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ビリギャルから学んだ自己肯定感を育てる方法

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:齋藤由美(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「えー!!! お前が慶応大学に合格したら、俺は校庭を逆立ちして1周してやる」
と職員室が大騒ぎになった。
 
学年ビリのギャルが、慶応大学を受験するという事で、みんな鼻から信用していなかった。
それどころか、「そんなことは地球がひっくり返っても、あるわけない!!」という
おちゃらけムードだった。
 
高校3年を前に入塾したギャルは、塾の先生との面談で、慶応大学を志望しましょうということになった。
 
本人よりも母親が一生懸命だったが、塾の先生に魔法をかけられた親子の二人三脚の旅が始まった。
 
勉強が変わらなくなってしまった箇所まで戻っての再学習からスタートした。
 
勉強がスムーズに進むことがあっても、その逆もあった。
 
いつもつるんでいたギャル仲間との付き合いも断るようになり、次第に別世界の人になっていった。
 
ストレスが溜まったときは、絶対の味方であるお母さんが、
「これいいわよ」と数枚のお皿を渡した。
 
ビニール袋に予め入れたその皿を思いっきり床に叩きつけると、
「すーっとした」
 
そこまで、してくれるなんて、お母さんも本気だったのだ。
 
なんとしてでも、慶応大学に入れたい、我が娘を。 という思いだったのだ。
 
最初は、ギャルの風防だったが、もうおしゃれしている暇がなく、
ジャージにトレーナーで、顔にはニキビができていった。
 
お正月には、軽く挨拶をしてすぐに自分の部屋に閉じこもり、勉強を始めた。
その姿をみて、お父さんは“ 本気なんだな” と応援する側に回った。
 
娘の受験の費用などを巡って、両親も揉めたことも何度もあった。
 
別居を考えたこともあった。
 
今回の受験は、ギャルだけの問題ではなく、家族関係にまで及んだ。
 
塾の先生とギャルとお母さん、お父さんまでも参加して、
無事に合格を勝ち取った。
 
それを聞いた塾の先生は、「そうか」しか言わなかった。
合格すると信じていたから。
 
冒頭に書いた、 「おまえが慶応に合格したら、校庭を逆立ちで一周してやる」
 
と言っていた教師は、「え? そんなこと言ったっけ?」と逃げる始末。
 
でも、ギャルにとっては、もうどうでもいいことになっていた。
 
もうビリギャルではなく、トップギャルに変身していた。
 
 
私にも似たような経験がある。
 
会社員で働いていた時のこと、いつものように仕事中おしゃべりしていた。
 
「あいつは、本当におしゃべりばかりしていて、仕事していないんじゃないか」
と言われてしまうほどだった。
 
そんな私に魔法をかけたのは、専務だった。
「あんた、もっと本気で仕事してごらん! 3人の中で一番能力があると思うよ。
だって、一番涼やかな顔して仕事しているけど、他の女性達は余裕がなさそう」
 
それを聞いた私は、「上司はよく見ているんだな」と思った。
 
それからスイッチが入った私は、真剣に仕事に取り組んだ。
以前のおしゃべりで楽しそうにしている私は、どこかへ行ってしまった。
 
次第に仕事のレベルが上がっていって、その会社の一番のお客様の担当になった。
 
年末には、大晦日31日まで出勤し、専務や部長たちと仕事の打ち合わせをするまでになった。
 
思えば、今までの会社では、そこまで評価してくれる上司はいなかった。
 
どちらかとういうと、表面通りの評価だったと思う。
 
その時、ビリギャルの本を読んでいたから、私にとっての専務は、ビリギャルの中の塾の講師と同じだった。
 
私の可能性を見つけてくれた人であった。
 
こうして、一つの成功体験を得た私は、ビルギャルと同じで、もう以前のおしゃべりばかりしている人ではなくなっていった。
 
そして、ビリギャルの中で、「おまえが慶応に合格したら、校庭を逆立ちで一周してやる」
と言った教師と同じで、私にもバカにする人がいた。
 
それでも、私が会社で一番のお客様担当になったら、
泣きながら嫌味を言われた。
 
この人のおかげで、奮起することができた。
 
嫌味を言ってくれて、バカにしてくれたおかげで、
 
本気モードになれた。
 
そう思ったら、その方に感謝するという気持ちしかなかった。
 
 
 
また、このビルギャルの中の塾講師の方が言っていた言葉が印象的だった。
 
「だめな子なんていない、だめにする親と教師がいるだけだ」と言っていた。
 
本当は可能性をみんな持っているけど、それに気づいてくれる教師や親がいないということだと思う。
 
また、“環境が人を育てる” というのは、本当だと感じている。
 
家庭環境、学校の教育環境、 職場環境、それぞれにおいて、その人を応援してくれる環境であるかどうか。
 
この環境に恵まれた人は幸運だ。
 
発達心理学においても同じことが言われている。
 
その子の自己肯定感を育てるには、子供が目標を持ち、それを応援する親がいて、目標を達成する成功体験が必要だ。
 
家庭環境に恵まれなかった私は、遅まきながらも職場においてその環境を得ることができた。どの環境でその幸運に恵まれるかは、その人の運によるのかもしれないとも思う。
 
世の中の人がそういう環境に恵まれることで、平和になるのはないかと思う。
 
 
 
 
***
 
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2023-05-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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