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忘れても、もう一度出会える


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:野村光恵(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「人生でいったいどれほど、自分の表現や、創り出したもので人の心を動かすことができるだろう……」
 
そんなことを感じたのは久しぶりだった。
 
半年ぶりのミュージシャンのライブ。
最後の曲を聴きながら、胸のあたりが熱くなって涙が流れた。
5、6分の曲の世界の中にぎゅっと詰まったストーリー。
そこに、自然と映像が浮かんできた……。
自分の経験が重なって脳内で再生されていった。
大切な気づきが得られる体験を創り出せる人を尊敬する。
こうした豊かな体験ができることがすごく嬉しかった。
 
そして、何よりも
「私も自分の表現をしたい」
と思えた瞬間だった。
 
それは、大それたことじゃなくたって良くって。
自分が感じたこと、大切に思うことそれを描こうと思えた。
 
毎日はとても忙しく、日々やることが目の前に山積みになっている。
そうやって、常に考えながら過ごしていると、感じることを忘れていってしまう。
 
さらに、誰かに評価されるためのことを考えたり、失敗しないように何かをしようとすることに慣れすぎてしまっていた。
 
だけど、自分の中に確かにある想い。
それをこの世界に表現しないままは、つまらない。
忘れてしまうけど、いつも立ち止まって向き合うときに感じられる。
 
私は小学生の頃から、毎日のように絵を描いていた。
いつも描きたいと思うものがあった。
それは、自由に描いていたもので、誰かに見せるためのものでもなかった。
 
大人になるにつれて、だんだん描くことがなくなっていった。
久しぶりに描いても、自分の絵にがっかりする。
やがて、すっかり描くこともしなくなっていっていた……。
 
それは、まるで昔の友達に会えなくなったみたいに、寂しさが残っていた。
だけど、生きていく上で何の支障もないことだったのだ。
 
それが、ほんの数週間前のこと。
facebook投稿を見ていたらiPad Proを使ったイラストに目が釘付けになってしまった。
 
頭の中では
「どうせ買ったって、描く時間なんてないよ」
「今、描いたって上手なわけない」
「買っても使わなかったらもったいない」
たくさん、自分を止める声が聞こえてきた。
 
もし描きたいなら、またペンと紙から始めてもいい。
それでも、iPad Proで描かれたあの絵にひかれた。
 
そして、私はやっぱりまた絵を描きたいんだって思い出させてくれた。
 
それから、iPad Proを注文し、到着する日をカレンダーに書き込む。
すごくワクワクしながら、手元に届くのを心待ちにしていた。
 
やっと届いたiPad Pro。
早速、イラストを描こうとするけど……アプリを全然使いこなせない。
とうてい使いこなせるようにならないのではないかと思えるほど難しく感じた。
だけど、やりたいことを調べながら、徐々に慣れていった。
 
iPad Proを購入してから、数日後に長野へ旅行に行った。
大自然の中を観光し、宿には温泉が付いているところにしたにも関わらず、部屋でイラストに没頭する自分に驚いた。
 
好きなことだったら自然と夢中になれる。
子どもの頃もそうだった。
そうやって夢中になっている時が、いちばん上達していく。
心のままに、やりたいときにやろうと思えた。
 
ようやくイメージに近いものが描けた。
それを仕事の素材として使いたくて、クライアントさんに送った。
あえて、私が描いたとは言わなかった。
返信を待つ間は、すごく緊張した。
 
すぐに電話で連絡が来た。
 
とても好評で、このイラストを入れて動画を創りたいと話してくださった。
すごく安心して、実は私が描いたと伝えたら、ものすごく驚かれたが、実を言えば私も驚いている。
 
ずっと描いていなかったのに……。
子どもの頃に夢中になっていたことが、今の仕事に役立てることが出来るという現実。
 
本当は学生時代にもよく褒められていたし、中学時代の美術の先生からは仕事にしたほうが良いと言われて「そんなに甘いものではないよね」と、私の方から言った。
もちろん、その時はその選択で間違っていなかった。
 
だけど、かつて夢中になったことが、こうやってまた活かせる。
そのために必要な能力は、すでに備わっていることが確認できることは喜びだった。
 
これから創り出していくものに、私自身の中に生まれたイメージもカタチにしていくためにイラストも使えことで、出来ることの可能性が広がっていくことがありがたい。
 
今までやらないでいたことをまたやってみようと思えるキッカケをくれる作品や存在に出会えることに感謝。ずっと会えていなかった私の大切な部分に再会できた。
 
そして、私もそっと誰かの心を動かせるものをこれから創っていきたい。
 
 
 
 
***
 
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2019-10-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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