2回目のソロキャンプ
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:大木 淳(ライティング・ゼミ)
「う、うー、寒い」
周りの音で目を覚ます。7時14分、辺りはまだ暗いようだ。
寝袋にくるまっていてもこの寒さ。テントから出られずに目だけ開けている。
えいやっとテントから出ると朝の冷気が体に突き刺してくる。
トイレへ行かなくてはならない。
冬の朝。池には氷が張っている。鴨たちが気持ちよさそうに寝ている。
鴨たちを起こさないように横を通り過ぎる。手が凍りそうだ。
急遽買ったホッカイロにこれほど感謝した朝は無かっただろう。
名古屋から車で約1時間、犬山市のキャンプ場へ向かっている。
今回は2回目となるソロキャンプだ。
週末で混みあっているが3日前に電話をしたらなんとか予約を取ることができた。
最近のキャンプブームでどこのキャンプ場も週末となると予約でいっぱいになる。
というふうに、ベテランのような口をきいているが、ほぼほぼキャンプは初心者なのだ。
もともとは登山を主戦場としていたが、何を隠そう最近のキャンプブームでキャンプをしてみたくなった大勢の内の1人だ。
テント、寝袋、テーブル、椅子、ガスバーナー、クッカー、焚き火台、料理器具、、、。
忘れ物は無いか心配ではあるが、それ以上にうきうきした気持ちで運転をしている。
途中で食材やお酒を買い込み、14時頃キャンプ場へ到着した。
森の中の静かなキャンプ場。
オートサイトとフリーサイトがあり、フリーサイトを予約した。
冒険心がくすぐられる雰囲気のフリーサイト。
キャンプ場内には池があり夏には水上バーベキューや釣りが楽しめる。
受付を済ませて焚き火用の薪を買った。
音楽を流すことや大声を出すことは禁止らしい。ソロキャンパーにとってはとてもありがたい。ここを予約して良かったと思った。
フリーサイトに行くとすでに何組かテントやテーブルなどの設営を済ませていた。
家族連れ、友達同士、ソロキャンパー達が設営を終えたテントの脇でくつろいでいる。
大小様々なテントを見るのは楽しみのひとつでもある。
平らで居心地のよさそうなスペースを探すが見つからない。到着が遅かったようだ。
サイト内を一周、二周して見つけたのは斜面ではあるが落ち着いた場所。
設営に取り掛かろう。説明書無しでやってみよう。早くテントを組み立てて落ち着きたい。
収納袋からテントを出し、ポールを広げ、組み立てていく。
デイキャンプでの特訓のおかげかスムーズでは無いが戸惑うことなく組み立てられた。
これなら見られていても恥ずかしくないだろう。キャンプ道具は使うことで扱いを覚えていく。テーブルとイスを取り出して、斜面のテント場が完成した。
宴の始まりはビールとお刺身。
ここで忘れ物に気付いた。包丁が無い。
レンタルもできるが、お刺身にかぶりつくのもキャンプの醍醐味だと思いお刺身にネギをかける。
「うまい!」
夏のビールが最高なのはもちろんだが、冬のキャンプ場のビールも最高だ。
テントを設営したらまずはビールとお刺身。これは定番になるだろう。
ビールを飲みながら買い物袋をごそごそと物色して次のメニューを探す。
周りから見ると子供がクリスマスプレゼントを開けているような姿に見えるだろう。
食材を物色するひとときはキャンプでの楽しみのひとつだ。
ガスバーナーを取り出し、ハンバーグとチキンステーキを焼いて食べた。
料理かと言われると、焼くだけなので自信がないが、とにかくうまかった。
そう、キャンプ料理はシンプルで良いのだ。
荷物の運搬、テントの設営、飲み食い、この後の焚き火。
ソロキャンプは忙しいのだ。よってキャンプ料理はシンプルイズベスト!
ビールを飲みながらひとりで盛り上がっていたが、煮込みのような手の込んだ料理も食べてみたい。キャンプ料理の腕をあげて次回のキャンプに臨もう。お刺身は忘れませんが。
焚き火を見ながらウィスキーを飲む。
静かな冬の空の下。パチパチと木が炎に包まれる。
焚き火の炎を見ているだけでこの夜は特別な夜に感じられる。
日々仕事に追われる中で一瞬ではあるがもの思いにふけってみる、夜。
これからどうしていったら良いのか。
家族や友達は元気にしているのか。
普段は考えることも照れてしまうようなことまで思い浮かんでくる。
ソロキャンプだからこそ自分を見つめる時間が味わえるのだ。
22時。消灯。
もう少し焚き火を見ていたいけど、寝ることにする。
テントに入り寝袋にくるまり、朝を迎えよう。
「さ、寒い」
「ホッカイロ!」
今度は防寒対策をしっかりしていこう。
キャンプは実践することで失敗しながら必要なことを習得していく。
人生においてもこれは同じことだと思って。
またソロキャンプに挑戦してみよう。
***
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