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睡眠不足は、ときめき法と正攻法のダブルで解決


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記事:春野そら(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「どうせ死んだら、ずーっと寝てるんだから……」
父の口癖だった。母が「いい加減、早く寝たら?」と声をかけると、父はよく、こう答えたという。
 
仕事が趣味の人だった。会社から帰ってきても、夜遅くまで机に向かっていた。熱中していて、気付いたら朝だった……なんてことも、多々あったという。
父は五十二歳で、ある日突然、病死した。
 
「睡眠にだけは、気をつけなさい」
母は最近、事ある毎に、私に忠告する。
私は父に、似ているらしい。
もともと、睡眠時間が短くても大丈夫だった。寝なくても平気な体質だと、ずっと信じていた。それに、何かに熱中すると、寝る間も惜しむ癖がある。
 
最近は、睡眠の大切さが、テレビ番組でも頻繁に取り上げられるようになった。
脳は、睡眠を通して、情報を整理しているとか。睡眠は、記憶を定着する役割を果たしているとか。
6.5~7.5時間がベストな睡眠時間で、それより少なくても多くても、脳や身体に悪い影響があるという。一方、年齢なりの睡眠時間を確保すればいい、という説もある。
 
確かに、50歳を過ぎて、7時間寝ると、やっぱり違う。
なぜか翌朝、快便だったりする。
通勤電車で立っていても、あまり苦にならない。幸運にも座れたとして、うとうとしないで、読書できる。
栄養ドリンクを飲まなくても、大丈夫。
午後に眠くならない。会議で、あくびを噛み殺さなくてもいい。
なぜか一日、腰痛が軽い。
 
小・中学生の頃は、土日になると、お昼近くまで寝ていたが、あれはきっと、成長するために、睡眠が必要だったのだろう。
大人になって、睡眠時間が減った。二日徹夜しても、全然、平気だった。
そうして今、疲労を回復するために、睡眠が必要になりつつある。
 
必要なら、寝ればいい。簡単な話だ。だが、それがなかなか、睡眠時間を確保できないのが実情だ。
 
「なんでもかんでも、やりたがるからだよ。私なんて、日曜日はなるべく予定を入れないって、決めてるよ」と友達に忠告された。
私は何でもかんでも興味を持つ。やりたいことが、いっぱいある。だからいつも、時間が足りない。
 
「ドラマって、今、何か観てる?」
友達は、連続殺人ドラマの話がしたかったらしい。
「それは観てないや。昔はあれこれ、ドラマも観ていたけど、今はせいぜい、ひとつにしてる」と私は答えた。
録画したって、結局、観る暇がなければ、溜まっていく一方だ。
「私は電車内で、スマホのアプリで観てるよ」
「うーん、通勤時間は本を読んでるかな」と私は答えた。
 
時間があったら、あれもこれも、ドラマを観たい。でも無理だから、とりあえずひとつに絞った。
私は無意識のうちに、断捨離していたらしい。
だったら今度は、意識的に、やりたいコトを見直して、整理してみればいい。
 
捨てるコトと残すコト、それに、残すコトの優先順位を決めよう。
 
まず、〆切りがあるものは、必然的に優先度が高い。もしくは、諦めるか、だ。
例えば、今日中に文章を投稿するのがムリなら、1回ぐらい諦めたって、いいのかもしれない。
 
何を残して、何を捨てるか。片付け対象が、モノじゃなくて、コトに置き換わっただけで、まるで部屋の片付けみたいだ。
だったら、ときめき片付け法の〝こんまり流〟を、応用できるかも……と思い付いた。
〝こんまり流〟とは、モノに触れてみて、ときめくかどうかで、取捨を選択する片付け方法だ。
 
その〝コト〟をやっている自分を想像してみて、ときめくかどうか、私は想像した。
LINEスタンプを完成させた自分、
合唱団で歌っている自分、
パイプオルガンを弾きたくて、ピアノでバッハを練習している自分、
TOEICのスピーキング・テストを受けている自分、
旅先の写真ファイルを納めたタブレットを、母にプレゼントしている自分、
WEB天狼院書店に投稿文書をアップしてもらえるよう、頑張っている自分、
資格試験に合格した自分、等々……。
 
ダメだ、ダメだ。全部にときめく。
そもそも、ときめくから、やりたいのだ。
そのうちのいくつかは、時間が経って、あんまり、ときめかなくなっているけれど、‶こんまり流〟だけでは解決できない。
ときめき片付け法では、優先順位が付けられないから。
 
やりたいコトは、もっと冷静に順位付けして、正攻法で整理すべきだ。
まず、〆切りがあるものが、最優先。
あとは、本当にやりたいのか。それとも、どっちでもいいのか。
今すぐやらなきゃ、ダメなのか。今すぐやりたいのか。もうちょっと後回しでもいいのか。
それをしたら、何かメリットがあるのか。誰かのためになるのか。それともただの自己満足か。
自己満足なだけでも、やってみたいのか。
 
分類すると、今、やるべきコトが、だいぶん絞られてきた。
 
昨晩は睡眠を優先した結果、この文書の投稿が、〆切りギリギリになってしまった。〆切りがあるコトは、先に済ませたほうがいい。
 
 
 
 
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2019-08-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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