メディアグランプリ

20歳を過ぎてから楽器を始めるということ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:矢野 すみれ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「大人になって楽器を始める人って何考えているんだろう。下手くそな音しか出せないし、プロになれるわけでもない。迷惑って気づかないのかな」
 
数年前、とある場所で見つけた言葉。
だいぶ記憶が曖昧だが、衝撃的な文章だった。
 
というのも、わたし自身、大人になってから楽器を始めたからだ。
 
 
23歳になった年に楽器を始めた。アルトサックスだ。
 
きっかけは、ただのあこがれだった。
 
弟や、男友達がギターを弾くのをみて、いいなぁと思ったこと。
 
ピアノ以外にもうひとつ、楽器ができたら素敵だろうなぁと思ったこと。
そして、好きなロックバンド・UVERworldのサックス奏者・誠果氏が格好よかったこと。
そんな単純なあこがれだった。
 
サックスといえば、ジャズのイメージも強いだろう。
たしかにジャズで聴く、サックスの音色はめちゃくちゃ格好いい。
 
わたしが最初にあこがれたのは、ロックの中で聴くサックスの音だった。
それは大人な響きで、ロックという強い音の中に刺さる。それにハマった。
 
 
わたしが通っている楽器教室には、いくつもの楽器コースがある。
 
その中でサックスを選んでよかったと思うことは、自分で演奏しているというのを感じられること。
自分で息を吹き込み、自分の指がキーを押すことで音を奏でる。
体全体を使って吹いている気がするのだ。
 
 
大人になって楽器を習うメリットは、いくつもあった。
 
まずは、できなかったことができるようになること。
これは何でもそうではあるが、苦手を克服できたこと、1曲吹けたこと、など、前に進めたときはやっていてよかったと思う。
そうやってこれからも、成功体験を積み上げていきたい。
 
その他としては、周りの人に聴いてもらう機会があること。
通っている楽器教室では、アンサンブルが多くある。
特にサックス人口が多いので、サックスだけでの合奏も参加し、発表会にも何度か出た。
大勢でひとつの曲をつくるというのも、青春を感じて、何ともいい。
 
逆にソロで演奏してみると、緊張しつつも吹き終わったあとの拍手を独り占めできた。
あれも気持ちよかった瞬間だ。
 
そして何より、友達が増えたこと。
やはり大人になって楽器を始める方は、わたしより年上の方が圧倒的に多い。
そのため、年が離れた友達も多くできた。
一緒に吹きながら学べることは、いっぱいあるのだ。
 
 
最初の先生の勧めで、いまの楽器を買ったのはサックスを吹き始めて1年半経った夏だった。
結局、先生と同じ楽器を買ったのだが、金額を見てびっくりした。
ローンを組んで、2年かけて完済した。
 
いまの楽器を選んだ理由は、先生が高校時代からずっと使っているということだった。
そして良い楽器は自分と共に成長する、とも教えてくれた。
 
しっかりした楽器はそこそこ値が張る。維持費もかかる。
それでも、ここまでお金をかけてしまったから、続けるしかないとも思う。
 
大人になると、壁にぶつかってもうまく避けたり、はたまた、その壁にぶつからないように回避したり……と、良い意味でも悪い意味でも器用になってしまう。
だからこそ、未知の出来事と自ら向き合い、壁にぶつかり、立ち向かい、そして乗り越えるという経験は、この先も活きてくるはずだと信じている。
それこそが、サックスを通して学んだことだ。
 
 
最初に載せたショッキングな文章を見て、数年が経った。
いまだからこそ言えることは、これはただの自己満足だということ。
 
音を楽しむと書いて音楽。自己満足で音を楽しんでいるだけ。
誰のためでもなく、自分のために。
楽器は手段でしかない。音楽を楽しむために、楽器を吹いていると、胸を張って言える。
 
 
前述のUVERworldのボーカル・TAKUYA∞氏の言葉に、わたしはよく感化される。
彼は、「何かを始めるのに遅すぎることは何もない」とライブで叫ぶ。
ちなみにTAKUYA∞氏は20歳を過ぎて歌を始め、ピアノは24歳から始めたそうだ。
 
彼は体現する。
年齢で諦めるのではなく、やりたいという気持ちこそが大事なのだと。
 
また感化され、今年も新しいことを始めたくなり、いまライティングを勉強している。
そして、春からは英会話を勉強するつもりだ。
 
 
いまはまだ、楽譜をなぞって演奏することで精一杯ではあるが、ゆくゆくは届けたい人に届けられるよう、一音一音大切に吹けるように精進したい。
 
この文章がどうか、年齢や才能で何かを諦めかけている人に届きますように。
残った日々の中で、1番若いのは今日なのだ。
 
 
 
 
***
 
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2021-03-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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