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悪い癖の活用法


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:清水 亜美(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
時に「悪い癖」というのは厄介者扱いをされたり、そのことをどうにかしたいと思い、悩むことは世間では当たり前のようになっているように感じる。
それを悪いと思っているのは本人だけで、他人から見たら、大したことがない癖だったりもする。
時々、他人も賛同するようなレアケースの「悪い癖」が登場する。
 
私はそのレアケースの「悪い癖」の持ち主である。
そして、たちが悪く反省の色も見せるどころか、改善すらしない。
むしろ、日々進化をしていると思われる。
 
ある時、会員制スペースのスタッフさんと私のその悪い癖について話していたところ、
『それ、昏睡状態です! 危険なので、やめてください! 死んじゃいます!』
と、医療系出身で知識豊富な彼女はかなり前のめりで死の危険があることを通告してくれた。
 
確かに、死の危険は伴っている。それも常に。
 
私の悪い癖というのは「お風呂の湯船で寝る」ということである。
意図的にやっているのではなく、気付いたら、お風呂の湯船で寝ているのだ。
それも気持ち良くぐっすりと。
 
その会員制スペースのスタッフさんいわく、私のお風呂の湯船で寝るという、死の危険も伴う悪い癖は医学的に『昏睡状態』らしく、正確には睡眠時間のカウントにもならず、睡眠というカテゴリーにも入らないという。
 
冷静に考えてみれば、“睡眠”は生理現象で意識的に寝るという行為で意識喪失を繰り返すが、一方で“昏睡”はふとした瞬間に意識喪失をしているので、確実に死の危険度が上がってしまうのも頷ける話ではある。
 
ここまで危険とわかっていても、気持ち良いと感じることや心地がいいことを体感してしまうと、人はなかなか止めようとしないのは人間の本能の悪知恵なのか。
 
しかし、私は先日、安全かつ、気持ち良く、開放的にお風呂で寝ることができる場に出会ってしまった。
 
それは日帰り温泉施設の寝湯(寝ころび湯)である。
おまけに露天というロケーションであるのだ。
万が一のことがあれば、周囲の人や施設のスタッフさんが駆けつけることができるというセーフティオプションが自然と成り立つという嬉しい環境でもある。
 
個人的にはお風呂で寝てしまうという悪い癖を最高に良い癖として活用できる環境である。
そして、死の危険も伴わず、安全に思う存分お風呂で正真正銘の睡眠として寝ることができる。
 
なぜ、私は今までここに気付かなかったのだろう……。
悪い癖として自宅のお風呂の湯船で寝てしまうことを気持ちいいとは感じつつも、多少なりとも罪悪感を感じていた。
 
日帰り温泉施設という公共の空間にはなってしまうが、実際にこの寝湯という私にとっては最高の入浴スタイルは罪悪感を感じることなく、気持ちよく、安全に思う存分お風呂で寝ることができるのだ。
他人に死の危険を通告されるような悪い癖も場所を変えれば、最大限に良い癖として活用することができる。
 
実際に寝湯(寝ころび湯)で寝るということをやってみたが、ぐっすりと気持ちよく爆睡することができた。
はじめは湯船に浸かることとは違い、全裸のまま横になって自分の体を顕にすることに抵抗があったが、頭部に当たるところだけは仕切りが付いていたので、一度寝てしまえばさほど両サイドの視線などは気にならなかった。
また、ゆったりとお湯が流れていたので、寝ていてお湯が冷たくなってしまうというようなこともなく、お湯が流れていることが心なしか心地よかった。
しかし、はたから見たらシュールな光景には違いないが、この気持ち良さを体感してしまったからにはそんなことはお構いなしである。
 
外出した際に、立ち寄った日帰り温泉施設だったので、この寝湯(寝ころび湯)があることすら知らず、そのような入浴スタイルがあることは到底、私の頭のなかにはなかったので、嬉しい知らせであったことには間違いない。
 
気になって、この寝湯(寝ころび湯)について調べてみたところ、種類も様々で施設によってもお湯の量などが違うとのこと。
また、ぬるめの温度のお湯と浅い浴槽が基本のようで、寝ていることで体に水圧があまりかからないため、関節や筋肉への負担も少なく、リラックス効果もあるため、全身の血行促進や不眠解消・神経疲労の改善にも効果があるそう。
温泉やスパでゆっくりしたいけど、長く湯船に入っていられないという方にも良いのでは? と思った。
寝湯(寝ころび湯)の気持ちよさを知ってしまったので、次回どこかに外出する際はしっかりと悪い癖を楽しむべく、リサーチしてその時に備えよう。
 
私はこれからも悪い癖ではなく、良い癖として自分自身の安全を考慮しながらお風呂で寝ることを楽しんでいきたいと思う。
 
みなさんも悪いと思っている癖を場所やシチュエーションを変えて、意識的に活用できるようにしてみてはいかがでしょうか。

 
 
 
 
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2019-08-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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