ライティング・ゼミ初場所、終幕!
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:タイガーたいぞー(ライティング・ゼミ8月コース)
「痛みに耐えて、よく頑張った。感動した!」
小泉首相の有名な言葉。シンプルで、全国民に届いたと思えるほど、強烈なメッセージだった。
2013年の夏場所、14日目で怪我をした横綱貴乃花。強行出場した最後の取組で、横綱武蔵丸に敗れてしまい、優勝決定戦で勝者が決まることに。しかし、貴乃花は、気迫の上手投げで勝利を手にした。
1つの場所を舞台にして、15日連続で、本物の力士達が意地と意地とをぶつかり合わせる大相撲。まさに、感動の世界である。
2022年夏、私は「力士」になった。
「相撲力士」ではなく、「ライター力士」である。
「天狼院書店」の「天狼院ライティング・ゼミ8月コース」という名の部屋の門を叩いたのだ。目的は、シンプルに文章力を上げたかったから。書く力が付けば、人生がもっともっと豊かになる、そう信じたかった。
オンラインでの参加ではあったが、三浦親方の熱い稽古を受けた後、いよいよ初場所、初土俵を迎えることになる。
その戦いとは、毎週2,000文字の原稿を提出すること。
合格か不合格かの勝敗が付くという。15戦ではなく、16連戦だ!
部屋から求められたことは2つ。
「休場しないこと」と「最後の4試合中3勝すること」。
これまでライティングは、独学でやってきたため、試合でどんな評価をもらえるのか、期待と不安が入り混じった。親方の教えを忠実に守って、戦いを投げ出さずに、真摯にライティングに打ち込んでいけば、必ずこのゲームはクリアできる! そう信じて、1回目の文章を提出した。
提出後の火曜日の午後、仕事中にこっそりとFacebookの通知を見た。
何と、初白星! 反射的にガッツポーズをしてしまった。
嬉しさのあまり、その後は、ノリノリで仕事ができた。
褒められることで伸びるタイプの私は、自分の体験談を中心に、自分の「熱」を文章に込め続けた。お客様には、最後まで試合を見ていただく必要がある。
自己中心的な試合運びではなく、「リーダビリティ」と呼ばれる試合運びは、エンターテイメント性が求められることを少しずつ理解していった。
11月27日。親方からの最後の稽古。
この時点で12戦9勝。勝ち越しは決まっていたが、ここから残り4試合が天王山。本当の闘いはここからだ。
残り4試合の初戦、渾身のネタで挑んだが、審判から的確な「物言い」をいただき、敗戦……。出鼻をくじかれ、一気にスランプに陥ってしまう。
自分の文章に自信が無くなってきたのだ。理由は3つ考えられる。
まずは「ネタ切れ」。13試合続けてきて、書くことが無くなっていたのだ。親方は言う。「通勤するだけでも、何個もネタが見つかるはず」と。
とはいえ、歩いても、歩いても、何も感じない。何も思いつかない。
次に「ワンパターン」。文章が毎回同じ「型」であることに対する嫌気を覚えた。「押し出し」でしか勝てない力士の気持ちがよくわかった。
最後は「他者比較」。自分は自分、他人は他人ということはわかっているのだが、Facebookグループでは、同門戦士の試合結果がわかってしまう。ついつい見てしまい、自分だけが「負け犬」であると錯覚した。
12月に入り、残り3戦。私は家族のコロナ感染により、外出ができなくなった。最初は心が乱れたが、これはチャンスなのではないか?
自分を見つめ直す時間を作り、これからの「戦略」を徹底的に考えることができたのだった。怪我の功名である。
残り3戦は、これまでの自分の戦い方を忠実にやっていこうと決めた。
清々しいまでの「開き直り」である。
最終決戦の2戦目、とことん行動することにした。自分専用のLINEスタンプを作り、その経験から学んだことを記事にした。
結果は圧勝! これでいいのだ。この調子、この調子!
3戦目。以前、得意の「習慣」についてのネタで敗北を喫していたので、再度、同じテーマでリトライ。
今度は、なぜ習慣を大事にしているのか、小学生時代にまでタイムスリップした。その結果、「ラジオ体操」という原体験が、今の自分の「礎」を作ってくれたことに気付かされた。
今度は認めてもらえて、勝ち星を拾った。首の皮一枚が残ったぞ!
「●○○」と黒と白の星が並んだ。
いよいよ、結びの一番である。
もう「迷い」は無くなった。もちろん「悔い」も無い。
ライティングは、最高の「セルフ・カウンセリング」の時間だった。
はじめた頃は、「リーダビリティ」や「読者メリット」を意識して書いていたが、ネタが尽きた頃、自分の人生について、これでもかと言うほど、とことん向き合った気がする。過去に感じた「喜怒哀楽」にアクセスしたことで、胸が締め付けらたり、未来をもっと良くしたいという感情が芽生えたりした。
今回のチャレンジは、必要不可欠で、必然だった。
表現者として評価されることは、正直、怖かった。ずっと不安だった……。
チャレンジとは、「コンフォートゾーン」から離れることだ。
元の場所は、居心地がよく、安心・安全の場所なのかもしれない。
もし「不安」を感じることが多いのなら、そこはコンフォートゾーンの外に居ると思っていい。それが、チャレンジをしている証なのだ。
2022年、私の「ライティング16番勝負」がいよいよ終わる。
心から、この講座を申し込んで本当に良かったと思っている。
毎週書くことで、「自己基盤」がしっかりしていった感覚がある。
結果はどうあれ、全16戦、1試合も投げ出さず、闘い続けることができただけでも、「痛みに耐えて、よく頑張った!」と自分を褒めてあげたい。
2023年は、どんな戦いが待っているのだろうか?
「感動した!」と相手に言ってもらって、自分も「感動」し続ける。そんな人生でありたい。そのためにも「筆を止めるな!」、これからも「書くこと」を続けていきたいと思う。
***
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