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メディアグランプリ

発想のコペルニクス的転換!? 3万円で書斎をゲット


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:伊藤 千里(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「3万円で書斎が手に入ってしまった」
32歳で、ただの零細な公務員の私でも書斎を手に入れてしまった…
 
先日、読書をするために近所のカフェに行った。
初めて入った店だが、年配のマスターが優しくて、店内に流れている曲やインテリアのセンスもいいし、落ち着いた雰囲気が仕事をするには理想的だった。
コーヒーも美味しくて、カップもソーサーもステキだし、それでいて、価格も手頃だ。フードメニューがトーストかハムチーズトーストの二択だというところだけが少し気にはなるが、それを差し引いても星4つはくだらない。
 
お客さんも少ないし、とても静かなところなので、今後、仕事や読書をするときに利用しようかな……と目をつけてはじめたところだった。
しかし、その期待は、常連とみられる年配の男性が入店してきた瞬間に打ち砕かれた。
 
その常連客の男性はとても大きな声で、マスターと話を始めたのだ。オリンピックの開催場所がどーのこーのという話だった。
 
店内に流れていた、静かで落ち着いた雰囲気は一瞬にして打ち砕かれた。
ああ、ダメだ。集中できなくなってしまった。
 
でも、私には文句をいう権利はもちろんない。
そりゃそうだ、だってここはカフェだもの。誰でも入ってきていいところだ。
静かに仕事や読書がしたい私みたいな人が来てもいいし、でかい声でマスターとおしゃべりしたい近所のおじさんだって来てもいい。
 
だから、私に「集中できないから静かにして」という権利はない。
 
そもそも、カフェに行く目的は家の中だと集中できないからだ。ちなみに、テレビやゲームは10年前にきっぱり所有を放棄したので、集中できない理由はそれではない。
 
家の中で最強に集中力を散らしてくる最大の敵、それは「家事」だ。
一人暮らしのうちの間取りは1Kなのだが、1Kのよくないところは家事がすべて目と手の届くところにあるということだ。
 
さて、仕事しよう! と思っても、とにかく「家事」が目についてしまう。
 
あ! 洗濯物たたまなきゃ
あ! 食器洗わなきゃ
あ! 明日の弁当のおかずの下ごしらえしないと
 
別に今やらなくてもいいのだけれど、「家事」の野郎が出現すると、性格上どうしても「たたかう」処理をしないと気が済まない。
仕事や読書の手をとめて、結局、「家事」の相手をしてしまう。
 
だから、「家事」から逃げるため、家外逃亡してカフェにいくのだが、先日のようにカフェに行ってもまわりの音が気になって、集中できないときがある。
よく音楽を聴きながら勉強できるという人がいるが、私にはそれができない。まわりに音や話し声があると、それが私には「文字」に見えてしまう。自分が読んでいる本や仕事の資料に、「他の文字」が割り込んできて、集中できなくなってしまうのだ。
 
ああ、私はどこに行ったら集中できるだろう。まるで、集中できる場所を求めてさまよう難民のようだ。私を集中力確保場所難民に認定してやろう。
 
カフェもだめ、家もだめ。そうなったらもう「書斎」しかない。
集中できる場所として「書斎」が欲しい。
 
そこに置いてあるのは、机と椅子とコーヒーメーカーと小さな冷蔵庫だけ。本棚も置かないで、書斎に入るときに必要なものだけを持って行くことにする。
必要なとき以外はスマホなど、外部と通信できるものは持ち込み禁止。
仕事を頑張ったご褒美のケーキは、予めデパートで買ってきて書斎の小さな冷蔵庫に入れておく。
 
そんな書斎があったら、仕事でも、勉強でも、読書でも、それだけに没頭できる。そんな「精神と時の部屋」みたいな空間なら、1時間で2日分くらいの作業ができてしまうだろう。
 
狭くたっていい。
ただ、私を「家事」と「他の文字」から隔離してくれさえすれば。
 
しかし、だ。
 
零細公務員の私には書斎のある家に引越すお金もなければ、たとえ引っ越せたとしても維持費で生活がままならなくなるだろう。
私ごときに書斎なんて夢のまた夢……諦めるしかない。
 
……と思ったその時、友達がお告げをくれた。
 
「アクティブノイズキャンセリング付きのイヤホンを使ったら?」
 
アクティブノイズキャンセリングとは、ノイズに対して“積極的に”逆相の音を生成し、それをぶつけることで音を消してしまう技術……要は、「超高性能な電子的耳栓」を実現する技術だ。
 
イヤホンって音楽を聴くためにあると思っていた。まさか、高性能な耳栓として使えるとは……コペルニクス的発想の転換!!
その耳栓を持ってカフェに行けば、移動式の書斎ができあがる。いろんなカフェを勝手に書斎化できるので、毎回違う雰囲気を楽しめて、フードもドリンクもバリエーション豊か。維持費は飲食代のみ。
 
これを手に入れれば……私の「書斎」が完成する……
 
AppleのAirPods Pro、SONYのWF-1000XM3など…アクティブノイズキャンセリング機能付きのイヤホンは多数販売されている。私はお店でそれらの「超高性能な電子的耳栓」を、店員さんに迷惑な顔をされるくらいにお試しした。
 
周囲の音をどのくらい消音できるのか、実際の付けごごちはどうかなど、とにかく徹底的にこだわった。なんたって、これで「書斎」が手に入るのだから。
 
耳栓なんて、数百円で売っているゴム製のもので十分だと思われるかもしれないが、実際に「超高性能な電子的耳栓」を体感してしまうと、それはゴムの耳栓の性能(と値段)を遥かに凌駕しており、その魅力には抗えない。
 
いろいろ試した結果、私は約3万円のものを購入した。
それから、一週間ほど使っているが、それは騒がしいカフェを書斎化するのに充分な性能を発揮してくれている。
 
こうして、私は約3万円で書斎を手に入れた。
 
「集中できる場所がない」と嘆いている、そこのあなた。
アクティブノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを手に入れたら、あなたの好きな場所が「書斎」に早変わりしますよ!!
 
 
 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-11-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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