『もっと自由に働きたい』家入一真著/『自分の強みをつくる』伊藤春香(はあちゅう)著《READING LIFE》
ディスカヴァー21の編集者、徳瑠里香の名前はぜひ、覚えておいてもらいたい。
今か10年先かはわからないが、必ず、業界を驚かせることになるだろうと思う。
ある同僚の方は、彼女のことをこう言う。
「パソコンにはWindowsなどのOSがあるでしょ。徳さんは、搭載されているOSがとてつもなく優れているんだよ。だから、営業やっても編集をやっても、こなしてしまって他の人以上に成果をあげるんだよ」
実は、僕は去年、徳さんと毎週のように勉強会をしていた。
どうやったら、いい本が作れるのか。どうやったら、より多くの読者の手元に届けることができるのか、何時間も真剣に話したのを、今ではちょっと懐かしく思う。
その当時、僕はまだとある書店にいて、書店にいながら編集協力などをさせてもらっていたのだが、サンシャインのスタバで僕は毎朝朝活をしていて、週に一度ほど、徳さんが合流して一緒に様々考えた。
そこで話していたことが、天狼院のコンセプトになったり、CORE1000に踏襲されたりした。
徳さんは勉強熱心で、しかも行動力も図抜けてある。会いたい人にはすぐに会いに行き、自分が吸収したいことはしっかりと吸収する。
たしかに、優れたOS を持っているのだ。
そんないつもの勉強会のある日、徳さんがこう言っていたのを覚えている。
「今の私にしか作れない本があると思うんです。入社してまもなくの、若い人たちに向けた本を作りたいと思ってるんです」
その理想が、実現することとなる。
干場社長が、新しいプロジェクトとしてそれを即決したのである。
こうして生まれたのが、まさに若い年代の読者を対象とした、「U25サバイバルマニュアルシリーズ」である。
それが、この度、創刊となった。
家入一真さんの『もっと自由に働きたい』とはあちゅうさんの『自分の強みをつくる』の二冊が、同時に刊行された。
読ませてもらったが、たしかに、この感性、若い徳さんにしか作れない本である。今の「働き方」というトレンドを踏まえつつ、男性用と女性用で1冊ずつとバランスも取れている。
家入さんが独立志向なのに対して、はあちゅうさんの方では会社が好きだとしている。
ふたりの過去は、それほど華やかなものではなかったと書くことによって、しっかりと読者の共感を呼べるようにもなっている。
装丁も、中の作りも斬新で、若者なら手に取りたくなるだろうと思う。
実にポップで読みやすい文体だが、ちゃんと考えぬかれて作られているのだ。
ぜひ、手にとって、読んでみてほしいと思う。
そして、著者はもちろんのこと、この本を編集した、徳さんのポテンシャルを感じて欲しいと思う。
そういった、新しい才能たちが、この業界を支えるのだ。
*ぜひ、お近くの書店でお買い求めください。
写真は「U25サバイバルマニュアル」のFacebookページから拝借しました。