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メディアグランプリ

40代パパと思春期娘の橋渡しをしてくれた恩人


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:和田のりあき(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
アロマ講習会に行ってきた。一般の40代男性がアロマ講習会に参加するのはかなりレアなことだろう。舞台はPTA。年に一度開催される中学校と支援学校の交流会だ。私は中学校のPTA会長の立場でご招待いただいた。平日のPTA交流会の参加者はママばかり。ドキドキしながら会場の支援学校に向かった。学校に着くと受付があり、その奥に中学校の教頭先生がおられた。教頭先生は男性だ。ほっとして教頭先生と挨拶し言葉を交わした。
 
さて、交流会の開始である。男性は中学校の教頭先生と私のみ。あと30人はアロマの講師さんを含めて全員女性。冒頭に教頭先生が挨拶をされた。そして、挨拶の最後におっしゃった。
「私もご一緒にアロマを楽しみたいのですが、別の仕事がありまして、これで失礼させていただきます」
なんと男性は私だけになってしまった。先に言うといてよ教頭先生。そしてアロマ講座は始まった。正直、アロマや香りというものに興味はなかった。妻と2人の娘が流行りの香り付き柔軟剤などを使うことが理解できなかった。そんなん、普通の洗剤の香りで十分やん。でも、女性講師が始められた説明で、私は徐々にアロマに興味を引かれ始めた。
 
アロマは香りを楽しむだけのものではない。鼻で感じた香りは脳の部位に刺激を与える。脳への刺激は身体に影響する。アロマの香りは心身の健康に役立つのだ。その具体的な「効果」があることに僕は惹かれた。説明のあとは実技である。自分でアロマをブレンドしてヘアケアスプレーを作る。会場には6種類のアロマオイルが準備してあり、それぞれの「効能」の解説書があった。保湿、肌を引き締める、殺菌・抗菌などそれぞれの香りにそれぞれの効能。私はその中の3種のオイルの効能に惹かれた。髪の成長・抜け毛予防・フケ予防である。そして、その3つの香りを嗅いでみた。正直3つとも気に入らない香りだった。困惑した私は講師に質問した。
 
「ほしい効能の香りが気に入らなかったらどうしたらいいですか?」
「効能から作っても、自分の好みではない香りだったら使わなくなります。まずはご自分の好みの香りで作ってみられては」
 
講師の回答に僕はさらに困惑した。自分の好みの香り? それはカレーとラーメンとハンバーグだ。その香りはここにはない。どうしようかと僕は顔を上げた。そこで気づいた。なんと、ほかのママたちはわいわいとしゃべりながら「この香り好き」「こっちはいまいち」とひたすら香りを好き嫌いで評価しているではないか。
 
私もほしい効果のあるオイルの香りだけじゃなくて、他のオイルの香りもいろいろと嗅いでみることにした。嗅ぎ始めると、周りののママが話しかけてくださった。「それどうですか?」「これとこれ、いっしょに嗅ぐといいですよ」「そうですよね、効能と香りのバランス迷いますよね」。嗅いでいるうちに、自分にも好きな香りがあることがわかってきた。アロマはオイルビンのキャップをあけてキャップの裏側の香りで試す。二つのキャップを同時に嗅ぐとブレンドした香りがわかるし、複数のキャップを持って、その鼻からの距離をずらすことで、ブレンドの割合を試すことができる。鼻に近い物は割合多め、遠い物は少なめという具合に香りを試せるのだ。気がつけばあれこれ周りのママとおしゃべりしながら、ブレンドに夢中になっていた。
 
そしてできたヘアスプレーは私の好みの香り。使った3種類のオイルの効能を確認すると、ダメージケア・保湿・肌を引き締める。正直、最初にほしいと思った効能はひとつも入っていない。でもその香りはとてもよかった。そりゃそうだ。あれこれママたちと相談しながら自分で選んでブレンドした香りなんだから。そして完成品をまたママたちとシェアしてそれぞれのブレンドを褒め合ったりした。たった6種の中から3種を選んで好きな割合でブレンドする。それだけなのに、多種多様な香りのヘアスプレーができたことに驚いた。講習はブレンド作業も楽しかったし、ママたちと「好き」を基準にしたおしゃべりも楽しかった。
 
作ったヘアスプレーは家の洗面所に置いてある。その効能は家族に説明して、朝の寝癖直しにも使えるよ、と言っておいた。中学生の長女はパパの話に直接リアクションはしなかったけど、毎朝使っているようだ。長女が洗面所を使った後はスプレーの中身が減っているから。3日後、長女に「アロマのスプレーどう?」と聞いてみると「あれ匂いきついわ!」との返事。
「好き」から始めることも大事。偶然作ったヘアスプレーが長女が欲しい効能になった。思春期でパパを避ける長女との間に細くてもすてきな橋を架けてくれたアロマは恩人だ。

 
 
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2018-11-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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