重要なことはジョブズは死んでベゾスは生きているということ。/週刊東洋経済11月3日号「アップルはいつまで特別か」《READING LIFE》
これは、ぜひ、前に発売された、週刊ダイヤモンドと一緒にみてもらいたいと思います。
天狼院でも以前、記事を書いてますので、参考までに。
『週刊ダイヤモンド特大号 日本を呑み込むAppleの正体』《READING LIFE》
Appleの特集の前に、まずは気になるのはAmazonのCEO、ジェフ・ベゾスの巻頭インタビュー。
「”買う”時でなく、”使う”時に稼ぐのがキンドルだ」
この記事にこんな記述がございます。
すでにキンドルが販売されている地域のデータでは、キンドルが発売された翌年、読書量は4倍に伸びた。読者はキンドルで電子書籍を買っても、さらに紙の本を買い続けている。
これが本当なら、キンドルは書店にとって、脅威どころか、強い味方になってくれるということになりますが、まあ、ちょっと推移をみなければならないでしょうね。ぜひ、この記事もチェックしてください。
それで、アップルの特集ですが、これを読んでみての感想ですが、アップルの優位性はそれほど長くは続かないのではないかと思いました。
まず、僕はiPad miniの発売がどうしても解せない。
ジョブズが戻ってきたから、アップル製品は機種を絞ったのがよかったんだと思います。
これを、様々なラインを増やしていくとなれば、日本企業が陥っている「スペック主義」に退行してしまうのではないでしょうか。
感性にダイレクトに訴えかけて消費者に「欲しい!」とさせるのではなく、これこれこういう機能なんで買ったほうがいいんではないでしょうか、と論理的に訴えるのが「スペック主義」。
正直言って、iPhone5は、行き着いた感が否めないんですよね、実際に使ってみて。本当に使いやすいんです。
それにMacBook Airも使っているんですが、あまりに完璧なんです。OSのマウンテンライオンになって、iCloudがかなり進化していて本気で使いやすく、iPhone、iPad、MacBook Airというデバイスとマウンテンライオン、iCloudのソフトを合わせたパッケージが完璧すぎて、もうこれ以上買い足す必要はないと思ってしまっています。
時価総額が今最強なのは、やっぱり、多分にジョブズの影響によるものだろうと思うし、これから、下り坂に向かうのは明白なような気がします。
三国志的にいえば、「死せる孔明生ける仲達を走らす」的なことが高い株価を支えているのだと思います。きっと、長くは続かない。
もしかして、我々は今、アップルの最盛期、坂道の頂上を見ているのかも知れません。
そうであれば、今、ちょっと元気のない日本の企業にもチャンスがあるはずですが、今のままの体制ではちょっと苦しいような気がする。だからといってサムスンかと言えば、これもインパクトに欠ける。
様々な変革を促すのは、今後は、Amazonのジェフ・ベゾスなのではないかと僕はぼんやりと思っています。
やはり、ジョブズはいなくなってしまった。アップルにジョブズはいないんです。
でも、それに対抗できる天才、ジェフ・ベゾスは生きている。
ここが重要なポイントなのではないかと思うのです。
おそらく、日本でも、キンドルは旋風を巻き起こすことでしょう。でもきっと、Amazonの侵攻はそれにとどまらないだろうと思います。
もう一度、言います。
重要なことは、ジョブズは死んで、ベゾスはまだ生きているということ。
これから先、Amazonのジェフ・ベゾスの戦略が、世界をリードしていく時代が始まるのではないでしょうか。
とにかく、今回の『週刊東洋経済』を買って読んでいただき、皆さんにも考えていただきたいと思います。
*ぜひ、お近くの書店でお買い求めください。
こちらもぜひチェックしてみてください。
→『ワンクリック ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛』《READING LIFE》