メディアグランプリ

私はおバカちゃんである。

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:園部 彩里(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
あなたには忘れられない言葉があるだろうか。
「“やっぱり”おバカちゃんだな~」
「悪口が人間関係を構築する」
「アホなふりして飛び込みまくれ」
「今日より若い日はない」
 
ぱっと思いつく、常に私にまとわりつく言葉たちだ。
あなたにも、今この瞬間刺さったかもしれない。
 
誰しも誰かの言葉で悩んだことがあると思うのだが、どうだろうか。
逆に言葉で傷つけてしまった事もあると思う。
そして言葉で前向きになれ、元気をもらう。
 
私は何度もある。
 
言葉は生きている。そう思う。
誰かの口から放たれ、自分に刺さる。それが急所であるほど、チクチクと都度攻撃してくる。
言葉に蝕まれ、(悪性腫瘍のように)
言葉に救われる。(薬のように)
 
ただ、今日はそんな変幻自在な「言葉の魅力」を伝えるのが趣旨ではない。
 
私が言葉によって傷ついた話だ。
 
学生時代の話ではない。
24歳、社会人3年目、独身女性の現在で、だ。
 
私は昔から言葉の捉え方に関しては自負している。
見た目の侮辱もいじりと捉えて返す。人より耐性がある。
高校生のあだ名は「ゴリラ」だった。
いつもこのエピソードを話すと驚かれるが、自己紹介の時に笑い話として盛り上がるので、自慢の過去だ。
そもそもそこには愛(思いやり)を感じていた。
 
こんな私が“ある言葉”に出会い、傷ついた。
24歳にして、社会人3年目にして、御札のように自分に張り付いたその言葉を思い出すと、胸騒ぎがする。
皆さんも経験あるだろうか?
 
「“やっぱり”おバカちゃんだな~」
 
これは冒頭で食い気味に登場してきた言葉だ。
同じ職場の尊敬する大先輩に都度言われる言葉だ。
 
最初は皮肉交じりと捉えていた。
冗談半分で聞き流したり、気にも留めてなかった。
しかし、3日に1回ぐらいのペースで言われるようになり、違和感を覚える。
(3日に1回も馬鹿な事をしているのは、棚に置いてほしい。)
 
24歳にして大人気ないが、正直むかついた。
“やっぱり”が特に。あと“ちゃん”も。
 
ここで自分にもちゃんとしたプライドがある事に気づく。
(皆さんも譲れないプライドが一つや二つあると思うので、この惨めな感情をご理解いただきたい)
 
言われるたびに葛藤する。
 
大先輩が普通に出来るレベルが、私には難しい。
社会人3年目ではあるが、一貫して理解できている事と、点でしか理解していない事がある。
そのこと自体が、大先輩にとっては非常識、理解不能なのだ。
 
私はだんだんこの言葉に蝕まれ、「本当におバカちゃんだな~」と自分でも思うようになり……。
肌が荒れた。
 
これは私にとっては、一大事だ。
敏感肌にカテゴライズされるほど肌は弱くないはずだ。
しかし、皮膚科に行くほど荒れたのだ。ショックだった。
思った以上にストレスを感じている自分のサインだった。
 
非常にむかついたので、歯を食いしばって、「バカだな」と思いながら完璧にこなせるように努力はしようと試みた。
それでも「おバカちゃん」なので失敗するのだ。
社内のメールを社外の人に送ってしまったり、同じミスは3回程繰り返す。
たまに褒められて嬉しくなって、すぐミスをする。(ポンコツ具合は大目に見てほしい)
 
それから「バカなので出来ない」
こんな前置きを自然とつけてしまうようになった。
自尊心は皆無になるが、自ら低く見積もっておけば、少々の出来でも褒められる。
そして何事にも自信が持てなくなった。
「どうせ出来ないだろう」がまとわりつく。
 
誰が私を「おバカちゃん」と定義したのだろう。
 
ちょうどそんな時に、あるお笑い芸人のラジオを聞いた。
「SNSで勝手に別の自分が形成されていく。そのイメージに沿って行動するのが疲れた」
 
ハッとした。
 
確かに大先輩にとっては、おバカちゃんな存在かもしれない。
しかし、自分で「おバカちゃん」になる必要はない。
 
自分の性格は他人に評価されるものではない。
元気と言われるからって、毎日元気に生きなくていい。
落ち込んで苦しい姿を見せてもいいのだ。
他人に形作られる人生を歩みたくない。私の人生だ。
 
そう気持ちの整理がついた日、気づけば缶ビールが3本開いていた。
ストレス解放記念日だ。
芸人に感謝する。
 
自分にとっての常識が、他人にとっては常識じゃなかったりする。
夜の歯磨きはお風呂でする等。(これは私の日常における常識だ。)
 
そしてその日から「“やっぱり”おバカちゃんだな~」は、私を飛躍させてくれる言葉になった。Mではない。
 
この言葉は実は今でも3日に1回食らうが、自分が出来ないかを考えるきっかけになっている。
その大先輩についていけるように、日々学んでいる。
 
おかげで前日比130%ぐらい(自己評価)で成長させてもらっている。
大先輩、ありがとうございます。
 
でも、やっぱりたまに悔しくて嫌になる。
そんなおバカちゃんな自分とこれからも向き合っていきたい。
 
 
 
 
***

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2020-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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