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「人生に意味なんてない」って言葉が、ずっと頭から離れない


 

 

 

 

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

記事:三上 浩紀 (26 年 9 月ライティングゼミ withAI)

 

「人生に意味なんてない」タモリさんが、たびたびそんな話をしている。僕はこの言葉が、ずっと頭の片隅に残っている。いつ聞いたかも覚えてないくらいなのに。納得したわけでもなければ、反論したいわけでもない。むしろ、ちょっと困っているくらいだ。

 

なぜなら僕は、この一年半、「意味」について考え続けてきたから。セレンディピティについてnoteを書き続け、もうすぐ100投稿になる。僕はそれを「偶然を“意味ある発見”へと変換する営み」と定義しなおした。思いがけない出来事に出会う→立ち止まる→そこに何かを見つける→自分なりの意味を与え、次の行動につなげる。そんなことを、ずっと書いてきた。だから、「人生に意味なんてない」と言われたら、どうしたって頭から離れないというわけだ。

 

◾︎タモリさんは、意味が嫌いらしい

タモリさんは、音楽が好きな理由について「意味がないから」と話している。学校の国語テストでは、「このときの作者の気持ちを答えなさい」なんて問題が出てくる。(僕は本当にこの問題が苦手だった。)音楽にも、絵にも、人生にも、僕らはつい「これは何を意味しているのだろう」と答えを探したくなる。でも、タモリさんは、どうもそこから距離を置いているみたい。

 

未来に目標を置きすぎることにも慎重らしい。彼は、「向上心は未来を目標にしているから、今を生きてることにならない」という趣旨のことも話している。未来ばかり見ていたら、目の前で起きていることを見落としてしまう。僕には、そんな警告にも聞こえた。

 

だから困るんです。だって、それって、すごくセレンディピティっぽい考え方だから。そして僕は昔から、意味を探すことが好きだったから。

 

◾︎人生の意味づけは、DJの選曲のようなものだ

大学時代、僕はDJをやっていた。そこで、ふと思う。人生の意味づけと、DJの選曲は似ている。似ているのは、DJが「曲と曲をつなぐ」からではない。次の一曲によって、さっきまで流れていた曲の聴こえ方まで変わるからだ。

 

DJは、テンポを示すBPMが近い曲をつなぎ続ければ終わり、ではない。なぜ、この曲の次にこの曲なのか。同じプロデューサーだから。コード進行が似ているから。そのアーティストが影響を受けたと公言している曲だから。ヒップホップなら、「サンプリング」の元ネタをつなぐこともある。すると、一曲だけで聴いていた音楽に、突然「過去」が現れることがある。

 

曲そのものは何も変わっていない。変わったのは、次に流れた曲だ。なのに、前の曲の聴こえ方まで変わる。振り返れば僕は、音楽以外でもずっと「これとこれは、どうつながるんだろう?」と考えて生きてきたらしい。偶然現れた点に、自分で線を引いてみる。それは僕にとって、世界を面白くする遊びでもあった。

 

◾︎受験に落ちた。それだけだった

そんな僕だからこそ、「人生に意味なんてない」を簡単には飲み込めない。でも最近、少し違う読み方ができるようになった。もしかすると、「人生には意味がない」のではなく、「人生には、最初から決められた意味なんてない」ということなんじゃないかって。

 

僕は第一志望の大学には行けなかった。その時点では、ただの「受験失敗」だった。でも、進学した大学でDJを始めた。DJをやっていなければ、今の僕の「点と点をつなぐ」という感覚も違っていたかもしれない。だからといって、「あの受験失敗には、DJになるための意味があったんだ!」と言いたいわけじゃない。それでは、別の意味を固定しているだけだ。

 

当時は、ただ第一志望の大学を諦めた。それだけだ。でも、そのあとにDJという“一曲”がつながったことで、僕の中で「受験失敗」という曲の聴こえ方が少し変わった。人生もDJと同じで、その後に何をつなぐかによって、過去の出来事の意味が変わることがある。

 

◾︎次の一曲は、まだ決まっていない

ここまで考えて、ようやく僕の中で「人生に意味なんてない」と「人生を意味づける」が、喧嘩をしなくなってきた。最初から意味が決まっていない。だから、自分で意味をつけてもいい。あとから変えてもいい。今は意味をつけなくてもいい。意味がわからない出来事は、無理に答えを出さず、そのまま置いておけばいい。何年か経って、別の出来事とつながるかもしれない。つながらないかもしれない。それでいい。

 

DJは、その夜に流すすべての曲を最初から決めているわけではない。でも、行き当たりばったりでもない。普段から音源を集め、曲の背景やつながりを知っている。そのうえで、フロアの様子、お客さんの数、前のDJの選曲、自分のテンション。いくつもの変数を感じながら、その瞬間の一曲を選ぶ。

 

人生も、たぶん同じだ。起きてしまった出来事は変えられない。でも、今いる場所や、出会った人、そのときの自分によって、次に何をつなぐかは変わっていい。そして次の一曲がつながったとき、過去の一曲の聴こえ方まで変わることがある。

 

◾︎準備はする。でも、決め切らない。

目の前で起きていることに反応しながら、次の一曲を選んでいく。だから僕は、タモリさんの「人生に意味なんてない」という言葉に、もう少し困っていてもいいのだと思う。

 

人生には、最初から固定された意味なんてない。次の一曲は、まだ決まっていない。

≪終わり≫

 

 

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