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トイレのおはなし


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記事:佐藤京子(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
トイレのおはなしです。
不快と感じたる方がいたらすみません。
皆さんはトイレで本を読みますか?
 
我が家のトイレは、一戸建て1階の西側中央に配置されており、坪数0.4のごく一般的なトイレットです。
 
それは、読みかけのマンガを片手にトイレに入ったことが始まりでした。一分でも一秒でも早く、先を読み進めたかったのです。とても行儀が悪い行動だったし、衛生的にも良いとは思えなかったけど、マンガの続きが読みたくて我慢できませんでした。
その時、トイレでマンガを読んでいた時間は2、3分だったと思います。
続きが読めたことでスッキリしたし、とても満足しました。
 
それからです。トイレに行くたびに、毎回本を持ち込むようになったのは。
わざわざ本棚に立ち寄り、その時の気分で本を選んで、トイレに持ち込みました。
この時から、私がトイレに入る目的が2つとなりました。1つはもちろん用を足すこと。もう1つは読書をすること。
 
トイレに滞在する時間も長くなりました。10分、20分同じ姿勢でいても、苦痛と感じることはなく、集中して読んでいるため時間を忘れるほどでした。
家族に呼ばれ、ハッと現実に戻ることも時々ありました。
 
回を重ねるうちに、本棚に立ち寄る行為が面倒になり、読みかけの本を一冊トイレの棚に置くようになりました。
私のこの行為がきっかけとなり、夫も娘もトイレで読書をするようになってしまいました。
 
読書をするなら、リビングのソファーやベッドに寝転んですればよいものを、なぜ、わざわざトイレで本を読むのか。
トイレに行った後、部屋に戻ってから本を読めばいいのに、なぜそうしないのか。
トイレは用を足す場所であって、くつろげるようなソファーもなければ空調も完備されていない。にもかかわらず、なぜ、トイレで本を読んでしまうのか。
 
理由として考えられるは。
➀正々堂々、鍵をかけることができることで、外界をシャットアウト。家族の侵入を拒み、誰にも邪魔されない密室で、好きな本を読むことができるから。
 
②密室のトイレは、視界が遮られ、音も遮断されることから、気が散ることもなく、本に集中することができるから。
 
また、他には、トイレの「狭い空間」が影響していることがわかりました。
 
人がまだ狩猟をしていた頃。屋外には凶暴な動物がたくさんいたことから、危険を回避するため、人は、洞穴や洞窟の限られた空間で生活していたのです。
「狭い空間」は、「安心・安全な場所である」と本能的に理解していたと考えられています。
 
また、人が「狭い空間」を好むのは、胎内に似ているからという説もあります。
お母さんに守られていた胎内(狭い空間)での記憶があるからで、「狭い空間」=安心と無意識に認識しているとのこと。
子どもが押し入れや狭い空間を好んで遊び場にするのは、胎内にいた記憶を思い出しているからだとか。
 
広い空間より狭い空間のほうが、人は安心・安全を得られる……このことを踏まえると、我が家の住人は、本能的かつ無意識に、リビングよりトイレのほうが「安心・安全の場所」と認識していることになります。
落ち着く場所で、大好きな本をじっくり読みたい。それがリビングではなくトイレだった!
 
我が家の住人は、もはや、トイレに依存する中毒者。
トイレに本が無いと、物足りなく、手持無沙汰で、落ち着かない体になってしまったのです。
 
常識的に考えれば、トイレで本を読む行為は、不衛生だと感じる方が、圧倒的に多いと思います。
医学的にもトイレの便座に長く座っていることは、腸や皮膚によくないことだらけ。
風水に至っては最悪です。トイレは邪気が帯びやすいらしく、長居してはいけないとのこと。また、本などの紙は邪気を吸ってしまうため、トイレに置く行為は絶対NGで、金運が爆下げになってしまうらしい。
 
以上の理由からも、トイレで本を読むことはお勧めしません。でも、自分なりの狭い空間を持つことはよい事なのかも。
 
「ストレス社会」と言われ、メンタル不調者が増加している今日。
狭い空間に身を置くことは、現代人に必要な場所であると言われています。
つらいと感じた時や、しんどいと感じた時、何かから逃げたいと感じた時は、外界からの刺激をシャットアウトするため、狭い場所に身をおくことは有意義とのこと。
また、四方をほどよく囲まれた空間にいることで、高ぶった感情や過敏になった神経も落ち着くのだとか。
 
本を読むことが習慣化されてしまった、我が家のトイレ。
現在、トイレ内の天井は、シーリングライトが新調され、より快適に読書できる、快適空間へと、レベルアップしました。
サーキュレータ付きシーリングライトで、天井のライトから風が送られるため、空気が循環され、個室で熱がこもりやすい室内も、涼しく過ごすことができます。
特に今年の夏は大活躍でした。
 
情報社会にあるが故、常にスマホを手放せない日常で、唯一、紙の本を手に取ることを自ら望む場所。それがトイレ。
今後も、忙しい日常から逃避し、トイレで読書タイムを堪能しようと思います。
 
 
 
 
***
 
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2023-09-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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