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2歳の息子のしつこい夜泣きがピタッと止まった


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記事:春眠亭あくび(ライティング・ゼミ 平日コース)

「うわーん! うわーん!」
また始まった。
ここ数日、毎日だ。
2歳になる次男の夜泣きが止まらない。
深夜0時を過ぎたあたりから、頻繁に泣くようになる。
ただ泣くだけならまだいい。
次男は、とにかく寝言をはっきり言う。
「おかーしゃんのところいい! おかーしゃんがいい!」
寝る前の絵本タイムで、いつもの特等席である妻の膝の上を、長男に取られた夢を見ているのだろう。
「それぼくの! ぼくの!」
昼間、お菓子の食べ過ぎだと言われ、私にチョコレートを取られた夢を見ているのだろう。
そうやって大音声で泣かれ、そして叫ばれている訳だから、どうしたって大人は起きてしまう。
特に隣で寝ている妻の寝不足は限界に来ている。
すでにイライラがピークに達し、夜泣きの次男に対し、本気で「うるさい!」と怒っている。
どうしたものか。
時刻はまだ深夜2時。
次男の夜泣きはまだ止まらず、すでに20分が経過しようとしていた。

昔から、次男はとにかく眠りが浅かった。
生まれつきアレルギー体質なのか鼻がつまりやすく、少し風邪を引いたり、ちょっとホコリがまっただけですぐ鼻が詰まる。
鼻が詰まればいびきをかき、当然眠りが浅くなる。
そして寝苦しくて夜泣きをするというのがいつものパターンだ。
最近はそれに加えて、寝言が増えてきた。
使える言葉が増えてきたためだろう。
本やネットで調べれば、成長の過程で仕方の無いことだと書いてある。
でもこっちは死活問題だ。
毎日寝られない。
これは本当にたまったものではない。
それからというもの、私と妻は毎日、何かしらの改善策を講じることになる。

そもそも風邪を引くことで鼻が詰まるわけだから、風邪にならなければいい。
毎日ビタミンCの粉末を飲ませることにした。
だが次男は保育園に通っている。
保育園に行けば、ほぼ確実に風邪をもらってくる。
ビタミンCの粉末を少々飲んだところで、さほど効果はなかった。

鼻水を取ってやればいいとも考えた。
耳鼻科にあるような鼻の吸引器を購入して、毎日吸ってあげた。
しかし、次男の鼻の粘膜は非常に弱く、すこし吸うとすぐ鼻血が出る。
鼻血が出るとかさぶたになり、より鼻の通りが悪くなる。
こちらもさほど効果が無かった。

ふくらはぎを揉むといい、などと本に書いてあった。
ふくらはぎは全身の血流を循環させるのに重要な役割を担っている。
寝ているときに血流が正常に循環すれば、睡眠が深くなり、夜泣きも減るだろうという理屈だ。
早速試してみたが、次男はくすぐったいらしく、なかなか揉ませてくれなかった。

どれもいまいちで途方にくれた。
疲れた私と妻の様子を感じ取り、母が電話をしてくれた。
「最近元気なさそうだけど。どうしたの」
「実は次男の夜泣きがひどくてね」
一通り私たちの愚痴を聞いてくれた後、母はこんなことを話してくれた。
「あんたのお姉ちゃんの娘を子守してるときも、夜泣きがひどいときがあったのよ。そんなときは、ぎゅーって抱きしめてあげるようにしていたわ」
「それだけ?」
「そうよ。意外に子どもはそういうの感じるとるものなのよ」

半信半疑だった。
ハグだけで夜泣きが止まる?
というか、ハグなんてしなくても、息子たちへの愛情には自信があった。
たくさん遊んでいるし、笑いも絶えない。
「おとうしゃん、おかあしゃん、だいしゅき」なんていつも言ってくれている。
でもまあ、騙されたと思って、試してみようか。
私はその日、寝る前に次男を力強く抱きしめた。
次男はいやがりもせず、終始ニコニコ顔だった。

その夜、次男は夜泣きをしなかった。
朝起きて、妻と目を見合わせた。
そして、自然と笑いがこぼれた。
あの地獄のような日々は何だったのか。
たったこれだけなのだ。
たったハグ1回で、いとも簡単に問題が解決してしまった。
なんというか、私たちは子育てを少し難しく考えすぎていたのかもしれない。
しっかり愛情を伝えて、それを体で表現する。
たったこれだけで、子どもはすくすく育つのだ。

それからは毎日、息子たちを寝る前に抱きしめてあげることにしている。
長男は恥ずかしそうに「やめろよー」と言いながら、逃げずに抱きしめさせてくれる。
次男はキャッキャ言いながら、私を抱きしめ返してくれる。
次男の夜泣きの回数は明らかに減った。

こんなに効果があるのならと、試しに妻をハグしてみた。
「なに急に」
と言いながら、顔はまんざらでもなさそうだった。
その反応が長男と妙に似ていて、さすが親子だなと笑ってしまった。

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2019-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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