『金持ちになる男、貧乏になる男』スティーブ・シーボルト著《READING LIFE》
もし、あなたが、「お金持ち」という言葉に対して、何らかの違和感を覚えるならば、絶対にこの本を読んでみた方がいい。
あなたの違和感の原因の悉くを、この本は解き明かしてくれる。
実際に、僕がそうだった。
以前から、僕は彼女さんに、
「たかのりくんは、お金がキライなんだよね」
と、見抜かれていた。
それに関しては、結構前に「みうらくん彼女さんの教え」でも書いているので、そちらを見て頂ければと思う。
僕が彼女さんに指摘されてきたことは、まさに、この本で指摘されていることである。
すなわち、僕は間違いなく「貧乏になる男」だったのだ。
多くの人は子どものころに、親や教師などの影響力のある人たちから「お金持ちはずるいことをしてお金を儲けている」と教えられて大人になった。これは、貧乏になる男がお金持ちになれない言い訳である。一方、お金持ちになる男は、財産が野心と気迫とビジョンによって築き上げらえると考えている。社会のどの階層にも、不正な手段でお金を稼ぐ人は存在するが、その割合は富裕層でも中間層でも同じである。
貧乏になる男は自己責任という考え方を嫌うので、成功者の批判をして自分のふがいなさをごまかそうとする。不幸なことに、彼らはその歪んだ価値観を子どもに伝えるから、世代を経るごとにその歪みが増幅していく。
確かにそうである。
もし、自分が貧乏で、子どもにその正当性を明らかにしなければならないとき、手っ取り早い方法は、お金を汚いものだと教え、お金持ちを悪者だとすることだ。
そうすると、その子どもが大人になったときに実に恐ろしいことになる。
貧乏になる男が大人になるころには、お金に関するマイナスの信念を叩き込まれて洗脳されているため、経済的に苦しい一生をほぼ確実に送ることになる。
そして、その子も、多くの場合、同じ一生を送ることになる。なぜなら、貧乏になる男に、金持ちになる方法は、決して教えることができないからだ。
ここまで読んできて、「自分も間違いなく貧乏になる男だ」と冷や汗をかいている人がいたとすれば、心配はご無用である。
この本こそが、救いとなるに違いない。
少なくとも、貧乏マインドから金持ちマインドになるための、きっかけになるだろうと思う。もっといえば、この本を読むことによって、「金持ち」という言葉に違和感を覚えなくなってくるだろうと思う。一種の「リハビリ」である。
また、読み進めるに従って、「金持ちになる男」を「成功する男」に、「貧乏になる男」を「成功できない男」に置き換えられることに気づくことだろう。
そう、この本は、単に表面的な経済面での豊かさについて説いているのではなく、もっと大きな意味での生き方について説いた本なのである。
貧乏になる男は子どものころから「冒険せずに無難に生きろ」と教え込まれている。(略)
金持ちになる男もそれと同じアドバイスを受けるが、何らかのきっかけでそれと正反対の考え方を身につけることが金持ちになる方法だと気づく。その結果、恐怖を乗り越えて財産を築くために積極果敢に挑戦する。保守的な生き方をする凡人たちが安全策をとって貯金を少しずつ増やしている間、金持ちになる男は間違った決定をし、お金を失って請求書の支払いに追われる。彼らは友人たちが小さくてもよい家を手に入れ、素敵なクルマに乗り、快適で幸せそうな生活をしているのを見る。親からは「頼むから安定した仕事に就いてくれ」と言われる。しかし、いったん財産を築く方法を発見すると、世界が豊かさにあふれていることを知り、もはや平凡な生活に満足しなくなる。しばらくは結果が出ずに苦しむが、ある日、少しずつ成果が表れて、やがて大きな収穫を得て周囲の人を驚かせる。突然、それまでの夢想家が億万長者になる。
まるで一夜で成功したように見えるかもしれないが、そこまでたどり着くまでに長い年月がかかっている。長期に及ぶ不断の努力がようやく実ったのだ。
この一文に触れて、震えるような感動を覚えるのは、おそらく僕だけではないだろう。
貧乏になる男だけではなく、金持ちになる男も、読んだ方がいい。きっと、今自分がやっていることを、この本は肯定してくれるだろうと思う。
そういう意味において、この本を読まない理由は見当たらないのである。
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