些細なことがきっかけで、新たな道のりができる
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:山本清文(ライティング・ゼミ4月コース)
「おっ、おぼれるぅ!」
ある夏の日、会社の同僚と海へ行ったときの一コマだ。
今では笑い話になるが、思い出すとゾッとする出来事。ただ、その当時、自分はまったくと言っていいほど泳ぐことが出来なかったので、こんな事態になるのはむしろ想定内だった。
それは、約8年前に遡る……。
ある日、会社の同期から海へ行かないかと誘われた。
泳げないため学校のプールの授業が嫌で仕方がなかった私が、その時はなぜか誘いを断らずに参加を決意した。
「サンダルや水着やゴーグルを持っていけば、何とかなるだろう」
そんな軽い気持ちが、冒頭に繋がるのであった。
そして、当日。
海辺は太陽が全力で照りつけ、絶好の海水浴日和となっていた。しかし、自分は不安でいっぱいになっていた。
同僚たちはすでにシャツを脱ぎ、海に飛び込む準備をしていた。彼らは泳ぎの得意な者から次々と海に飛び込み、遠くまで泳ぎ始めた。一方、私は、のそのそと皆の後を追ってはみたものの、すぐに見えなくなり途方に暮れてしまった。
海にいても仕方がないので戻ることにしたが、そこで、悪夢が起こった。
そう、海で溺れかけたのだ。
たまたま近くに仲間がいたので、助けてもらったが、本当に一瞬死ぬかと思うくらいヒヤヒヤだった。
その一件があって以来、時が経つにつれて悔しさでいっぱいになった。
泳ぎ方を知らないという自分の無力さ、自分だけが海を満喫できなかったという思いが頭から離れなくなった。
ただ、それではいけないと心に決め、会社帰りにスイミングスクールへ行けないか探すことにした。
しばらく時間が経った……。
その気になると意外と見つかるものだ。
そう、「大人のスイミングスクール」という名の教室をネットで目にした。
自身に合いそうな教室だったので、早速、申し込みをした。
スイミングスクール初日を迎えるまでは、期待と不安でいっぱいだったが、「上手くなるぞ!」という決意は固かった。
初めて出席した日。コーチの配慮からまずはクロールを一か月間教わった。
コーチの優しく丁寧な指導のおかげで、クロールは少しずつ進歩を見せ始めた。
その次の一か月は背泳ぎ、次の一か月は平泳ぎ、バタフライと4泳法を学んでいった。通い続けることで泳ぐ距離を伸ばすことが出来るようになり、自信がついた。そして、クロール以外の泳法も楽しくなって、いつの間にか身につくことが出来た。
全ては、自分があの夏の日に海で泳げないことを悔しく思ったから始まった。それは些細なことかもしれない。けど、その些細な出来事が自分を変える大きなきっかけとなったことは間違いないと自信を持って言える。
もう一つ、ある漫画がきっかけで始めたスポーツがある。
恥ずかしながら、それは妹が読んでいた「ママレード・ボーイ」という少女漫画だった。昔、毎週日曜日の朝8時半からアニメでも放映されていた物語である。ちょっと、話がそれたが、その漫画に出てくる男子たちが硬式テニスをやっている描写が、自分にとってカッコよく映り、「やってみたい!」という衝動にかられた。その当時、高校生だった私は、親にテニススクールに通いたいとお願いをして、通わせてもらった。
それまでは一度も硬式テニスをしたことがなかったし、体育の成績は「3」が普通だったので、特別、運動神経が良いわけではなかった。
そんな自分が「憧れ」だけで、「硬式テニスをやりたい!」と言い出す始末である。
実際、すごく楽しかったし、色んな仲間が出来たので思い切って親に頼んでよかったなと、今、記事を書きながら実感が湧いてくる。
そんないい思い出がきっかけとなり、社会人になってからテニスの楽しさを思い出し、再開してから約3年はテニススクールに通い続けた。
こうして振り返ってみると、自分の人生は実にさまざまな出来事によって形成されてきた。その全ては、自分が挑戦するきっかけとなった「悔しさ」や「憧れ」は、道を切り開くための小さな一歩を生み出す力の源かなと感じる。
調べてみると、「悔しさ」とは、自分がまだ達成できていない何かに直面したときに感じる感情とのこと。また、目標に向かう道のりが困難だと感じたとき、自分自身の能力に限界を感じたときに生まれる。
同時に、挫折で終わることもあるかもしれないが、「悔しさ」は、自分が挑戦し、取り組む勇気ときっかけを与えてくれるものだと思う。
一方、「憧れ」とは、自分が目指すべき理想や目標を見つけたときに感じる感情とのこと。それは新しい可能性を見つけ、未来に向けての期待と希望を育む。「憧れ」は自分がどんな人になりたいのか、何を達成したいのかを明確にする。
これらの要素が組み合わさることで、自分だけの人生の道のりが始まる。その道のりは自分自身が主役であり、誰にも邪魔をされることは決してない。
なぜなら、自分で決意をして実行できたから、その道が開かれ、自分の物語を生み出したからだ。
そう、きっかけは些細なことかもしれないけど、同時に新たな人生のスタートとなりうる出来事になるはずだ。
***
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