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メディアグランプリ

子育て中のママのキャリアの未来


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:もちこ(ライティング・ゼミ夏期特講)
 
 
「このまま子供の世話だけで終わるのは、絶対嫌だ……」
私は、1才になる娘をバギーに乗せ、公園から自宅に向かう坂道を登っていた。
突然、そんな思いが心の奥底から込み上げてきたのだった。
 
まだ片言の言葉しかしゃべらない娘に、「きれいな花だね」「わんわん来たね」など話しかけながら散歩行くのが毎日の日課だった。ママ友もでき、ランチに行ったり、お互いの家で遊ばせたり、それなりに楽しかった。
 
でも不安だった。働いていないということそのものが、社会から取り残されているような気がして不安だった。家事と育児だけの代わり映えのない日常。このままだとなんのキャリアも積めないまま、年をとってしまう。30代という気力も体力もある時期に、何のキャリアも積まず、ただ家事と育児だけしていていいのだろうか? このままだと、もう二度と働けないのではないか? 社会復帰できなくなってしまうのではないか? と焦る気持ちでいっぱいだった。
 
実母に相談しても、「働かなくていいんだったら、良いじゃない。子供も小さいんだから無理しなくてもいいんじゃない?」とわかってくれなかった。そして、私の周りには、働きたいというママ友もいなかった。
 
現実的にも、働くのは難しかった。夫は、新婚のときから毎日残業で帰宅が遅く、日付が変わることも度々あったし、土日も出勤することも多く、頼りにならない。義父母、実父母ともに、遠方に住んでいたし、働いていたため、子供は預けられない。ベビーシッターをお願いするということも考えたが、それでは、私が働けば働くほど、赤字になってしまう。
 
なにより、小さい子供がいても雇ってもらえるのだろうか? 病気になったときに、見ず知らずの人に預けてまで働きたいのか? 病気でしんどい時にこそ、子供のそばにいてあげたほうがいいのでは?
 
いろんな思いが頭の中をぐるぐる駆け巡り、答えがでない悶々とした毎日を過ごしていた。
 
そんなモヤモヤとした気持ちを紛らわすために、私はブログを書き始めた。
正直な気持ちを吐き出すように、毎日、毎日書いていた。
 
すると、ある日、コメントが入ったのだ。
「何も考えず、思い切って就職活動してみてはどうか」と。
 
衝撃が走った。今までそんな風に勧めてくれる人はいなかったからだ。夫も、実母も、周りの友達も、そんな風に言ってはくれなかった。そして、自分自身も無理だとあきらめていたからだ。
 
その見ず知らずの人の一言で、私は急に動き始めた。履歴書を一気に仕上げ、前から応募したかった求人に申し込んだのだ。
すると、すぐに面接の案内が来た。嬉しかった。まだ社会に必要とされているんだという気持ちでいっぱいになった。と同時に、預け先をどうしたらいいのか! と頭が真っ白になった。インターネットでファミリーサポートという、子供の面倒をみてくれる有料のボランティアを見つけ、急いで申し込み、面接に向かった。
 
時には、ママ友に預かってもらうこともあった。面接が終わって子供を迎えに行ったとき、「私も実は働きたいと思っていたけど、今回預かってみて、なんだか子供がかわいそうに思えたから、働きたいと思わなくなった」と言われた。一番気が合うママ友だと思っていただけに、正直傷ついた。
 
面接に行くために、スーツをきていると、近所の人にも、同情の目でみられることが多かった。「大変ねぇ」と、こちらを憐れむような目で見てくるのだ。
それは、面接官も同じだった。
 
正直驚いた。小さい子供がいると働いてはいけないの? 働きたいというと同情され、夫は甲斐性がないと思われるのだ。なんだか夫に申し訳ない気持ちになった。
 
就職活動は思った以上に厳しかった。
書類選考は通るのだが、面接がなかなかうまくいかないのだ。
「残業は何時までできるの? 遅くなったらどうするの?」
「子供に熱が出たときは預ける人はいるの?」
 
具体的にどうするかは答えられなかった。
「これから探す。何とかする」と何度も伝えたが、受け入れてもらえなかった。
思わず悔しくて泣いてしまった。もちろんその面接は不合格だった。
 
最終面接で不合格だったときはつらかった。面接の反応も良かったのに不合格。理由を聞くと、最終的には子供が小さいから難しいという判断になったとのことだった。もともとその企業で働いている人であれば、小さい子供がいても大丈夫だったと聞いて余計に悲しくなってしまった。
 
結局、正社員の求人はあきらめ、契約社員や派遣社員での求人も探しはじめて、ようやく内定をもらうことができた。
本当にうれしかった。私も社会に必要とされているんだという喜びは何にも代えがたかった。
 
しかし、苦労して就職したにもかかわらず、1年もたたずに辞めてしまった。理由は二人目を妊娠したからだ。契約社員だったため、育休はとれなかったし、子供が1人いるだけでも急に休むことが多く気疲れしていたので、2人になるともっと辛くなる。もうこれ以上は、無理……だった。
 
それから12年の月日が流れた。
 
先日、1歳になるかならないかの子供がいるにもかかわらず、正社員で就職した友人の話を聞いた。彼女は、残業なしで16時までの時短勤務、急な休みでも周りがカバーしてくれるため気疲れすることもない職場で働いている。同じように小さい子供を抱えた人が多く働いているため、お互いさまの精神が根付いているのだという。
 
時代は確実に変わっているのだ。
 
12年たった今では、働くことだけがキャリアではないと思っている。自治会や学校のPTAの仕事など市民としてかかわることも十分キャリアになると考えているし、子育てそのものも十分キャリアである。それでも、企業で働きたいと思ったときに、その道が選べないのと、選ばないとでは大きな違いがある。
 
これからもっと、いろいろな働き方、生き方が選択できるようになっていくのかもしれない。彼女の話を聞いて、私もまだまだあきらめないぞ! そんな明るい気持ちになっていた。
 
 
 
 
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2019-08-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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