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梅シロップ作りは楽し! 嬉し! 美味し!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Nobu Fujioka(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
スーパーの店頭に梅が並ぶ時期となった。
大きい梅や小さい梅、青い梅やちょっとオレンジがかった梅。
いろいろな種類の梅の横には、大きめの保存瓶や氷砂糖も並べられている。
一年のあいだ ほんの短いこの時期だけにできること。
それは、自家製の梅シロップを作ることだ。
 
‘自家製のシロップ?そんなの面倒くさそうだし、美味しいの?
手作りアピール、リア充(死語?)でしょ?‘
 
と、疑り深い私は思っていたが、これがやるとはまる!
楽し、嬉し、美味し! なのだ。
 
味噌にはじまり、ジャム、ラッキョウ作りや、梅干作り、フルーツリカー作り。
自家製で作れるものは数多くある。
しかし ‘自家製’ であるということは、
中身が見える安心はあるが、市販品の味におとってしまうことはよくあることだ。
 
‘こんなおいしい味噌はやっぱり手作りでないと作れません’
と書いてあるのを信じて手作りしたものの、そのしょっぱさに耐えきれず
ほとんど廃棄した。
手作りのラッキョウを頂いたもののその辛さについていけず、
だが ‘いただきもの’ という呪縛にいつまでも捨てられず冷蔵庫の奥に何年もしまい込んだままにしていた。
そんな経験のある私にとって、
スーパーの手作りコーナーに並んでいる梅たちは昨年まで全く興味を惹かないものだった。
 
それが作ってみようかな?という気持ちに変わったのは、
炭酸飲料のカロリーについての記事をよく目にするようになったからだ。
好意的な記事ではない。
それなのに、私は炭酸系の飲み物に目がないのだ。
‘それ、体に良くないし、太るよ’
 
炭酸飲料を手にするたびに、耳元でそういわれている気がしてしまう。
美容と健康には人一倍に気をつけている女子(!)としては、重大問題だ。
じゃあ、いったい私はなにを飲んだらいいのか?
 
たどり着いた答えがこちら。
 
‘自家製シロップを炭酸水でわればヘルシー’
 
砂糖はつかっているけど添加物はなしだからまだいいじゃないか?
という、中間着地点。
 
前々から添加物なしをうたった市販の梅シロップや濃縮されたシロップを
よく炭酸水で割って飲んではいた。
が、なにしろお値段がはる。
家族みんなで飲んでいたら、あっという間に終わってしまうし、添加物なしは本当なのか?
 
そんなわけで、昨年初めて梅を一瓶漬けてみることにした。
梅シロップにチャレンジしてみたのだが、これが大成功! 大好評!
 
シロップはこっくりして市販品とかわらない。
漬けた梅は当初全然美味しく感じられなかったので一年間冷蔵庫に放置してあった。
が、先日捨てる決心で出してきて、最後にふんぎりつけるためにと一粒口に入れてみた。
とろける実が驚くほどの美味しさ。
捨てる前に味見をした自分を自分で褒めるくらいであった。
 
それに味をしめ、今年は欲張って二瓶漬けてしまった。
二年目ということで、今回はいろいろな情報を調べてから漬けてみることにする。
その気になって情報を探してみれば、出てくる出てくる。
 
‘こんなにみんなが梅シロップを漬けていたの?
そりゃスーパーでも特設コーナーを設けるわけだ‘
農家さんの記事から、瓶に漬けこんだシロップがお部屋にずらりと並んでいるようなおしゃれな料理研究家の記事までたくさんあった。
あー、こんな瓶に漬けてみたい、などとおしゃれなガラス瓶に憧れつつ、
我が家は取っ手付きのおばあちゃんの台所にあります的な緑の蓋の瓶で仕込む。
前回と違うのは、梅を凍らせてから漬けるところ。
凍らせてからつけると、梅の粒子が壊れているのでエキスが早くたくさんシロップに溶け出すらしい。
 
梅をよく洗い、水にさらしてアクをとり、へたを取る。
竹串で残ったへたをとるのが、手仕事っぽくて楽しい。
だが梅の量はそんなにないので、あっという間に終わってしまう。
この仕事は一緒にする誰かといつも口にはださないがいつのまにか取り合いになっている。
瓶を消毒し、よく拭いた梅と砂糖を交互に詰めていけば、もう仕込み終了。
 
そうやって仕込むのも楽しいが、
砂糖が溶けてシロップになっていく過程を観察するのはもっと楽しい!
砂糖に埋まっていた梅がだんだんと溶けた砂糖から姿を現し、
日に日に増えていくシロップにプカプカと浮き始める。
どこにこんなに水分がはいっていたのだろう。
けれどその後、さみしいかな梅の実はシワシワになっていくのだ。
だけどもこれが、出来上がりのサイン。
そのころには、瓶を鼻のそばに持っていくとなんとなく砂糖と梅のまざったいい匂いがしてきたりするのだ。
 
今年はペットボトル6本分のシロップが完成した。
出来上がった美味しいシロップを炭酸水で割ったものを風呂上がりに楽しみながら、
まだまだ先の来シーズンに何本漬けこもうか相談が始まるくらいの家族のお気に入りだ。
 
ふとおもいついたのだが、
これは夏休みの宿題にもってこいなのではないか?
絵日記にも、自由研究にもつかえて、そのうえに家族みんなで楽しめるご褒美つきだ。
しかも失敗もほとんどない。
(まれに発酵しすぎることがあるようだが、夏休みの宿題だから毎日きちんと観察しているうえに、早く飲みたいと思うからそんなにまちきれないであろう 笑)
 
ただ、梅は販売時期が限られているので、夏休みの自由研究に使おうと思いついたときにはもう入手不可能だ。
そろそろ今季の梅もおしまいらしい。
もし、夏休みにだれかと作ることを楽しもうと思われるなら、
今すぐスーパーをまわり冷凍庫に梅を投げ込むことをおすすめする。
 
ちなみに梅シロップの話題をだすと、手作りつながりでラッキョウ作りをしていることを話してくれる人がけっこういた。
20代一人暮らしの女子でも漬けている子もいたりする。
自分で漬けたら、あの辛いラッキョウでなく自分好みに漬けられるのかしら?
食いしん坊なわたしだ。
来年はラッキョウにもチャレンジしてみようかとちょっと考えたりもしている。
 
明日は生協であんずがくるので、あんずシロップに初挑戦。
美味しくって、作っても作ってもシロップはすぐなくなるからだ。
作って楽し、出来上がって嬉し、飲んで美味し。
いろんな ‘し’あわせ を味わえるシロップ作り。
皆様もぜひお試しください。
 
 
 
 
***

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2020-07-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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