『カンブリア宮殿』LCCピーチ・アビエーション《READING LIFE EXTRA》
LCCとは「ローコストキャリア」、つまり格安航空会社のことでございます。
どんだけ安いかといえば、たとえば、韓国往復して7,000円台。往復して、です。
他社が苦戦する中で、ほとんど一人勝ちしているのが、全日空系のピーチ・アビエーションです。
その戦略が面白い。
「LCCを作ってアジアの顧客を掌握せよ!」
というミッションを受けた、CEO井上慎一さんは、アジアに出向いて徹底的に調べます。アジアから人を呼び込むために、アジアの視点でものを見ようと考えたのです。
それで気づいたのは、結構な金持ちでも、アジアの人たちは日本に来るときにエコノミークラスを使っている、ということ。
理由は、明快。
「アジアは近いんですね。近いので飛行機に高いお金を払うより、日本でいい旅館に泊まり、いい料理を食べたほうがいい」
そこで、井上さんは、LCC行ける!と確信しました。
ピーチが他と違っているのは、関西空港を使っていること。
関西空港だと、より、アジアに近くなり、たとえば、香港は4時間でいけます。成田からだと5時間近くなってしまう。LCCだと、やはり、座席が狭いので、長くは座ってはいられない。
また、関西空港だと、成田とかと違って、24時間発着できるので、決行が少なくなるんです。それなので、成田を拠点としていた他社が、決行が多くなって、客が離れている中で、ピーチはそうはなりませんでした。
更には井上さんが提唱する「電車戦略」。
電車のようにいつも飛行機を使ってもらえるようになれば、客数は確実に伸びるのではないか。
そこで打ち出したのが、韓国往復1万円以下プラン。
日帰りでいけるので、女性客に大人気になりました。
通常のLCCなら、男性客が7割なのに、ピーチはこういった戦略を駆使しして5割が女性客。今まで飛行機に乗っていなかった女性をも、お客様にしているんですね。
「創客」しているんです。
逆に、アジアのお客様も、和歌山に温泉に入るためだけにひょいと日本に来るようになっています。ガッチガチの海外旅行ではなくて、本当に「ちょっと日本まで」という感覚で来ているんですね。
つまり、このLCCによって、アジアの人の流れが、確実に活性化しているんです。
もしかして、LCCによって、アジアの交流も活発化して、ゆくゆくは政治的にも親密になっていくんじゃないでしょうか。
いやー、これはいいことです。
やっぱり、結局は人だな、アイデアだなと改めて思ったのでした。
今回も、勉強になりました。
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