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メディカルサポーター

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記事:寺田 昌代(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
昨年のワールドカップは地味なラグビーというスポーツをずっと愛し、支えてきた者にとっては夢のような出来事であり、素晴らしい思い出を残し終了した。
 
今から30年前、地元の社会人チームのマネージャーになった。
当時そのチームのキャプテンと仕事の関係で知り合う事となり、スカウトされた。
スカウトというと聞こえはいいが、要は押しの強さに負けたのである。
 
「来週試合があるから、1回見に来いよ」
 
試合後、私はお金を渡され自販機にお茶を買いに走り、練習(その試合は負けたので試合の後練習があった)の際のボール出しをさせられ(ボールに触ったのはそれが初めて)なんとなく釈然としない状況のうちにマネージャーになってしまっていたのである。
 
そんな感じでマネージャーになってしまったので、ラグビーというスポーツが何人でやるのか、どうやったら点数が入り勝負が決まるのかなんて事は全く知らない。
しかもチームの人もそのキャプテン以外は初めましての人ばかり。
 
が、面白かったのだ。
始めて目にしたラグビーというスポーツが。
何も知らずに見たラグビーが面白かった。
 
そしてマネージャーとしてチームの一員となった
 
マネージャーと言っても何をしたらいいのか全くわからず、前任者もおらず、ただ練習場にお茶を持って行き、練習が終わるのをずっと見ていた。
しばらくしてメディカルサポーターという役目をもらった。
 
メディカルサポーターというのは試合中にけが人が出たりした場合に、グラウンド内に入り、選手に処置をする人のことである。
本来試合中は選手、レフリー以外は監督、コーチであってもグラウンド内には入れない。
しかし、メディカルサポーターはレフリーの断りを得ずとも、倒れて起き上がらない人がいたり、出血をしている人がいると入れるのである。
スゴイ人なのである。
ちょっと気持ちいいのである。
お茶を持って行くだけのマネージャーを卒業した。
チームに必要な人になった気持ちだった。
 
本を見ながらテーピングの練習をした。
試合中出血やケガをした選手がいるとグラウンドの中で処置をしなければならず
ケガの事や止血の仕方、打撲、捻挫の応急処置の方法も勉強した。
 
試合中にケガをすると、状態によってはそのまま病院へという事もある。
病院への付き添いもマネージャーの仕事だ。
創傷などで縫合する場合はまぁいいとして、問題は骨折や靭帯の損傷だ。
アキレス腱はよく切れる。
こんな場合は病院で選手の家族と対面することになる。まぁ多くは奥さんになるのだが。
これが気まずい。
大抵の場合ラグビーをすることを歓迎されてはいない。
家族の気持ちとしてはわかる。
いい大人が趣味のスポーツで大けがをし、明日からの仕事にも影響する状態なのだ。
本人のせいで起こったケガじゃないにしても、家族にしてみればそんなことは関係がない。
そんな時は一緒に頭を下げる。私が頭を下げても何になるわけでもないが、下げずにはいられない。
これもマネージャーの仕事だと思って。
 
試合回数はめっきり減ったが、今も行ける時はマネージャーとして帯同する。
現役選手(20代から30代)のチームはなくなったので、オールドのチーム(40代以上上限なし)になってしまったが。
 
毎年全国大会が長野県の菅平であり、全国のおっさんラガーマンが一堂に会す。
パンツの色(あたりまえだが下着ではない)で年齢が判断できるようになっている。
40代は白、50代は紺、60代は赤、70代は黄色、80代は紫、90代は金。
90代の色があるのだから当然金色のパンツでプレーしている人がいるわけで、実際に2度ほどお見かけしたことがある。
その方のいるチームのマネージャーさんの気持ちを察する。
 
すでに今年も大学ラグビーが始まり、全国高校ラグビーの開催や来年1月からトップリーグの開催が予定されているが、昨年のワールドカップでありがたいことに、ラグビーに関心を持ってくれる方が増え、今まで試合を見なかった人も見る機会があるのではないかと思う。
選手やボールの動きはもちろん見なければならないが、もし、ケガをした選手や出血した選手が出たら、その選手のもとへ走っていくメディカルにも注目していただきたい。
人の不幸に注目するなんてとも思うが。
トップチームとなればマネージャーがメディカルを兼任している事はなく、専門の人がいて「M」と書かれたビブスを着用しているのでわかりやすいと思う。(ちなみに「W」と書かれたビブスを着ている人はドリンクや水を運ぶ人だ。)
 
ゲーム以外にも見るところが増えるともっと面白く見てもらえるかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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