もう一人の自分にジャマをさせない!
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:飯村 恵利佳(ライティング・ゼミ通信限定コース)
最近は一般の人がどんどんYouTubeを始めていたり、TikTokから歌がブレイクしたりして、新しい事を知る事や何かにチャレンジする事に対してかなりハードルが下がっているように思う。
私もやりたい事にチャレンジして、後悔しない生き方をしたいと思っている。
例えば、場所や時間などに制約を受けずに自由な仕事をして、自分に正直な生き方をしたい。
体を健康に保ち、スキューバダイビングや合気道など興味を持った事に、臆せずチャレンジして楽しんでいたいし、歩ける足を維持して国内外のいろんな所を旅したい。
新しい事に触れ続けて刺激を受けて学んでいたいし、すでに持っている知識を必要としてくれる人に活かしてみたいという希望も持っている。
しかし、新しいことにチャレンジしようとするときにはいつも、もう一人の自分がブレーキをかける。
私は小さい頃からやりたいことがあっても、大切な進路を決める際にも親から一言「だめ」と言われると諦めて、親のいう事を全て聞き入れてしまう良い子ちゃんだった。
そのうち相談をする事も出来なくなり「どうせダメだと言われる」と最初から諦め、これなら許可が出るだろうというもの選んで行動するようになった。
自分よりも他人の意見を優先させて行動するという事が続き、自己肯定感がとても低い大人になってしまったのである。
自分が「本当に好きな事・やりたい事」にチャレンジをするのではなく、無難に「やれる事」をして生きてきてしまったので、新しい事にチャレンジをする事にはいつも「もう一人の自分」がジャマをするかのように頭の中で次のような言葉を呟き始めるようになる。
「怖い」
「できるの?」
「無理じゃない?」
「失敗したらどうするの?」
「怖い」いう不安な感情が湧き出てくると、もう少し準備しようと考える。
そのうちに時は過ぎて、結局そのまま行動を起こせないで終わる。
そして「何も変わらない」「何も変えられない」自分をダメと感じてしまういわゆる「自己肯定感の低下」を引き起こすということを何度も繰り返していた。
私は数年前、試合中に前十字靭帯断裂という大怪我をした。
この怪我は野球では侍ジャパンの監督を歴任した小久保裕紀さん、相撲では元小結の高見盛(現在は振分親方)、女子バレーボールでは長岡望悠選手など何人もいる。
私も手術を受け、約1年間リハビリをしっかりして試合に出られるようになったが、何の不安もなく動けるようになるまでの数年間は、怪我をする前のように動けず、不安と恐怖との戦いだった。
「うまくいかない」とか、思いっきり動く事が「怖い」とか、動けないままだったら「どうしよう」という感情を、リハビリの中で筋トレ方法の見直しをした事によって正しく筋力をつける事と、動いても大丈夫だという経験をして恐怖心を減らしていく事ができ、今では、怪我をする前よりも体の状態は良いように思う。
身体に違和感を感じた時にも自分なりの対処が出来るようになり、身体との付き合い方が上手くなったようにも感じている。
私は今、新しいことをしたい時に湧き上がってくる感情は「大怪我」と同じだと捉えている。
最初は誰でも初めてのことをする時には「失敗する事が怖い」と感じる。
手術後初めてエスカレーターに乗った時は、降りる時に怖いと感じたし、実際に降りる事が出来なかった。
でも怖いからとエレベーターや階段ばかり使っているとエスカレーターはいつまでも乗れるようにならないので、何度か怖い思いをしながら慣れていった。
できない事は「不安」かもしれないが、どんな事でも最初から100%上手くいくことは少ない。
やってみて上手くいかなければ、反省して修正をすればいいだけだと思う。
そんな事に気づいた時、マイナス感情は「ジャマをするもう一人の自分」ではなく、「仲良くするべきもう一人の自分」になった。
「怖い」
「上手くいかない」
「不安」
という感情が生まれた時に「なぜ?」と聞いてあげる。
その答えが出た時、車で例えるとブレーキからハンドルに変わる。
どうしてか?
「なぜ?」に対する答えは、自分が求めている本当の気持ち、本音だったりするからだ。
本当の自分は何をしたいのか?
どんな状態の時に幸せを感じるのか?
自分はどこに行きたいのか?
マイナスの感情の正体を知って仲良くなることでブレーキをかけるジャマな存在ではなく、行きたい所へ共に向かう親友と言うべき存在に変わっていく。
そうなれば、あとはアクセルとなる行動を起こすのみ。
行動した後も、また何度か「もう一人の自分」が顔を出す事があるだろう。
その度にまた「なぜ?」と対話をする事で解決案を見つけながら前に進む事ができると思う。
まずはとりあえず行動して、失敗をしても自分を責めず「もう一人の自分」を大切にしながら、残りの人生を後悔しない様に自分らしく生きていきたいと思っている。
***
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