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婚活パーティで9割の確率でカップルになっても結婚できない理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:飯沼かおり(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
「今回一組カップルが誕生しました! 2番の男性と4番の女性です! おめでとうございます!」
司会の女性が上品そうな少しはずんだ声で発表する。
 
自分の番号の書かれたカードを見る。「4番の女性? 私じゃないか!」
またカップルになってしまった。しかも今回は一組だけとは……。
 
このころ、お見合いパーティに出ると毎回必ずといっていいほどカップルになっていた。
10回出れば9回はカップルになるという確率である。33歳、特に若くもなければ、パッと目を引く外見・ファッションでもなかったので、当時は不思議でならなかったが、今になって理由が分かってきた。
 
10年近く前の話だ。私は本気で婚活をしていた。
婚活の方法は、様々試したが、主に合コンと、お見合いパーティが中心だったと思う。
中でも、回転寿司の様に男性が回ってきて、1対1で話せる形式のお見合いパーティが私には合うようだった。
なぜなら、私は多くの初対面の人と話すのが苦手だったからだ。合コンもやや苦手だった。初対面の人たちと会い、皆の前で自己紹介したり、自分の趣味のエピソードを話したり、その時ランダムに出たテーマで話を膨らませ、盛り上げる。話題についていけていない人がいたら、声をかけて巻き込んだり。合コンで人気のある人はそういうことが至極スマートに、自然にできる。私にとって合コンとは、とんでもない能力が必要な場所だという認識だった。
 
そもそも婚活を始めたのは、29歳の時の失恋が原因だった。
失恋の相手は国家公務員。ある大臣をサポートする仕事についている人だった。
私は、子供の頃から、いい大学に行って公務員になることが一番の幸せだと教えられ、ずっとそう思い込んでいた。しかし大学受験に失敗し、公務員になれなかった私は、幸せの定義が「公務員と結婚すること」にいつの間にかすり替わってしまっていた。
自分の失敗を転嫁して相手に期待する様な、そんな浅はかな基準で相手を探す私と、真剣に支えてくれる「自分に見合った妻」を求める相手が合うはずもなかった。交際当初から破局への坂をゴロゴロ転がり始め、結局、半年足らずで破局となった。
初めて結婚を考えた相手だったので、とてもショックだった。そして、その失恋の影響が大きく日常生活に響いてしまった。
 
当時は内勤営業の仕事をしていた。営業にはある一定の熱意とパワーが必要だが、私は失恋のショックで両方完全に失っていた。それがお客様に伝わってしまうのか、私が受けたお客様は、ほとんど契約に至らなくなってしまった。自分でもどうしたらいいかわからない。しかし当然支店の実績の足を引っ張ってしまう。店長からは毎日の様に、自分から退職する様に促される様になった。退職を促されれば促されるほど、「パワハラなんじゃないか?」と意固地になる。出口の見えないトンネルの中にいる様な悶々とした日々を過ごしていた。しかしリストラ寸前のところで「気持ちを入れ替える」という条件付きで何とか配置転換して残らせてもらうことができた。
 
そこから「営業」にまつわる猛勉強が始まった。
支店に初めて立ち寄ったお客様に、一度で自分を信頼してもらい「あなたに任せたい」と思って頂く。二度目にも確実にご来店頂き、契約を頂く。そこを目標にして様々なことを学びまくった。
有名な女性営業コンサルトの方の高額セミナーにも出た。営業心理学の技術も高額なものをいくつか学んだ。その他、仕事の知識に直結するセミナーに出たり、競合他社の人の話を聞きに行ったり。もちろん自分で本も読んだ。その頃、自己啓発に無我夢中という感じであった。しめて100万円以上は自分に投資したと思う。
その効果はてきめんに表れ、数カ月後には自分の目標を達成することができた。
 
自分が最初に受けたお客様が「あなたにお任せしたい」「あなたにもう一度会ってお話を聞きたい」そんな風に思ってくれることは本当に嬉しく、やりがいになった。
結果的に10人のお客様を受けたら、8人はご契約につながる様になった。
 
33歳になり、婚活に本腰を入れ始めた頃、知らないうちにこのスキルが生かせていたのだ。
婚活パーティーで、初対面の人と一対一で話すと、比較的良いと思った人から、「またお話したい」と必ず言われる様になったのだ。そして結果カップルになるということが当たり前の様になった。
 
「営業は恋愛と同じ」という言葉を聞いたことがあるが、まさにそんな感じであった。
相手を自分の好きな俳優や、アイドルであると思って「休日は何をされているんですか?」「好きな食べ物は何ですか?」など相手に興味を持って話を聞くことが大切だ。
 
また営業スキルを学んだ中で特に意識をしたのは、「聞く姿勢」だった。
話をしている時には、生き生きした表情だが、話を聞く時になると、一気に口角がさがり、真顔になっている人は本当に多い。(私もそうだったが)
特に話の内容に興味のない場合はなおさら恐い顔になっているかもしれない。
そんなところを改善し、話を聞く時も、常に少し口角を上げ、時にはうなづきながら「あなたに興味を持っていますよ」という姿勢を見せることを意識した。
そんな姿勢が、婚活パーティーでも自然と生きていたのかもしれない。
 
しかし大きな落とし穴があった。「良いな」と思う男性とカップルになり、デートを重ねても、すぐに交際が終わってしまうことが続いたのだ。次も、次も……。一体どうしてだろう? と本気で落ち込んだ時もあった。
そして気づいた。「相手に好かれる」ことばかりに意識が向いていて、恋愛に肝心な「自分が好きかどうか」という気持ちがおざなりになっていたのだ。
 
確かに、様々な男性と会いながら、自分の気持ちを確認していくのも良いのかもしれない。
でも、相手の立場に立ってみると、常に手ごたえのない気持ちを抱かせてしまっていたのかもしれない。まさに、営業マンと商談で接するかの様に。
 
まず何よりも大切なことは、婚活パーティーで高確率でカップルになることでも、合コンでモテることでもなく、「どんな人と一緒にいたら幸せを感じるか?」という自分自身の気持ちである。
そこをしっかり突き詰めたところ、私も3カ月で理想の相手と結婚することができた。
 
そんな経験を経て、今婚活中の友達から相談を受けた時は、「自分がどんな人と結婚をしたいかを明確にした方が早いよ」とアドバイスする様にしている。

 
 
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2018-07-18 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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