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国家公務員の辞め方(天下りできない人専用)


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:きゅべる(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
私は今まで国家公務員とアルバイトしかやったことがない。
 
年代順に並べると、「国家公務員①→アルバイト(スタバ)→国家公務員②」というかなり変わったキャリアを歩んできた。
それが、このたび、何の因果か、天命か、はたまた、破滅への入り口か? 普通の民間企業に転職することにしてしまった。
 
現在、辞職の手続き真っ最中であるが、国家公務員を辞職(退職)するのはこれで2回目だ。ここいらで、国家公務員の辞め方をまとめてみようと思う。
 
ちょっと調べたら、民間の会社って「退職したい」って言ってから最短2週間で退職できるらしい。労働基準法で「退職する権利」が認められているからそうなるのだが、公務員の私から言わせてもらうとうらやましすぎる。
 
なぜなら公務員に、この「退職する権利」は保証されてない。
 
公務員の任免は、任命権者の行政行為によって変動する。
……ってわかりにくいので、ざっくりいうと、私の「辞めます」は、ただの「決意表明」にすぎない。その決意表明を人事権を持っている超偉い公務員が受け取って、最終的に「辞職を承認する」と、ご丁寧に「承認」してくれないと私は辞職できないのだ。
 
要するに、私の生殺与奪の権はこの超偉い公務員に握られている。
自分の生死(というか雇われる、辞める)さえ、自分の自由にできない。
とかく公務員の世界は生きにくい。
 
そして、公務員は定年後の再就職や在職中の転職活動についても規制がある。
いわゆる「天下り」や「利害関係企業との癒着」を防止するためだ。
 
これについては、2年くらい前にかなり規制が厳しくなった。
数年前にありましたよね、文科省の天下り問題が……
 
規制の内容はこのようなラインナップでお送りしております。
 
① まだ働いている時に、就職活動禁止。
ただし、事前に届け出をして承認を受けた場合、在職中に就職活動してもOK
 
② 辞めてから2年以内に再就職したときは、総理大臣に届け出が必要
 
この規制で天下り問題は抜本的に解決されたらしいけれど……
 
ねぇ、知ってる?
この規制を作ったのって「将来、天下りしたい人々」なんだよ。
 
①については、「承認を取らなくてはいけない」が、②については、「届け出」で済ませてしまえるところがミソである。
 
①の承認を取るのは、許可される基準が厳しく、けっこうめんどくさい。
そこで、天下りできるような超偉い国家公務員は、2020年3月に定年を控えている場合、2019年の12月に辞職する。
その後3ヶ月沈黙を守って、2020年4月に再就職し、②にしたがって「てへ……再就職しちゃいました〜」と届け出れば良いわけだ。
しかも、12月に辞職するので最後のボーナスももらえてしまうのだ。
 
あったまいい〜!!さすが、天下りできるような偉い国家公務員はレヴェルが違う。
 
ちなみに、この規制が適用されるのは、天下りできるくらい偉い国家公務員のみである。
というわけで、私自身は、
「私、天下りできるほど偉くないので!!(大門未知子風)」関係ありませんけれど。
 
そんなペーぺーの国家公務員から民間企業に転職しようとしている私がやらなくてはならないのは、「届出」のみ。
 
「いついつから転職活動はじめました、いついつ内定もらいました、どこどこに就職します」などを所定の形式によって届け出れば形式的な手続きは終了で、あとは超偉い人が「辞職を承認」してくれるのを待つのみである。
 
だが、この「超偉い人」がめっちゃ手強い。
 
公務員で超偉くなるような人は「火消し名人」なのである。
 
言ってみたら「事なかれ主義の親玉」なのだけれど、とにかく火消しが超うまい人しか偉くなれない。
それから、公務員を続けるためには、多少なりとも火消しの才能が必要である。
 
何か不正や事件が発生すると、「○○の対策しました!」とアピールする。その○○が抜本的な対策になっているかはともかく、○○をとにかく迅速に打ち出して、事態の火消しをするのが超絶うまいのだ。
 
だから今回も超偉い人が、私の「民間へ転職する火」を消しにきた。
 
私のことを心配しているとか、転職先の会社の評判がどうのこうのとか言って、翻意させようとしてきた。
 
こうして何回も超偉い人から呼ばれたが、私は翻意しなかった。
 
だって私、もう「火消し名人」目指すのやめましたから。
自分の適性が、「火消し」ではなく「火付け」だと気が付きましたので。
転職先でできることが、すごくワクワクする火付け作業なので。
きっと今の勤務より厳しいだろうけど、私はそのワクワクする火付けをしたいので。
今の仕事は誇りもやりがいも持てて大好きだけど、もう火付けへのワクワクがとめられないので。
 
天下の「火消し名人」も私の火は消せなかった。
 
そして、「火消し名人」も最終的に理解してくれたのだろう、先日、例の届出を書くようにとその様式を送ってきてくれた。
今後は、私が書いた届出を「火消し名人」が、さらに「火消し名人の親玉」に送り、その親玉が承認してくれたら私は辞職できるというわけだ。
 
というわけで、まだ道は長い……「国家公務員の辞め方」はまだ完結にいたらない。
 
ふと、「火消し名人」から送られてきた届出の様式を見ると、2年前に規制が強化される以前に使われていたものだった。
 
おのれ、この後に及んで、まだ火消ししようとしてくるか……
(だぶん、単純なミス)
 
火消し名人との戦いは続く
でも、私は諦めない!!!
 
「火付け名人に、私はなる!!」
 
 
 
 
***
 
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2019-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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