蓮のような生き方
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:さくらしおり(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
7月12日の早朝。
私は、人もまばらな「京都のとある寺院」にいた。
なぜ、週末に、そんなに早起きしているのか!?
それは、早朝に咲き始め、お昼には閉じてしまう「蓮の花」を見るためだった。
蓮の花は、開花して4日後には散ってしまうという。
中には、お昼を過ぎても咲いている花があるが、その花は、その日のうちに散るのだそう。
花の命は、とても短いのだ。
7月が見ごろだというので、眠い目をこすりながら出かけた。
だが、私は、「開花情報」というものに、一抹の不安を抱いていた。
なぜならば、過去に、何度も、痛い目にあっているからだ。
桜が満開だというので行ってみたら、早すぎて、ほとんど咲いていない。
紅葉が見ごろだというので行ってみたら、ほとんど全てが散った後……。
本当に「見ごろ」だろうかと、不安な気持ちで、蓮が咲いているという放生池に目をやった。
すると、遠くからでも、ピンクや白の花が、たくさん咲いているのが見えた。
「もしかすると、咲いていないかもしれない……」
と思っていた反動もあり、
「早起きして来た甲斐があった!!」
と一気にテンションがあがった。
何とも言えない、透き通るようなピンクや白の花びらと、ふっくらとした愛らしい形。
見たこともない数の蓮の花に、極楽浄土のようだと思った。
しかし、花だけではない。
蓮の葉の鮮やかな緑も、とても美しい。
水を弾いて、水滴が葉に留まっているのも、瑞々しくて良い。
しばし、蓮池に見とれているうちに、私は、とても清々しい気分になった。
梅雨のじっとりとした気候で、だるく重かった身体に、パワーがみなぎったように感じた。
その一方で、「私は、蓮のことをあまり知らないなぁ」と思った。
そこで、少しだけ調べてみることにした。
蓮は、インド原産らしい。
開花時期は、その年の気温などにもよるが、7月頃。
(私が行った寺院は、7月初旬~8月上旬とあった)
花の色は、ピンクや白色のものが多い。
そして、日本を初め、世界中の多くの国で、愛でられている。
日本では、奈良時代の記録に、すでに蓮が登場しているそうだ。
蓮の花言葉で、最も有名なものは、「清らかな心」。
その他にも、良いイメージのものから、ネガティブなイメージのものまで、いくつかある。
花の色によっても違うそうだ。
けれども、私が見た蓮は、この「清らかな心」という言葉が最もしっくりとくるので、私の中では、こちらを採用としたい。
また、調べていくうちに、蓮には、様々な用途があることも、改めて知った。
その中のいくつかをあげてみる。
蓮の根(実際は、根ではなく地下茎)は、ご存知の通り、蓮根(レンコン)として食される。
穴が開いていため、「先を見通す」ということに通じて、縁起ものとして、おせち料理にも使われる。
蓮の葉は、お盆にご先祖様へのお供え物をのせるお皿として利用される。
お盆前に、スーパーにたくさん並ぶ。
うかうかして、買い遅れた時には、スーパーを梯子して、探し回った記憶がある。
お盆には欠かせない必需品なのだ。
また、蓮の葉は、おこわ等を巻いて、蒸し料理に使うことも出来る。
蓮の葉の良い香りがする。
そして、蓮の香りを緑茶に移した蓮茶は、主にベトナムや、タイの一部で親しまれているそうだ。
私は、ベトナム料理や、タイ料理のお店で飲むことが多い。
蓮の花の良い香りが、ほわんとして、ほっこりする。
花托(かたく:花が終わった後の蜂の巣のような状態、種の集合体)は、花材として、よく見かける。
仏花、特にお盆の時期には、多く使われている。
それから、蓮と言えば、仏教とは切っても切り離せない花だ。
阿弥陀経の中で、極楽には蓮が咲いているといわれている。
仏像の台座にも、蓮がモチーフとして使われている。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という言葉がある。
泥の中から茎を伸ばし花を咲かせるが、その花は泥に染まらないという意味らしい。
美しく、清らかで、高潔な花。
見てよし、食べてよし、飲んでよし、使ってよし。
長い年月を越えて、国を問わず、人々に愛され続けてきて理由が分かる。
蓮について、ここまで調べていて、ふと思った。
技術の進歩が目まぐるしいこの時代。
AIやロボットの進化で、今後、人手を必要としない仕事も増えてきそうだ。
withコロナ、afterコロナの新しい働き方が叫ばれている今、その流れは加速するだろう。
将来、どの仕事がなくなって、どの仕事が残る、この仕事の一部は残るが一部はなくなる等、
色々予想されているが、100%、確実なことは分からない。
何か1つの出来事によって、その潮目がいっきに変わることもあるだろう。
そんな、予測しがたい世の中を生き抜くには、「あれも出来るし、これも出来る」、「これが駄目なら、あれでいこう」という、「蓮のような多様性が必要なのでは!?」と感じた。
そして、蓮の茎が、泥の中から、すくすくと真っ直ぐに伸び、美しく大きな花をつけるように、何者にも染まらず、自分に正直に、「清らかな心」で、日々を過ごせたら言うことはない。
早朝に、蓮を見て感じたこと。
「蓮のような生き方」
なかなか難しそうだが、チャレンジしてみる価値はありそうだ。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
▼大好評お申し込み受け付け中!『マーケティング・ライティング講座』 http://tenro-in.com/zemi/136634
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00
■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168
■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」
〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325
■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984