【映画】『クラウド・アトラス』《READING LIFE EXTRA》
僕は『フォレスト・ガンプ』が好きです。
『フォレスト・ガンプ』を観て、映画に関わりたいと思い、映画学科にいったという経緯がございました。
また、『マトリックス』シリーズの世界観が好きです。
今回の映画『クラウド・アトラス』はトム・ハンクスが主演で、『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟がメガホンをとり、脚本を書くということで、この条件だけで、観ない理由が見当たらなくなってしまい、仕事の合間に、「えいっ!!」と映画館に飛び込んでしまったわけでございます。
まずは、『グランド・ホテル』スタイルと言われる、様々なシーンや話の同時並行なために、何がなんだかわからなくて、ついていくのに必死になるかと思います。整合性やつながりの予兆を掴もうとしても、なかなか掴ませてくれずに、てんでばらばらに時代も主人公も違ったストーリーが進んでいくんですが、途中から、映画が流れるままに流れても、違和感を感じなくなります。不思議と、各シーンが、繋がっていないんだけれども、つながっていきます。
それぞれの物語が、結構作りこまれていて、ミステリーあり、アクションあり、BL的ラブストーリーありと実に濃厚。
特に、驚いたのは、ハル・ベリーの若々しさ、美しさ、存在感。
「あれ? ハル・ベリーってあの『チョコレート』のハル・ベリーだよね? まさか、年の離れた妹とかいるのかな?」
と、途中混乱してしまうくらい。
あと、ヒュー・グラントが要所でいい味を出していて、若き天才音楽家と老いた有名音楽家との関係性も、本当にひりひりして良くて、ギリギリライフを送っている編集者と老人たちの冒険活劇には爆笑してしまって、奴隷解放だの、原発問題だの、クローンだのと盛りだくさんで様々なことを考えさせられた映画でした。
クレジット・ロールのときに、立つお客さんが少なかったのは、その間に、何とか脳内で物語の整合性を自分なりに見出そうとした人が多かったからだろうと思います。
しかし、なんといっても、『クラウド・アトラス』というタイトルが美しい。
世界で最も美しいシンフォニー、けれども、ある理由からほとんどレコードで出回っていない名曲。
いや、やはり、深い映画だったなと改めて思うのです。
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