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メディアグランプリ

3ヶ月に1度のオリンピック


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:Toshiko Bansho(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
私は病院が嫌い。
病院・医者というのは、病気になった人を助ける商売。誰も病気にならなかったら儲からない。人の不幸を商売にしている。
 
ちょっと言い過ぎかもしれないけれど、少なくとも大人たちがそう思って過ごせば、世の中はもっと変わるのではないかと思っている。
そんな感じで意識していることもあり、いつの頃からか、体調が悪くなってもなるべく薬を飲まないし、基本的によっぽどでない限り、病院にも行かないつもりで過ごしている。
 
大きな病気を今までして来なかったこともあり、病院は自分よりもっと必要な人が行く場所と思っている。できる限りお世話になりたくない。
 
そのためには、出来るだけ病気にならないように、日々少しだけ考えている。家での食事の材料は、できるだけ添加物が入っていないものを買う、毎朝のお通じがよくなるような食事を取るように等などの意識をしている。……といっても外食も多いので、無意識に体に悪いものを取っている可能性はあるけど。
 
色々偉そうに書いてしまったが、ここ1年で少し意識が変わったことがある。それは歯医者さんとのおつきあい。最近になってやっと、痛くなくても定期検診に通うようになった。
 
それまではずーっと、数年に1度の割合で歯が痛くなり、どうしようもなくなり歯医者を探す。歯医者では、口の中は痛みの原因以外にも多数の虫歯を指摘され、数ヶ月治療に通う。治療を終えると定期検診なんて行かない。すると数年後、また歯が痛くてどうしようもなくなり、医者を探して数ヶ月通う……。そんな事を繰り返してきた。
 
もちろん毎日歯磨きはしているつもり。でも虫歯ができる。なぜ出来るかなんて、あまり考えていなかった。治療が終わる度に、定期検診に来てくださいと何度も言われたはずだけど、今まで私の心には響かなかった。健診なんて医者のお金儲けの手段でしょ? なんて思っていた。
 
確かに今も、定期検診はお金儲けの手段だと思っているのだけれど、私のようにすぐズボラになるタイプの人間には、時々自分自身を見つめ直す、意識するために必要なのだと思えるようになった。今気づくまで随分の年月を過ごした。
 
実際のところこうやって気づけたのは何故か?
それはもう「後がない」ということがようやくわかったから。歯は再生されない、削れば削るほど後がなくなっていく。このままでは、あっという間に歯がなくなっていく。それで本当にいいのか? インプラント等が進化しているとはいえ、できるだけ長く自分の歯で生活したほうがいいでしょ? などなど、いろんな事を先生や衛生士さんが伝えてくれた。
子供の頃、悪い事をして怒られた時、「これで最後だよ!」とよく言われたなぁ……そんな感じだ。
 
という事で、意識改革が始まり、ここ1年ぐらい前から、3ヶ月に1度のペースで定期検診に行くようになった。
 
定期検診はオリンピックのようなもの。自分的には万全の気持ちで挑む。虫歯や歯茎の診察が行われ、この3ヶ月の成果が試される。意識して歯を磨くようになったのだから、たった3ヶ月ほどで新しい虫歯などある訳がない……。そんな感じで、検診日当日治療椅子に座って口を開ける。すこしドキドキする時間。
 
「今回、虫歯は見つかりませんでした! よく手入れが出来ていますね! この調子で行きましょう」……と、言われるつもりでいるものの、今のところ残念ながら、毎回何らかの指摘が入る。負けが続いている。
 
「敵もさるもの、ひっかくもの」である。言葉が悪いかもしれないが、医者は新しい治療箇所を見つけるのが商売。またダメだったかぁ〜!
 
 
自分自身の性格も分かっている。毎日同じことを繰り返しているうちに、少しずつ時間が短くなったり、ルーズになっている。それを考えると、やっぱり定期検診には通う必要があるのだということを改めて実感する。
 
医者や衛生士さんは、いつも優しい言葉で慰めてくれる。
「大丈夫ですよ! 早く処置できるからこそ、歯がキープ出来ているのです!」
「以前より、よく磨けていますよ! もう少しで完璧です! このまま続けてくださいね!」
言葉の投げかけも上手である。さすがに敵ながらあっぱれである。
そして、医者の商売に乗っからないために、意識してメンテナンスをし続けなければいけない。ちょっとした戦いでもある。
 
ひねくれた事を書いてしまったが、こうして検診に通う気持ちにさせてくれた、歯科医院の皆さんには感謝している。なかなかメダルを取るのは難しいけれど、また次の検診オリンピックまで、しっかりメンテナンスを続けていく。そして、死ぬまでずっと自分の歯で食べていきたいと思う。
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2018-09-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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