爵、メークイン、キタアカリのBIG3以外はスーパーでは見かけることがあまりない。
北海道以外でも同じ状況だ。
 
常々、おいしくて、見た目にもインパクトがある新種のジャガイモたちの魅力を多くの人に知ってほしいと思いながらも、自分では地道に知り合いに送るくらいの宣伝しかできないことを悔しく思っていた。
しかし、ついに希少種に出会うことができる穴場を見つけた!
 
それは「道の駅」や道路脇にある「農産物直売所」である。
 
去年、栃木県那須近くの農産物直売所でシャドークイーンに出会った。
何の説明書きもなく、普通に並べて売られていたので、お店の人に代わり、友人に特徴と魅力を猛アピールし、買い物かごに入れてもらうことに成功した。
あの人もキッチンでさぞ驚いたことだろう。
 
更に今日は、地元の農産物直売所で「グランドペチカ(通称デストロイヤー)」という品種を見つけた。
もはや、競走馬どころかプロレスラーの名前としか思えない。
 
このようにジャガイモの世界も多くの人の努力により日々進化しており、今年はよく見ていた品種が来年にはなくなっていることもある。
出会いは一期一会、もし新品種を見かけたらぜひ手に取って、その進化を実感してほしい。
 
 
 
 
***
 
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2022-09-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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