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メディアグランプリ

【子育ては鳥の目で】


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ちえこ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
長女が結婚した。子育ては一区切り、ひとまず「できの悪いママ」は卒業だ。娘が出て行ってガランと少し寂しい部屋……。
「ちあきの部屋、ママの趣味部屋にしてもいい?」とLINEで聞いてみた。
「うん、いいよー、古い本とかノートとか、適当に処分しちゃっていいから!」
やった!これでリビングじゃなくて、自分専用の場所ができる!嬉々として片付けていたら、娘が高校生の時に書いたらしい紙の切れ端が出てきた。
 
「いつ: 先週家に帰るのが遅くなったとき
どこで: 家のリビング
誰に: 両親に
どうした: 厳しく叱られた
どう感じたか: 遅くなった事情を説明したけれど、結局最終的にお前が悪いと言われ、一方的に叱られた。話が通じないんだなぁと思った」
 
私の気持ちは、あっという間に娘が中高生だった頃に戻っていた。ほとんど誰もが通る、青春の反抗期の一幕だ。こんなものが残っていたのかと思わず吹き出してしまった。
学校でカウンセリングでも受けたのだろうか。今となってはわからないけれど、当時本人はきっとすごく悩んでいたのだろう。
私も今でこそ笑っていられるが、娘の言動には困り果てていた。娘は、小学校ではいじめにあい、中学でも親しい友だちができず、高校大学と長いこと反抗ばかりしていた。小さな頃から神経質で気難しいところがあった。私達親としても、初めの子供でしっかり育てなきゃ!と力みがあったと思う。自分なりに一生懸命だったけれど、あまりよい母親ではなかったかもしれない。
 
30年近く娘と接してきて、学んだことは、「子育てには鳥の目が必要」ということだ。
空を飛ぶ鳥が地上を見渡すように、時に高く遠い所から子供のことを見守ることは、親子の関係に気持ちの上でのゆとりを作ってくれる。特に子供達がお年頃になったら、物理的にも少し離れた方がらくだ。
いつも近くにいて、キャンキャン言ってくる親の言葉よりも、部活のコーチやたまに会う親戚のおじちゃんやおばちゃんの言う事の方がすとんと腹落ちしたりする。親と同じこと言っているはずなのに。自分の思春期の頃を思い出せば、自分だって同じだった。
 
一緒に住んでいると、いい意味であきらめることも、距離を置くことも難しい。結局距離を置くことを決めたのは社会人になった娘の方だった。「まだ給料もそんなにもらっていないのに、大丈夫なの?」と心配もあった。それでも彼女の一人暮らしの決断を、私は受け入れることにした。心のどこかに少しホッとした部分もあった。そのおかげで、私も夫も娘を心理的にも物理的にも遠くから見ることができるようになった。娘の方も一人になって暮らしてみると、今までうるさかった親の存在の意味が少しずつわかるようになったようだった。
 
これを読んでいる方は、「何をそんな当たり前のことを……」と思われるかもしれない。でも他人に対しては当たり前にできることが、子供のこととなるとなかなか難しい。自分も思春期に親に反抗する期間があったが、親は「親の気持ちは親になればわかるさ」ととりあってもくれなかった。当たり前すぎて無性に腹が立ったけれど、やはり自分が親になったらよくわかった。冷静になれずつい声が高くなってしまう。
娘の一人暮らしを後押ししたとき、私の両親や親戚からは、「女の子なのに危ないよ」とか「自宅にいれば余計なお金がかからないのに」とチクリと言われたが、娘の自立のために必要だったと自信を持って言える。必要なのは、子供をとことん信じ抜き、遠くからでもいつも見守る覚悟だ。
 
思春期の子供達に振り回される日々は厳しい。でも、時々何が一番今のその子に必要なのか、鳥の目で高く遠くから見渡して見てあげてほしい。親戚や世間の目もお金の問題も気にする必要などない。親から距離をおくか、子供の方が巣立っていくか、家庭それぞれの形があると思うが、そのチャンスだけは生かしてほしいと伝えたい。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-11-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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