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夢を叶えるって何だろう? 知らず知らず私たちはすでに夢が叶った道を歩いている


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:六車優那(ライティング・ゼミ10月コース)
 
 
私たちは知らず知らずのうちに、夢を叶えているのかもしれない。
 
そんな風に想わされる出来事があった。
 
私は30代独身、平日は証券会社で法人部付事務をしている。とは言っても、契約社員なので、のらりくらりと仕事をこなしているだけで、キャリアを積んでいるとは言い難い。
その上、恋人がいるわけでもなく、結婚とも縁遠く、ひとり気ままな日々だ。さすがにこの歳になってくると、友達の多くが結婚し、子供が生まれ、最近はSNSを開くと幸せそうな家庭を想像するような写真を目にする機会が増えた。そんな投稿を見ては「私は何をしているんだろう……」と焦りを感じつつも、結婚なんて他人事のようで、どこかでまったく焦りを感じていない私もいる。
 
今でこそ、マイペースで気ままな私を生きているが、親の期待に応えようと生きてきた結果、社会人になって2年目でメニエール病になり、めまいに悩まされるようになった挙句、それでも懲りずに頑張り続けようとしたところ、4年程前にうつ病になり休職を経験。
職場の方々に恵まれたこともあり、休職後も慣らし勤務をさせていただきながら復職。
 
ただ、この休職きっかけに、これまでの生き方への考え方が変わり、自分の人生をどう生きていきたいのか考えるようになった。
 
唐突だけど、ここまで読んでくださっている皆さんは、「こんな風に生きていきたい!」とか「こんな夢があります!」とかありますか?
 
私は、社会人になって病気をするまで夢らしい夢もなく、こうやって生きていきたいという憧れもなく、ただ日々を繰り返し過ごしてきました。
だからこそ、夢を追いかけている人や、「こんな風に生きていきたい!」と一生懸命な人に憧れていました。もしかしたら、夢を持つことが夢だったのかもしれません。
 
今、振り返ると、親の期待に応えようと、親や世間が良いとするだろう道をひたすら歩んできたため、自分のやりたいことや好きなことが見えなくなっていたんだと思います。
 
休職した当初は、契約社員だったこともあり、契約を切られるんじゃないかと心配ばかりして、休んでいる罪悪感から、早く復職しなければと力んでいました。
そんな私へ医師は「何もしない時間も過ごせるようになってください」とアドバイス。「仕事へ早く行けるようになりたいのに何もしない? どういうことだ!」と、その時は思っていました。だんだんと、今は仕事を休むときなのだと理解しはじめたとき、時間を持て余しはじめます。すると、「あれ? 私のやりたいこと好きなことってなんだろう?」と空っぽの自分に気づきました。
 
それからというもの、小さなことでも好きか嫌いかを意識して、自分自身に聞くようにしてみました。すると少しずつ、自分の好きなもの、ときめくものを感じられるようになります。
 
お花、植物、空、自然、写真、音楽、浴衣、花火、本……
 
本当に少しずつ、1歩1歩確かめるように、触れて感じて増えていきました。
 
その頃から「私は私の人生を自分の足で歩いてなかったのかもしれない。親の想いではなく、自分らしく好きなことをしてもっと自由に生きたい!」と想うようになりました。
 
それからは親の顔色にびくびくしながらも、自分の想いを無視しないように、好きなことをして自由に生きるように意識して過ごしています。
 
そんな私に今年の春、嬉しい連絡が舞い込んできます。
「ゆなちゃん、ゴールデンウィークにアルバイトしない?」
以前、宿泊したゲストハウスのオーナーさんからの連絡。
オーナーさんは、コーチングを学ばれていて、宿泊して以来、私が迷ったときや悩んだときにヒントやアドバイスをくださったりして、ずっとお世話になってきた方。
そんな方からの大好きな場所でのアルバイト。やりたいに決まっているではありませんか! ということで、上司に有休のお願いをして、いざアルバイトへ向います。
 
私が住んでいるのは福岡。
ゲストハウスがあるのは岡山の山奥。
スムーズにいったとしても5時間近くかかります。その道中、ワクワクしながら……
 
「自分らしく好きなことをして自由に生きたい」
 
言うのは簡単。
自分らしくってどんな私だろう? 好きなことをして生きる? 私にとって自由ってなんだろう?
そんなことを頭の隅で考えながらゲストハウスへ向かいました。
 
ゲストハウスでのメインのお仕事はアイロンがけ!
アイロンがけ? って、思うでしょ?
ゲストさん達が使ったタオルやシーツ、枕カバーなど、朝も昼もひたすら1枚1枚アイロンをかけていきます。これが想像していたよりも重労働……。
その上、油断すると余計にシワになるという。
 
慣れないアイロンと格闘したり、ベットメイキングをお手伝いしたり、お掃除したり、アルバイトというよりも、普段意識するとこを忘れているような「生活」をしながら、休憩時間や合間の時間には、以前お世話になった方へ会いに行ったり、オーナーさんからゲストさんや地元の方をご紹介していただいたりしていました。
 
そんな中でも、今回1番印象に残っているのがIさん。60代のおじ様です。
オーナーさんが私のことをなんと言って紹介してくれたのかは覚えていないのだけど。私が「自分らしく好きなことをして自由に生きていきたい」という話を親身になって聞いてくださいました。
とても素敵な時間だった感覚はすごく覚えているのに、人見知りがちな私は緊張していて話した内容も曖昧にしか覚えていません。
 
だけど唯一覚えているIさんからの言葉……。
 
「他の人から見たら、好きなことをして生きているように見えるんじゃない? 普通の人は、休みの時にゲストハウスでアルバイトしたりしないと思うよ」
 
ハッとしました。
そう。私は好きなことをして自由に生きたいと憧ればかりに目を向けて、目の前の『今』を見落としていたのです。
 
私たちはつい、過去を振り返って後悔してみたり、未来を見ては不安になったり、前や後ろはよく目を向けるのに、『今』という1番大切な時間を見落としがちです。
 
まるで、死角のように。
 
大切なものほど身近にあって、本当は手に届くところにあるはずなのに見えなくなっているのかもしれません。
そう考えると、もしかしたら、あなたも私と同じように自分で気づいていないだけで、他の人から見ると叶っていることがあるかもしれない。
 
「私たちは小さな願いごとを、日々叶えて生きているのかもしれない」
そう想うだけで、何気ない日々も、とても大切な『今』に感じられるようになりそうですよね。
 
私たちの何気ない毎日は、夢や憧れを叶えるために歩いているのではなく、もうすでに叶っている道を歩いていて、小さな夢の積み重ねが、今描いている大きな夢や憧れへと繋がっているのかも……。
 
私はそう想ってこれからを歩いていきたい。
 
 
 
 
***
 
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2023-10-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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