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通知表は明るい未来の道しるべ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:後藤 修 (ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「今学期、成績どうだった?良かった?」
小学校の時に、親のこんなセリフを聞き、一喜一憂しながら通知表を見せた方は多いのではないだろうか?
 
通知表はあなたにとってどんなものだっただろうか?
‘親にみせたくないもの’とか‘親にご褒美をもらうためのもの’などなど、あっただろう。
 
僕にとって、通知表は明るい未来の道しるべだった。
 
僕は小学校5年生までは至ってどこにでもいる子供だった。勉強しても運動しても
平均的で、たまに、‘授業態度があまり良くない’とか書かれることもあったが、ほとんどが
‘普通’と通知表に記される生徒だった。
 
そんな僕が6年生になったら、変化した。
きっかけは、教室の本棚にあった学研の歴史漫画。一度、読みだしたら毎日のように
同じところを読み続けるぐらいにのめりこんだ。
その結果、社会の成績がグーンと上がった。そして、それにつられるように国語や数学の他の教科も勉強し始め、成績が上がった。やがて、先生からは褒められるようになった。
僕は「やった!このまま先生に褒められ続けたい!」と思い、勉強を頑張った。
 
そして、1学期の通知表をもらう時が来た。結果を期待しながら中を見た。
かなり、成績がよかった。そして、評価の欄には「勉強をよく頑張ったね」と載っていた。
(やったね!)僕は嬉しかった。しかし、1段下を見るとこんなことが載っていた。
 
「あなたは友人が少ないように思えます」
 
僕は(え?)と思った。決められたグループでは、メンバーと話をしていたし特に
孤独でないし不思議に思った。だから、その時はあまり気に留めていなかった。
 
2学期になってからも、勉強を頑張った。テストもいい点が結構取れたりして、
勉強がとても面白く思えていた。また、友達とも仲良く過ごしていたつもりだった。
 
しかし、12月の半ばにあった保護者懇談会。それに、参加して帰ってきた母親に言われた
言葉が痛烈だった。
 
「先生があなたは友達が少ないと言っていたよ。そうなの?」
 
かなり、ショックだった。そして、その2週間後の終業式にもらった通知表に
は 「勉強も大事だけど、友達を作って遊ぶことも大事なことです」と載っていた。
僕はそれを見て何も考えられなくなった。
 
翌日の冬休みの1日目に、僕は考えた。
確かに、僕と一緒にいる友達はほぼ特定されたメンバーでしかも3人ぐらい、いつもジャングルジムやアスレチックで遊んでいた。
反対に、クラスの男子メンバーはサッカーやバスケ、いわばスポーツをしていた。
考えてみると、その男子メンバーとは同じクラスではあったものの、特に親しくしていなかった。
それが先生にとって、気がかりだったのかなと思い始めた。
 
年が明けて、冬休みが終わり始業式の日。僕は決めた。
(残りの3学期でみんなと仲良くなるぞ!)と。
 
その日の夕方、僕は翌日の授業後にクラスの男子ほとんどがサッカーをやると耳にした。
僕は(明日、仲間に入れてもらうぞ)と強く思った。
 
そして、次の日、授業が終わり家に帰ってから、小学校のグラウンドに向かった。
聞いていた通り、みんなは楽しそうにサッカーをやっていた。
 
(よし、声をかけにいこう!)と思いながら、みんながいるほうへ歩いて行った。
が、歩いている途中に(今日はやめとこう)とか(仲間に入らなくてもいいじゃん)と
僕の弱い心が僕に耳打ちするように揺さぶってきた。しかし、(友達が少ないのは嫌なんだ!)あの通知表に書かれていた通り、みんなと遊ぶんだ!)と強い気持ちを取り戻して
みんなの前へ来た。
そこで、「サッカー入れてくれない?!」と言った。
すると、「いいよ!みんなでやろう!」と数人の子が言ってくれた。
 
僕は心が晴れて、別世界にいったように清々しく感じた。
 
それからの日々は本当に楽しかった。
放課後はクラス男子女子全員でサッカーをやったり、バスケをしたり。
遊びに行くときは必ず誘われるようになった。
そして、卒業式の日。
式が終わり、教室へ戻ってきた後の最後の会。
先生が「卒業おめでとう!今までありがとうね!」と言った後、クラスの大半は
号泣した。僕も泣きながら、「みんなと仲良くなれて本当に良かった……」と
感極まった。
 
あれから、30年以上が経つ。僕には今、かけがえのない友人がたくさんいる。
これまでの人生を本当に支えてくれた友ばかりだ。
このように、友人がたくさん持てたのは、6年生の担任の先生が通知表に載せた‘友人を作ることは大事’がきっかけだったと思う。
 
今、小学校に通う子供たちへ。
通知表は各教科の成績が載っているから、成績の良し悪しに目が奪われがちだ。
お父さんやお母さんに見せたくないなあと思うことは多いかもしれない。
でも、そこには先生があなたに対してあなたを変えてくれる言葉を載せてくれている。
それを素直に受け取り、行動してみよう。
君たちの未来を明るく、素敵な笑顔で過ごせる時間を必ず送れるはずだから。
 
 
 
 
***

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2021-02-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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