ゲームをすることはフグを食べることだ
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記事:後藤 修(ライティング・ゼミ集中コース)
僕はいつもの通勤電車に乗って、会社へ向かっていた。
前を見ると、じっとスマホを見ながら、ゲームを楽しんでいる会社員がいた。そして、隣を見ると、迎えの会社員と同様に、夢中になってスマホを見ながら右手を動かしているOLがいた。
僕は、(ここは動くゲームセンターか?)と思ってしまうほど、熱心にゲームをしている人達を見かけた。
僕も小学生の時に、テレビゲームに夢中だった。しかし、僕はゲームをし続けることで、その後の人生を大きく変えてしまったのだ。
そう、僕にとって、ゲームをすることはフグを食べることだったのだ。
小学3年の頃、僕は両親に任天堂から発売されていたファミリーコンピュータ、通称‘ファミコン’を買ってもらった。当時、ファミコンは大流行しており、なかなか手に入らないもの。僕は両親から買ってもらった時、「ありがとう!!」といって大いに喜んだ。その日から、テレビの前に座り、スポーツゲームやスーパーマリオやら大人気のゲームで大いに遊んでいた。
その時の日常生活はこんな感じだった。まず、学校から帰ってきたら、近くの友達が僕の家に遊びにきて、夕方6:30ぐらいまでゲームをしていた。その時間になると、決まって僕の母親が、「もう遅くなってから、早く帰りなさいよ!」と声を掛けて、いったんは終了した。しかし、完全にゲームの虜になっていた僕は友達が帰ってからも、夕食が出来上がるまで、再びテレビの前に座り、ひたすらゲームで遊ぶという‘ゲーム気違い’だった。
中学、高校と学年が上に上がるにつれ、僕は外で友達と遊びにいくことが増えていった。だが、家で過ごす時は、相変わらずゲームで遊ぶ時間が多かったのだ。
しかし、そんな生活をしていた僕に、後に災いが降りかかってきた。
それは大学4年になった頃、僕の体がとても固く感じられようになった。僕は大学生の時は、東京に住んでいて、就職活動などで地元を戻ることが多かった。だから、就職活動の疲れが出たのだと思った。それを機に、家族が勧めてくれた地元の整体院へ通い始めた。
僕は地元で働くことが決まってからも、地元へ戻ってきた時には、そこへ通い体をほぐしてもらっていた。その甲斐あって、体は軽くなってきた。
しかし、体がなにか右へ傾くような感覚は抜けなかったのだ。
そして、社会人として、働き始めてから、少しづつ体の違和感は強くなり続けた。
しかし入社して数年間は、違和感はあったものの、たまに整体院へ行くことでいいだろうと高をくくって、生活をし続けた。
しかし、働き始めてから6年目の12月の冬。僕は目が覚めて、起き上がれない日を迎えてしまった…… 。僕はこの時、どうしてこんな風になったか信じられなかった。本当に夢であってくれと思った。
僕は会社を数日休んで、復帰した。しかし、体の違和感はほとんどとれておらず、座るだけでも重労働となってしまった。こんな風になってしまえば、ひたすら体を治療してほぐしか手はない。
自分が通っていた整体院だけでなく、親が通っていた整体院、そしてネットで調べて、効果がありそうだと思えそうなありとあらゆる整体院へ足を運んで治療を受けた。そして、実際、治療を受けて、効果がないと思えば、他の整体院を探すという‘整体院難民’を数年間にわたって経験することとなった。そして、仕事はなんとか続けていたのだ。
幸いにも、現在は効果がする治療を施してくれる複数の先生と巡り合うことが出来て、自分の体をメンテナンスが出来ている。また、健康を維持しながら仕事も出来て毎日を送っている。さらに、僕が小学生時代、中学生時代のように、自由に腕を回したり、肩を回すことが出来る体に近づいているように思える。
今、思うと僕がゲームに熱中する小学生の低学年の時は、全く健康に問題ない体を持っていた。しかし、僕がゲームをやり始めたことを機に、テレビの前で座り続けるとういう不安定な姿勢を取り続けてしまったために、僕の健康は失われていったのだ。(ちなみに、僕の体の不調は大きな病院では‘症状なし’と複数回、過去に診断されたている。)
それは、おいしいフグの身を食べているうちに、いつの間にか毒が含まれる部位を食べ続けてしまい、知らず知らずのうちに体を不調にさせてしまうようなものだった。僕は今でも、小学生の時にゲームをし続けてことを悔やんでいる。
今の時代、スマホや携帯を持ち歩かずに、生活している人はほとんどいないだろう。時には、
ゲームに時間を忘れるほど熱中してしまう人も多いだろう。
このような僕も、スマホをいつも利用している。SNSをフル活用して、勉強やともに学ぶ方々とお付き合いが出来ている。しかし、どんな人も活用しながらも考えていかなければならないことがあるのではなかろうか?
それは‘物事はおいしいところだけでなく毒もあること’を。そのまずさが自分の人生を変えてしまう大きいものになってしまう可能性があることを。
スマホは依存症が心配されていることがたまに報道されている。
だから、僕を含め、自分がこれから負担を背負わないような使い方をそれぞれの方が
考えて行動していく必要があるのではないだろうか。
***
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