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メディアグランプリ

「ボーッとしないで生きてんじゃねーよ!」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ブロムベリひろみ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
最近、ボーッとしてますか? いや、ボーッと生きてたらチコちゃんに叱られる? 大丈夫、ちゃんとボーッとできていれば、きっとチコちゃんに叱られるどころか、彼女を感心させることもできます。
 
でも実際問題、ボーッとしている時間なんてないですよね?
 
毎日毎日、やるべきことがぎっしり詰まった状況の中、どうやって少しでもやりたいことにも時間を費やせるのかを考えるだけで精一杯。会社での会議や打ち合わせは際限なく、メールはたまっていく一方で、目を通すべき資料は山積みになって久しい。通勤の時間にはニュースやSNSもチェックしたいし、リラックスする時もYouTubeの動画やNetflixの新作を観ることに時間を使いたい。話題の新刊も読みたいし、睡眠時間ももっと確保したいのに、ボーっとしている時間なんてこれっぽっちもない。そうですよね?
 
でも、少しでも自分のパフォーマンスを上げたいなら、自分の時間をよりよく使いたいなら、そしてなにより毎日気分よく生きたいなら、今こそボーっとする習慣を身につける時です。
 
安心してください。やり方はそんなに難しくありません。
 
例えば、通勤時間は一切スマホを使わないようにする。メールもSNSもニュースのチェックもやめて、音楽も聞かないし、動画もみない。英会話のレッスンやオーディオブックを聴くのもやめましょう。やることは、たったひとつだけ。スマホと離れた時間を意識的につくる。たったそれだけです。
 
ボーッとすることを、今、全力であなたに勧めたい私も、少し前までは時間貧乏でした。1日24時間の限られた時間を有効活用したいので、目も耳もいつもフル回転。必要な情報を効率よく入手して、できるだけ迅速にやるべきことを処理。スマホをいつもチェックし、メールやメッセージにはすぐ返信。
 
すきま時間もスマホで情報収集したり、電子書籍を読んだり。移動中も時間が無駄にならないように、ポッドキャストやオーディオブックで耳からのインプットを欠かさない。料理や家事をする時にもYouTubeやNetflixの動画をチェックするのが当然と思っていました。
 
このやり方で仕事は効率よく進めているつもりだったし、周囲からそのような評価も受けていました。でもある日、私がやっているのは例えて言えば、なんていうか、終わりのない卓球の試合みたいなものだと、ふと、思いました。
 
次々とやってくる処理すべき仕事という名のピンポン球を、すばやい動作で右に左に機敏に打ち返す。スパ!スパ!と返球できると、それはそれで気持ちいいけれど、反射神経だけで仕事をしていると、ふとした瞬間に「あれ? 私なにしていたのだったっけ?」と思うことも増えてきました。休憩もとれないし、自分のフォームを見直したり、相手の球筋を分析する時間もない。そしてなにより疲れてきました。頭も体も心も。
 
そして、最近「ものを考える」ことをしていない事実にも気がついてしまった。以前もわざわざ、ものを考えるための時間をとっていたわけではありませんが、すきま時間にボーッといろいろな思いと戯れる時間があったのに、それがまったくなくなってしまっていた。時間ができると「無駄」にしないためにスマホを取り出すことが習慣になっていたから。
 
最新の脳科学の研究では、ボーっとすることの重要性が指摘されています。
 
私達は外からのインプットがなく、他の人からみるとボーっとしているような状態の時に、自分に起こった出来事を反芻して理解しようと試みたり、ぼんやりとした思考の中で、これまで独立して存在していたもの同士の関連性に気がついたりします。これをひらめきと呼んでいいでしょう。
 
このボーっとする時間は、脳がいろいろな情報を統合したり、分析したりして、新しい「知」へと結びつける時間。たえず入ってくる情報を処理することばかりに脳を使っていると、この「知」を生み出し創造性の源となる「ボーッとした時間」がとれません。
 
ワシントン大学のマーカス・レイクル博士の研究により知られるようになったデフォルト・モード・ネットワークと呼ばれるこの脳の活動。私は、このボーっとすることの重要性を知ってから、スマホでやることを極端に減らしました。
 
そうすると、私って結構いろんなことを思いつくじゃないか! と自分のクリエイティビティに嬉しい驚きを持って再会したり、そんな自分に改めて自信が持てたり。ボーっとする時間を意識的に取りはじめたことからくる負の側面は、私には今のところありません。デジタルに触れている時間は少なくなっているけど、その分集中して仕事ができているように思います。
 
昔はだれでも持っていた手持ちぶさたの時間は、PDCA(プラン、ドゥー、チェック、アクション)の業務改善手法に例えて言えば、チェックするための時間であったのでしょう。なんとなくぼんやり考えながら、今の状況を分析し自分の次の行動を決めていた。ボーっとしている状態の時、実は脳は一番エネルギーを消費しているという研究結果もあり、ぼんやりした状態でひらめく創造力は脳の能力のなかでも一番高位に位置づけられるべきものではないでしょうか。
 
さて、次に電車に乗ったらスマホはとりださず、こころゆくまでボーッとしてください。
 
きっと周りの人はスマホをいじっているか、眠っているかどちらかでしょうが、幸運にも他にもボーっとしている人を見つけたら、「お、あなたもデフォルト・モード・ネットワーク稼働中?」とウインクでも送ってあげてください。そして、電車を降りるころには、チコちゃんと一緒に考えたい独自の視点の鋭い質問のひとつでも思い浮かんでいることでしょう。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-07-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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